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転職体験と大量の愚痴

注釈:筆者も結局は1回しか転職していないし、種明かしをすると最終的にフリーランスになっただけだが、おかげで働き方や仕事の本質や年功序列云々のことを知れたが、本稿は可能な限り自分の主張は抑えるが、自分の取ったアクションとその印象から伺える点については各々に任せるので酒の肴程度に読み進めて頂きたく存じます。

市場価値とスキルシート

筆者は「ソフトウェアエンジニア」であるため、経歴書以外にもスキルシートというよりエンジニアとして取り扱える範囲を説明する必要がある。これはゲームでいうところの「スキルツリー」に該当するし、備考欄に記入する内容は「パーク」に等しいとも取れる。
だが逆に言うと「スキルシート」に書ける内容が薄いと、自身の市場価値が低いことも示す。そしてこのIT界隈はと登竜門ではないが、物理的に縛られにくいので隣の芝生は青く見えても、まったく手が届かないわけではない。なので市場価値があることさえ判ってしまえば、走り幅や棒高跳びでなくとも(比較的)簡単に行ける。言わば誘惑ではない、可能性なのだ。

ジョブ型雇用について

正直自分はかなり人間関係について敏感で且つ嫌なことがあったらすぐに働きかけるタチだ。会社が言うには「正社員だから常に仕事が与えられる」ことを示唆されていたが、自分が仕事を取ってきて継続させることにも労力を割いていた。ただ営業ではないのでまったく関係ないお客さんに働きかけることが出来なかったので、いつものお客さんから仕事を貰う形だった。それが最終的に3口程になっていたが、幾つかのプロジェクトは同僚に渡さざるを得なかった。
このバランスが崩れたのは某C渦のせいで客先への影響がいよいよ表れてしまい、直接のお客さんが他部署へのヘルプに出て社内出張をしたため、自分がメインで携わっていたプロジェクトが凍結された。
そんでもって自分も同じ部署内の違うプロジェクトのヘルプとして入った。このプロジェクトが、自分が主導権を握れないだけでなく「雲泥の差」を示すが如く客先が酷かった。それは態度とか連絡や納期の話だけでなく一部支離滅裂な要望があったり撤回をするのが遅すぎたり等、私含め同僚全員がかなり乱雑に扱われていたのをしっかり覚えている。
そして気が付いた、私は正社員として所属してるが、会社からの介入がかなり遅れていた点を考慮すると実質的にジョブ型雇用だったし、ヘルプに入ったプロジェクトに参加した時点で私は別会社に入社したも同然だった。そしてこの「ジョブ型雇用」だったならば会社に留まる必要が無い。

とりあえず情報収集

スキルシートを埋める前に、自分の知人に「転職の仲介を個人で行っている友人」が居ることを知っていたので紹介してもらった。
一番最初に話した内容は「転職を考えていて、フリーランスも視野に入れているが、具体的な違いが判らない」だったが、紹介してもらった人との会話が無限に弾んだのでいつの間にか仕事理念とか話していたので、まったく違う可能性として「コンサルタント」も挙げていた。
実態として私は一次下請けの存在だったし、お客さんへのリスニングもかなり行っていたし調査資料の作成も無限に行っていたので、自分の考え方や言葉選びが営業向けではないことを除いて悪くない選択肢だった。

コミュニケーションとくだらなさ

上記の紹介してもらった人以外にも著名な転職プラットフォームにも登録を経て様々な面談を行った。
ただこの会社で通じていた自分のコミュニケーションは悉く通用しなかったのは人事部との面接で分かった。
特に1時間半も面接して互いに趣味の話とかもしたし、質疑応答も結構うまくやっていたつもりにも関わらず「目を合わせたくない意志を感じ、一度も笑顔を見せなかった」とかよくわからん日本風アイコンタクトが無かったせいで落とされたことには異常に腹を立てた。なんで初対面の人と1時間半も完璧なアイコンタクト取らなあかんのや。コミュニケーションの本質を考えると、面談中も同じく情報収集するのは歩み寄りの証明じゃないんか?あと言うて笑顔いるか?私はいつでも真剣だぞ。
ただただくだらないと思っていたのは自分のスキルシートと自分のコミュニケーションスキルも、IT界隈向けに特化し続けたが、今の自分は人事部に向けて頑張るのは意味不明以外に言語化できない。またこの事象に関しても過去にコンサルタントに就活してた友人が「縁が無かったで済ませた方が楽」と言ってたのも納得が行く。
また結構良い所までコンサルタントの面談が進んだケースもあったが、試験としてExcelデータを出され1日でまとめる作業があった。このExcelを秒でCSV化しPythonで読み込ませてDataFrame化し相関を出させてとっとと回答を書いたのだが、なんとこの試験「Excelマクロでやって欲しい」の文言が無いにも関わらずPython使用で落とされた。制限事項はしっかり書けって。
そしてコンサルタントの方向性とは別に、IT界隈への転職も行おうとしてたしこっちは面白くないぐらい着々と進んだし最終面接のために東京に訪れるタイミングを伺う必要がある手前まで来たが、以下のことが発生した。

