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希望GIVERに保留はなるのだ1/230606



何も持たぬ私を求めてくれるなら、
どこでも向かおうじゃないか。

基本的にこのマインドで生きている。
私から求めることはやはり少ない。
欲しいものを選べないから。

今日、派遣の面接に行った。

昨日のつぶやき通り全く何も準備せずに寝不足で向かい、派遣会社の方と早めに待ち合わせて打ち合わせ。
就活の鉄則のような「言ってはいけないことと言わなければいけないこと」「とりあえず言う文言」みたいなものを教えてもらった。

「へぇーそういうものなのですね」と関心していると「注意点さえ気にしていただければ保留さんはいつものようにお話していただければ大丈夫です!」と言っていただけた。

この担当さんがとても良い人だった。

10社を超える沢山の派遣・転職会社の担当さんとお話した中でも一番光っていて、なので他の人は名前も会社もごっちゃになっていてもこの方だけは覚えていた。

昨日、最終確認のお電話をいただいた時に、ポロッとその気持ちが出てしまった。

「わー、これでやっと◯◯さんにお会いできるんですね!」

オフ会ちゃうんやぞ、と毎度ながら言いながら反省していると(毎度迂闊)

「そうなんですよ!やっとお会いできますね!楽しみにしてます!」と返ってきてナチュラルに嬉しかった。
めっちゃええ子やん。

面接は面接。
謙虚に、礼儀正しく、言うべきこと言わないこと、直前に教えていただいたことは全て実行できたと思う。

40分ほど面接して滞りなく終わり、お辞儀マシーンと化した私と担当さん二人になった。
「面接、大丈夫でしたかね?」と不安になって訊ねるとものすごい笑顔で「もう、完璧でした!」と言ってくれた。

なんてええ子やねん…

このお仕事のお話を持ってきてくれたこの担当さんはド本命だった博報堂を持ってきてくれた方で、その後の粋すぎる計らいで今回のお仕事も持ってきてくれた。
粋すぎたのだ、本当に。

それでも今日の会社の開始は8/1。
それまでに「他に良い会社はないか」と探すのは人間の本能だし、それも包み隠さず他の会社の進捗も話していた。

「良いお話があればそちらに行きたいです」

先週だったか、まだ結果待ちの正社員面接の前に違う会社の案件の電話を受けた話を書いた。

どうしてこうもタイミングというものは妙なのか。

今日も同じことが起こった。

会社の駅に着いた瞬間に電話がかかってきて、別の正社員面接の日程の連絡が来たのだ。
しかも明日。
浮気性にはガッツリ気が削がれる話である。

しかもけっこー面白そうな仕事だし、こちらはすぐにでも、という話だった。
今から面談する会社は8/1からだしなぁ、決まっても、と。
これがどこか今回乗り気になれない理由だった。

だけど、今回の担当さんが本当に賢い人だから心が揺れていた。
しかも、可愛い(最重要事項)。

面接後に会社前で解散し、担当さんは

「私はここに残って先方にお電話してから保留さんにまたご連絡します。
 早くて2.3日ですね、結果は」

面接前に言われた話を思い出した。

「昨日先方にご連絡したんですよ。
 他にも面接の方がいるかもしれないんでそのお話をしたんですけど、応募はすごく多いらしいんですけど、面接って保留さんだけらしくて。
 書類で弾かれてしまうみたいなんです」

そんな話は聞いとらん。

「え?…ほんとすみません、私はそんなに言うほどスキルも誇れないんで空いたところで入れそうなところをご紹介していただいてもらったと思っていて…あ、ほんとすみません」

本気で誤解していた。
だから今日も夜更かししてしまった…のは嘘だけども、気合いが入っていなかったのは確かだ。

しかし、それなのに色々な条件を譲ってもらっている。
面接もとても楽しくお話していただけたし、業務内容も面白そうだし、英語も使えて、世界が広がる。
経営マーケティングができる。

悪くないのかもしれない。
上司になる方もめちゃくちゃ素敵な方だったし、会社を出てから「あの上司さん最高でしたよね、普通にあの人の下で働きたい笑」と派遣の方も言っていた。

会社で別れ、駅に向かっている時に担当さんから電話がかかってきた。

とても興奮していた。

「あの!私からお電話する前に先方から「是非来て欲しい」と電話来ました!
 お話されてみて保留さんの人間性やスキルを知って是非に、ということです!」

早い早い早い。

早ない?
解散して5分くらいしか経ってないど。
普通こんなもんなの?
でもこの興奮度からするに違うのだろう。

「それと、8/1からのお話でしたけど、保留さんに来ていただけるのなら来週からでも調整していただけるそうです!」

早いねんて。

人が興奮していればしているほど、私は冷静になる。
その波に飲まれて冷静な判断を失わないためだ。

だから私はまだ何も返事をしなかった。
そして、気になったことを聞いた。

「すごくありがたいんですけど、こういうスピードで動くことはよくあることなんですか?
 早くて2.3日とお聞きしていたので。
 先ほど面接前に書類で受かっているのも私だけだとお聞きしましたし、大丈夫なんでしょうか?」

私である必要を知りたかった。

「ありません。
 こんなに早いのは初めてです。
 保留さんのお人柄とスキル、お話で決められたそうです」

口八丁で浮気性のワイ…。
しかし明日も面接だし、選考中も他に何件もある。
条件だって金銭的にもかなり良いものもある。
だけど今回の条件も一般的にはかなり良い方だと思う。

どこかでそろそろ辞めなければいけないとも思っていた。
上を目指してキリがなくなるし、欲は深くなるし、やっぱり選べなくなる。
恋愛のように。

その迷いを知っていたようで、担当さんはこう伝えた。

「保留さん。
 このスピードの速さが全てを物語っていると思います」

キラーワード。

「いかがでしょうか?」

「…いや、ここまでしていただいて断る理由はありませんね笑
 お受け致します」

「ありがとうございます!
 私もとても嬉しいです!」

いやええ子やんなぁ。

緊張しながらも楽しいお話を聞かせていただいて話させていただいただけなのにな、とも思った。

駅のトイレでスーツからワンピースに着替えて電車の中で担当さんにメールした。
シンプルにお礼を言いたかったからだ。

寄り道したくて途中下車し、カフェでタバコを吸っていると返事が来ていた。

「私は保留さんとお話していて、最初から是非一緒にお仕事したい!と勝手に思ってたんです。
 なのでとても嬉しいです!
 全ては保留さんのお人柄とスキルです。
 これからもよろしくお願いします」

一瞬泣きそうになって、スクショして宝物のように眺めた。

つづく

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