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千葉一周旅行記_1/2300601


2023年5月25日夕方

気づけばとっくに房総半島に着いていた。

どこぞのSA
有名らしい


死ぬほど安い、だけど「いつも通ってて気になっていた」という、だだっ広いけどちょっと照明を落としている、お客も1組しかいない台湾料理屋へ行った。

何度も「お腹減った」と言う友達に「うん、どこか行きなよ、私はなんでもいいから好きなとこ行きなよ、好きなもの食べな」と何度も返していたらそこになって、もしかして何を食べたいのか尋ねられていたのかもしれない、と今わかった。
この旅で私は「相変わらず男心に鈍感すぎること」を痛感した。
痛感しすぎて書けないほど。

直前に家で天丼を食べた、と言ったら「本っ当にしょーがねーな」と笑われて「あんまり食べないからなんでもいいよ」と言ったくせに結局めちゃくちゃ食べた。
自分の腹がわからなくなることがよくある。
元旦那さんにいつもそれで怒られていたことを思い出す。

結局その台湾料理は死ぬほど美味しくて、チャレンジメニューであるデザートの「とうもろこし饅頭の練乳添え」は少し残した。
とうもろこし粉を混ぜ入れて揚げただけなのにやたらと美味しくて、少しシナモンも入っていたと思う。

謎に安くて美味い台湾料理



素朴な美味しさに友達は目を閉じて深い息を吐いていた。
大したことないのに美味いってすごい、と言いながら。

そして2人で「これは日本ならどんな立ち位置の食べ物なのだろうか」でしばし頭を悩ませた。
少し残したとうもろこし饅頭を、手のひらにティッシュを乗せて直に置いて歩き、そのまま持って帰ろうとしてレジに並んだら台湾人のお姉さんがタッパーをくれた。

優しい。

そしてそこまでしたのに翌日昼までとうもろこし饅頭は車内に忘れられる運命になるとは、この時誰も思っていない。

2人で6品たらふく食べて2900円。
「なんでこんなに美味いのか」
「安すぎる」
と言いながら食べ、「お腹が満たされて幸せだね…何もいらないね…」と少し散歩した。

もちろんそんなことを思うのはその時だけだ。
人間は欲深モンスター。

腹ごなしに歩いていて採掘場を発見して遊ぶ(撮影)
勝手に遊ぶ我ら
中々イケてる友達
しかし恋人には及ばない


なんとかホテルの予約が取れて、ホテルの入り口まで送ってもらった。
予約5分後の21時にチェックインし、いらないものを置いて車に戻る。

少し移動して港に行き、友達は少し釣りをして私は写真を撮っていた。
人がいないのでそのまま出っ張りを枕にして地面に寝ていたら「ふつーにフナムシ登ってくるからやめろ」と言われて飛び起きた。

ほぼノーフィルターなのに存在するだけで映える夜の海



初日の前乗りは23時頃に友達が「もう眠すぎる」と限界を迎えて終わった。

しかし友達は私をホテルに送り届けないといけないタスクが残っている。
10分程度だと思うけれども申し訳ない。
助手席に乗ってスマホを見ていると、急ブレーキをかけた。
ハッとして前を見ると、猫。

「猫だ」

「…猫だ…」

元々静かな車内がしばらく沈黙になった理由は2人とも猫飼いなので猫が好きだからではなく、通りのど真ん中にどっしりと香箱座りを構える猫を初めて見たからだ。

香箱座りはリラックスしている時しかしない。
2人ともその性質を知っているから驚いたのだ。

「メンタル強すぎない?」

メンタルおにつよにゃんこ
咄嗟に撮った

車で寄っても動かず何度もトライして、やっと動いた。
それでも近くにいる。
中々いないタイプの猫。

「こーゆーとこの猫は人懐こいんだよ。
 人懐こいからああなんだけど、でも触らせてはくんねーんだよ」

「そーゆー女いるよね笑」

「…自分のこと言ってんの…?」

「いやぁ、自分で言いながら「自分のことだなぁ」と思った笑
 いやーバレたかぁー笑」

言いながら「やべ」と思いつつも、バレはしないだろうとタカを括った結果だった。
そういうところが本気で迂闊だ。

だいぶ気まずい思いをしながらも、そう思わせないようにしてすぐにホテルに着いたので助かった。

迂闊もビョーキである。

「保留は野良猫、それも複数の家を持ってるやつね」

昔、それを言ったのはこの人だったと思い出して、ホテルに着いてからドクターペッパーを一気飲みした。

旅のInstagram→ @zangyo66

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