見出し画像

エッセイ411.それが気のせいであっても

私は、新聞の全面広告が好きです。

子供の頃は、宣伝とわからずに、
「こんなに褒めてあるのだから、新聞なのだから」
本当なのだろうと思っていた時期もありましたが、
今はそういうことはありません。

どんな宣伝にも、書き手がいて、会社としては広告会社に、そこは任せるのだと思いますが、書いている人は法に触れないようにきちんと勉強しておられるでしょう。

薬機法(旧薬事法)が厳しくなって以来、「効きます」と断言するのはNGになったそうですね。
そこでよく見られるのが、
「こういうことが期待できます」
というもの。
読んでいて、つい期待したくなる人間心理をついてきます。

書き手が、インタビュアーなポジションであったり、それが効いて喜んでいる人の身内の立場で、その感動を、伝聞の形で伝える方法もあります。

「それ以来、Sさんはなんだか気分があがり、やる気が出てきたという」
「それを飲むようになった母は薬要らずと言う」

など。
これは、個人の感想を伝えているだけなのに、そうかもしれないと思わせられそうです。
でも、書いてあることを信じるも信じないも自由。
広告の下の方には、顕微鏡で見ないとわからないような小さなポイントで、

「期待される効果については、個人差があり、
必ずしもご使用者全員に効くということではありません」

というような感じのことも添えてあります。

定期的に大広告を新聞で打つ、ある口腔ケア製品なのですが、私は大好きです。

製品名に「すっきり・なになに・・」とあります。
「すっきり」とは、
・引っかかっていた懸念や疑問が無くなって、気分がすっきりする
・体感的に、お腹の方で問題を起こしていたものが無くなり、
    その結果として、すっきりした体と気持ちになる。
ということが言えると思います。
口腔ケア製品で口がすっきりというと、ミントなどの、実際にスウスウするものが入っているとも思えますが、こういう製品ではそれは普通です。
なのでカウントできません。
そこで、どのように「すっきり」なのかを、広告を読みながら一生懸命考えないといけなくなるのでした。
ヒントは、製品の写真のそばに、
「もう◯◯いと言われたくない!」
との、大きな文字であります。
なので、口が◯◯い、と言われるような悩みが、これを使えばなくなるかもしれません。今まで「あなた、お前、ちょっと口があれだよ?」と指摘されて嫌だった悩みがなくなり、気持ち的にスッキリするのかもしれません、
ということを表現しています。
間違っても、「もう◯◯いと言われなくなります」とは書いてありません。
そうなるだろうと思ってしまっても、こちらの勝手な勘違いと言えるのです。


私が新聞やネット広告、生協の広告で好きなのは、やはり、運動器具・健康食品やサプリ・奥様のアイデア的なちょっとした工夫のあるもののキャッチコピーです。

言っていいことといけないことの狭間を、
慎重に潜り抜けた結果としての宣伝文。
なかなか良いものがたくさんあります。

今日のベストはこれです。

飲むだけで頭のほうが、あれになることが 期待されるサプリらしいです。


1️⃣息子さんたちから、自分たちより頭がしっかりしていると褒められてちょっぴり嬉しい86歳。
微笑ましいです。
誕生日に、孫を連れてきてご馳走を囲んでくれる息子夫婦が近居なのかなと思わされます。
お上手に対して素直に喜べる、素敵な人です。

2️⃣これを飲んで、まだまだ負けませんぞという感じの66歳。
スマホにもチャレンジです。
でもよく考えてみると、66歳って、たとえば先月の65歳の誕生日まで、雇用延長で働いていてもおかしくない年齢。仕事でスマホはもちろん、パソコンも日常的に使っていたのではという気がします。まさか65歳定年まで、ガラケーしか使ったことがなかったと言うことはありますまい。
ここは、66歳ではなくて、76歳の方が良かった。

3️⃣脳が元気でいられる感じ、とはどういう感じなのでしょう。
私はこの頃、脳が不活発で、漢字は出てこないし、人名や食べ物の名前などのど忘れも激しくてこまっていて、不安です。
なので、なんだかこのサプリを飲みたくなってきてしまいました。
それで脳が元気になり、ついでに体にも力がみなぎって
意味なく野山を駆け回れるようになったら、もっといいですね。
それは臨みすぎなのか。

その他には、
繭から作った、サラサラなのにUV効果の高いパウダーとか、
できてしまったシミを押し出す作用があるかもしれないクリームとか・・

私にお金があったら、どんどん買ってしまって、6畳一間が通販で買ったもので溢れてしまいそうです。

今日も面白いものを求めて、新聞広告を先に見てしまいました。
皆さんはそういうことはありませんか?


サポートしていただけたら、踊りながら喜びます。どうぞよろしくお願いいたします。