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エッセイ439.3週間の帰省の旅(15) Day 15. シドニーへ

日本への帰路の一日を除くと、長かった帰省も余すところあと5日です。

午前2時半に起きて、頼んでおいた迎えのタクシーに乗って4分、オークランド航空に着き、荷物のチェックインなど手続きを済ませました。カンタス機が離陸したのが午前6時です。
4時間1分と、思ったよりもうちょっとかかってシドニーに到着。チェックアウトもほぼ機械にパスポートを差し込む自動のもので、新しかったのは持ち込み品その他について、機械の質問に応えていくと、チケットが出てくるもの。それを、言われたところで出すと、ほとんど人と話さずに、すーっと外へ出てしまいました。

タクシーで長女の住むシェア・アパートへ。東京から10月末にシドニーに帰った長女、体調を崩して寝ております。狭からぬリビングの窓からは、雨でも洗濯物が干せる、軒の深いベランダ越しに街路樹がいっぱいに見えています。人間をだめにする、座り心地のいいカウチでコーヒーを飲みました。
時代というものもありましたが、私もどんなに反対されても、親元を離れて自立するべきでした。いつまでも親といると、子供は育ちませんね。私がいつまでも人への依頼心が薄れないのは、この辺が原因なのかもしれません。

処方箋を持った長女と雨の中、薬局へ薬を買いに行きました。この近所には、日本で言う「看板建築」の古い建物が並んでいます。映画館も2階建ての古い木造の建物です。一軒ごとに、味があります。
カフェや食堂、いろいろなお店が続きますが、チェーンのお店は私が知らないだけでしょうが、あまりないように見えました。
オーストラリアは賃金が高く、日本の2倍から3倍だそうです。ワーキングホリデーも、本気の出稼ぎに日本から来る人が増えているというと聞きます。その生活を圧迫するのが、住宅・家賃の高騰で、ニュージーランドよりもさらに酷いそうです。1年か2年に一度の賃貸の契約更新で、家賃を倍から3倍にしてくれと言われて、退去を余儀なくされるということがあるのですって。長女は幸い、友達に声をかけてもらって、アパートで共同生活を始めることができましたが、おそらくその収入の半分は家賃だと思います。

日曜日なので、人気のカフェは人だかりがしていましたが、「この辺で一番美味しいから」と長女がコーヒーを買ってくれました。
タイ料理の店で、グリーンカレーやガパオライスを買い、アパートで食べました。長女は寝に戻り、ホテルのチェックイン時間まで、長女の友達とおしゃべりをして過ごしました。

3時に大型のウーバータクシーに来てもらい、こちらでの宿泊先のホテルにチェックイン。長女の仕事先なので、家族割でとても助かります。朝が早かったので疲れていて、部屋しばらくごろごろして、夕食は1階の食堂にしました。



上の写真の箱。苦味とコクのブラックコーヒー無糖十二本入りの空き箱ですが、中身は私たちよりずっと長旅をしました。去年、義母からもらった形見で、そのうちの長女の選んだもの。コーヒーカップやキャンドルスティックなどが入っています。一度名古屋に私たちと一緒に帰ってきて、そのあと東京転勤にともなって今の賃貸に引っ越し荷物と一緒に運びました。今年、日本から持ってきて、ニュージーランドのあちこちを一緒に周り、空港で受け取りを忘れて取りに戻ったり、空港で失くされそうになったりしながら、とうとう長女の手元に着きました。ちょうどこれだけがスーツケースに入らず、夫がいつも持ちにくそうにしながら手で持って運んできたものです。この他に、私が持ってきた長女の服などは、ほとんど要らなかったそうで、まったくもう〜、と思っています。お節介はよせばよかった。人の服って、なんだか捨てられないんですよね。
でも、スーツケースがだいぶスカスカになってよかったです。

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