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多様性の野球~認知症ケアから学んだことを活かしてみる

3回連続に渡って「多様性のある社会における認知症ケア」についてボソッとしてきましたが、せっかく学んだことですから、私らしくそれらを”野球に活かしてみよう!”というのが今回のボソッとです。


多様性の認知症ケアから学んだこと


まずは3回連続でボソッとした”多様性の認知症ケア”から私が学んだことをまとめさせていただきます。

1回目:『認知症とアフターコロナ』
”考え方ひとつ変えるだけで、社会は変われる”

2回目:『認知症バリアフリー』
”私たちは認知症の方は何もできないと思い込んでいただけ”

3回目:『多様性ある”ごちゃまぜの場所”』
”多様性あるごちゃまぜの場所はCIAよりも優秀だ”


1回目:『認知症とアフターコロナ』


”考え方ひとつ変えるだけで、社会は変われる”ということ。

コロナ過での面会の制限は、家族だけでなく認知症の人にも影響を及ぼしましたが、面会の制限がなくなったアフターコロナを体験することで、会いたかった人に会えた人たちの心に変化があったことを知りました。

それは、「会えるだけでいい」ということ。

コロナ前では「会うことが普通だった」ために認知症の方々に色々と求めて過ぎていたことがコロナ渦によって気づき、「ただ会うだけでも良い」と思えようになった。
外面だけでなく内面を見つめてあげて、寄り添ってあげるだけでいいんだ、そう考えを変えるだけで、みんなが幸せになれるのでは?ということを学びました。


それと同時に、コロナ渦によって”長い間、人と接していないと脳の働きが低下するという事実”も学びました。

つまり、認知症の方々を孤立・孤独にしてはいけないという共通認識を持った社会を作っていく必要があることが分かりました。


2回目:『認知症バリアフリー』


”私たちは認知症の方は何もできないと思い込んでいただけ”

心の中にあるバリアを打ち破る“認知症バリアフリー”な街づくりが広がっていることを学びながら、様々な取り組みが成功した背景にあったのが、認知症ご本人の方の”自律”を尊重した取り組みだったことを知りました。

そのためにも、認知症の方が社会進出しても”安心できる環境”を用意してあげること。
そして、認知症の方々は自分自身を幸せな状態にさせる”ウェルビーイングな脳”を形成してあげること。

このようなサポートがあれば、「これをやってみたい!」「自分ででやってみたい!」という”自律”した認知症の方々が活躍する社会になるのではと思っております。


3回目:『多様性ある”ごちゃまぜの場所”』


”多様性あるごちゃまぜの場所はCIAよりも優秀だ”

障害がある人、高齢者、心に病がある人、疲れている人、みんなと話がしたい人、元気になりたい人など、どんな人にも居場所があるからこそ色々な人たちが集まってくるコミュニティ、”ごちゃまぜの場所”を作ったら、誰にとっても「とっても心地よい場所」となったことを学びました。

しかも「”ごちゃまぜの力”が化学反応を起こす」ことも知りました。

様々な人たちが”ごちゃまぜ”となる関係の中から、私たちが体験したことがないものが生まれるかもしれない、そんなワクワクドキドキさせてくれる”多様性あふれる場所”は、画一的な集団であったCIAには無い魅力が詰まっていることを学びました。


学んだことを野球に活かす


さて、”多様性の認知症ケア”から学んだこれらを野球に活かしてみたいと思います。

果たしてこれは単なる妄想なのか?はたまた未来に向けての構想なのか?
お読みいただいた方のご判断にお任せいたします。


”考え方ひとつ変えるだけで、野球界は変われる”


野球界にとってショッキングな数値があります、それは全国のチーム数の推移です。

日本の野球界を支えている学童野球ですが、2022年度にとうとう全国のチーム数が10,000を切ってしまいました。しかも、恐ろしいことに10年前より4,000チームも減っているんです。ピークだった時代は約28,000チームもあったことを考えると・・・都道府県別で唯一4桁の1,000チーム台をキープしている東京都も3桁台になるのは今年か来年あたりですかね。

この急激な減少は少子化という理由もあることでしょうし、子供たちの選択肢が増えたことも原因のひとつでしょうが、保護者とチームの関係がうまくいっていないことも原因として挙げられています。


私たちは子供たちの育成を野球チームだけに頼りすぎていたのかもしれません。頼りすぎていたから、私たちの思考は停止していましたが、野球をやりたい子供たちのために私たちは再び思考することを開始する必要があります。

その象徴的な出来事が最近あったのです、それは全日本軟式野球連盟が全国のチームに通達を行いました。

それは『チーム活動への保護者の強制的な協力や同調圧力をかけにように』という内容です。その概要は下記の通りです、ほんと、アタリマエのことだらけなのですが、全国のチームにはこのアタリマエすら守れていないチームもあるからこその通知なのでしょうが・・・その概要は下記の通りです。