トラブルというか社畜化

今までの転職活動は4月から始めていたが、上記で書いた私の元客は相も変わらず出張していたので、まったく別の口から仕事を貰った。
そしてこの仕事、草案段階でかなりガッチガチに方針を作り上げないといけなかったのだが徹底的に成果主義の癖に連絡が取れないし、仕事上の上司(会社の上司ではない)が叩頭しかしない癖に「最後まで付き合いますから」とか言いながらこっちにはすごい漠然としたアドバイスというより難癖しか付けないため、私は「ビジネス的に中途半端に義理堅い」と、私が可能な限りオブラートに包んだ状態で代表取締役に愚痴をこぼした。
だが社畜化に拍車がかかり、マジで体調不良で2日休んだにも関わらず件の仕事上の上司からはさりげなく仮病を疑われ、ことあるごとに工程が遅れていることを言うときはこの2日についてくどくど言っていた。このくどくどが辞めたのは私が深夜11時に日報の進捗報告を送るようになってから。
挙句の果てに、お盆は消え失せ労基法に抵触しかねない業務形態になり、誰も居なくなった会社でお気に入りの歌を熱唱してなけなしの英気を養う日々が繰り返されていたし、会社のアルソックマスターになった。
幾度と自問自答を繰り替えし、正社員であることは私が訴えられないことを保証してるだけで、紹介頂いた仲介の人や某プラットフォームの担当官にも散々聞いたがそれぐらいの保証ならばどこにでも転がってるとのこと。それを調べた時に力尽きたのなら私も地方紙の1面を飾れる未来があったが、幸いにも諦めないタチだったので何とかプロジェクトは成立したし、社畜は何たるかを隅々まで体験したし、給料明細の数字の低さが際だって見えた。
そして上記で言ってた最終面接まで辿り着いた企業が提示してた額面にも似たような感想を覚えた。

証明し続ければいいだけじゃないか

上記の面談で一度たりとも笑顔を見せないのと同じように怒りを見せなかったが、プロジェクトが落ち着くのと同じ時期にフリーランス化と引っ越しの準備を進めた。隠す気は微塵も無い、自分の部署の上司と代表取締役と社長に自分の意見をぶつけて折り合い箇所は見当たらなかったので、着々と準備の方を進めた。
この会社の最初期からジョブ型雇用みたいな形態で、違うプロジェクトに配属されても自分の仕事を全うすることも出来たし、同僚間のトラブルやヘルプにも慣れた。強いて言うならとある言語の特定のコーディング思想を教え且つ書き切ってくれた先輩と、自分が技術力の塊としてヘルプをお願いし続けた同僚のエンジニアと、私とやたらコミュニケーションがうまく且つ淡々とテストが出来た後輩をキャリアから外さるを得なかったことを除いて、失ったものは無かった。
だからこそ、過去と同じように自分が出来ることを常々証明し続けプライドを保持し続けず恥を認め、証明し続ければいいじゃないか自分が仕事をできるってことを。
と言う経緯と心情と給料明細の額面に従って自分はフリーランスになった。

最後に

「本当はもっと気軽にできるよ!」なんて言わないさ、コミュニティに抜けるのも大量の情報を摂取するのも、30を超える面談を行うのも、正社員かフリーランスで将来性について無限に考え、厚生年金と自分の投資プランを天秤にかけつつ、各制度のメリットを再認識するのも、骨が折れるでは済まされない。
そしてフリーランスになってから「安定しきった」とは言い切れないし、結局新天地でもたくさんの学びを清濁併せ呑む形で学んだし、社畜化を強いられた場面はあった(この時は額面がすごいことになった)。
私の体験記がどのような糧になり得るかは定かではないが、酒の肴ぐらいにはなっただろうと思いたい。
ここまで読んで頂きありがとうございました。

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