『自分が欲しいものだけ創る!スープストックトーキョーを生んだ「直感と共感」のスマイルズ流マーケティング』 野崎 亙

【目次】

1章 マーケティングしないマーケティング
2章 スマイルズのクリエイティブ
3章 課題設定力が肝
4章 すべてはN=1から始まる ~「顧客志向<自分思考」で価値をつくる~
5章 関係性のブランディングの作法 ~短所でもいい。そこに特徴はあるか~
6章 スマイルズのブランディング
7章 実践編! N=1の発想で新規事業を生み出す ~本と出会うための本屋「文喫」の場合~

市場調査もいらない!
割引も広告もいらない!
「顧客」より「自分」が基点の新・マーケティング論
(Amazon.co.jp 商品説明より)

【気になった箇所】

”では何を重視するかというと、いま、目の前に見えている未来のお客様とどういう関係性を持つかということ。そのためにはその人に憑依する勢いで、その人の欲求や心の動きを妄想する。満足のいく顧客体験を提供するために具体的なシーンを描く。イメージを膨らませる。提供するものにオリジナリティやユニークネスがあるかにこだわる──といったところです。僕らが大切にしているのは、目の前に見える誰かに対して、自分らしいやり方で、その方の〝体温〟があがる価値を提供することなんです。

”スマイルズがクリエイティブやブランディングに関して大切にしている手法や考え方を簡単に紹介します。
・課題設定が肝
・「N= 1」を基点とした発想
・「関係性のブランディング」による市場の分析  

この中で、一番重要なのが課題設定です。自分たちはどうしていきたいか、どこを目指したいのか、新しい課題、つまり最初の地図を見つけにいくことが大事だと考えています。今までなかった課題を設定することができれば、自ずと新しい解決策は見つかると考えています。そして、課題設定をするための手法が「N=1」を基点とした問題発見や気付きや発想であり、「関係性のブランディング」による市場の分析です。”

だから、何度も言うけれどもN=1を知ることが一番大切なんです。日常に目を見開いて、いいなと思うもの、嫌だなと思うものがあれば、ちょっと立ち止まってそれがなぜかを考えてみる。服でも食べ物でも何でもいいので、自分の「好き」を要素分解して、どんなものに惹かれるか、それが何で構成されているか、その対極にあるものは何かを考えてみる。そんなふうにN=1を基点にすると、新鮮なアイデアが結構生まれてくるものです。”

【感想】

スープストックトーキョーを展開する会社のクリエイティブディレクターが著者ということで、手に取った本です。

本書では、既存のマーケティング手法とは異なるアプローチが説明されています。それは、ペルソナ設定やアンケートなどを行わず、N=1を基点に行うマーケティング的アプローチです。既存のマーケティング手法を知りたいという方には向かないかもしれませんが、新しいアプローチを模索しているという方には、新たな視点を得るきっかけとなるかもしれません。

スマイルズという会社のマーケティング手法に興味のある方には、オススメの一冊です。

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