1.それぞれの家庭には、子供のスポーツ活動への関わり方にその家庭ごとの考え方がある事を理解し、チームの運営を決める時によく話し合う事が大切です。

2.自分達の今までの「当たり前」を見直す事も大切です。

3.役を担わないと、子供が使ってもらえないなどの誤解を生まない事が大切です。

4.伝統的な決まり事(保護者の役割、分担など)があっても、時代の変化や新しい意見を取り入れて見直していく必要があります。

全日本軟式野球連盟『学童チームへの保護者参加についての考え方』より

この通知をきっかけにチームが変わることを願うとともに、保護者の方々も”どうあるべきか”をチームの方と一緒に考えて行って欲しいですね。


子供を孤立・孤独にしてはいけない


チームにはたくさんの子供が在籍しています。
人数だけでなく、早熟な子、晩熟な子、始めたばかりの子、意見を言える子、人見知りの子などといった、色々な子がチームにはいます。

チームに関わっている大人の数が少ないのも原因ですが、チーム活動中はみんな平等に接したりするのも意外と難しいと感じているパパコーチの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

どちらかというと野球がうまい子、人付き合いがうまい子は大人との接点があるかもしれませんが、もしかしたら、あなたのチームには孤立・孤独化している子供はいませんでしょうか?


そこで、せっかく野球をプレイするために来てくれた子たちをどこまで私たちは観てあげるべきなのか。

それは難しいことではないと思います。

「野球を一緒にやろうね、野球でたくさん楽しんでね」という気持ちを持つだけで、だいぶ変わると思います。

「みんな一緒に野球やっているのかな?楽しんでいるかな?」という視点を持つだけでも全員の子に意識を向けられるのではないでしょうか。


「なんでもかんでも子供たちのためにやってあげよう」とか「たくさん教えてあげよう」という過保護的な大人の役割だけでなく、あくまでも子供たちの外面だけでなく内面を見つめてあげて、寄り添ってあげるだけの存在として、大人がチームに関わることくらいでいいのではないでしょうか。


子供は何もできないと思い込んでいただけ


私たちは子供はなにもできないと思い込んでいるかもしれません。

「いえいえ、子供はできないことが多いから、大人がしっかりとサポートしないといけない」というご意見もあるでしょうが、そもそも「なぜ子供はできないことが多い」と思うのでしょうか?実はそう思ってしまう原因があるからです。

それは、私たち大人は子供たちに手をかけすぎているから。

しかも、チーム活動=子供へのサービス化となっているから。

やはり、「勝利至上主義」を目的化すると”子供はできないから教える”という考え方を前提としたチーム活動方針となっているから。

これらの考えがチーム全体に広がってしまうと、保護者の負担が増えてしまう原因となってることでしょう。


そこで改めて、野球をやらせながらどのような子供に育って欲しいかを自問自答してみませんか?

野球を通じて子供が”自律”することを望んでいませんか?
子供が自分自身で考えて判断して行動して欲しいと思っていませんか?

自律した子供を育成したいという方針を持っているチームもあるのではないでしょうか。

それなのに子供の自律を促さないような考え方や行動をチームで行っていないでしょうか?

これからのVUCK時代、いまの子供たちは積極的に自律をさせてあげるべきだと思います。

チームは”子供にとって安心できる環境”を整い、指導者は子供たちに「自分たちは野球をやっていて幸せだなぁ」という”ウェルビーイングな脳”を持ってもらうような指導内容へ変えるべきだと思います。

このようなサポートをしていけば、「これをやってみたい!」「自分ででやってみたい!」という”自律”した子供たちが野球界でも育ってくれるのではないでしょうか。


多様性ある”ごちゃまぜのチーム”はCIAよりも優秀だ


障害がある人、女子、日曜日だけ野球がやりたい、他のスポーツやっているから夏だけ野球がやりたい、女性監督などなど、どんな人もチームに迎え入れてみてはいかがでしょうか。

”ごちゃまぜの力”が化学反応を起こすかもしれません。

例えば、いまでもできる”ごちゃまぜ”方法として、同じ学年でしか活動していないというチームなら、1日の半分の時間を使ってでも良いので、全学年の子供たちを”ごちゃまぜ”にしてみてください。

野球に自信を持つことができないけど下の子の面倒を見ることが得意な子がいたら、チャンスです!
下の子のコーチ役として指導を任せてみてはいかがでしょうか。任された子は自信がつくかもしれません。
人に教えることの難しさ、でも教える楽しさを知るでしょう、人に教えることで頭が整理されて自分のプレイにもプラスになるかもしれません、その結果、自己肯定感が高まり、自信が持てる子供になってくれるかもしれませんよ。


”ごちゃまぜの力”を使って【CIAよりも優秀な野球クラブ】にしてみてはいかがでしょうか?


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