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展示してあるのは化石かレプリカか 【雑学エッセイ】

 以前、恐竜展の帰りに妻から「パパが子どもたちに説明してるのを聞いて、後ろの人がへえーって言ってたよ」と言われました。
 はて、色々説明したけど、何の説明が他の人にまで響いたんだろう、と思い返してみます。ティラノサウルス類の頭骨の幅の話?ティラノサウルス類の中足骨の話?でも詳しい人には目新しい話ではないし、詳しくない人には細かすぎる話のような。と思うと、後ろで聞いていた人にも「へえー」と言ってもらえたのなら、展示してある骨格が化石かレプリカかの見分け方の話かな?と思います。

 恐竜展に足繫く通われる方なら常識的にご存知でしょうが、お子さんやライト層の方だと知らない方もいらっしゃるでしょう。

 ちょっと画像が暗くて申し訳ないですが、このアロサウルスは化石でしょうかレプリカでしょうか?

 答えは、化石です。
 化石を使っている骨格展示の場合、太い金属のフレームに骨を並べて外側からガッチリ固定します。
 このアロサウルスの写真の場合、背骨の下や後肢に沿って太いフレームがあること、大腿骨が外側から固定されていることが見えます。

 何故、こうなるかというと、化石は重く、しかも芯を通すために穴を開けることができないからです。いや、物理的にできないのではなく、資料的価値があるからできない、という意味ですよ。念のため。

 逆にレプリカの場合は軽くて、中に芯を通して支えることができるので、このようなフレームは必要ありません。

タルボサウルス

 軽くて扱いやすく、観察の邪魔になるフレームが必要ないので、実は展示にはレプリカの方が向いている、とさえ言えます。

 僕が恐竜展で子どもたちに説明したのはこんな内容でした。後ろにいた知らない人にまで響いたのなら嬉しいですね。

 ここで専門家の方のご意見に目を向けてみましょう。「ここにあるのは実物化石とレプリカ。ニセモノはない」僕もしびれますね。

 レプリカの方が利点が多いのは、この記事でも書いた通り。実物化石を見ての感動というのも確かにあるのですが、それを重視するあまりレプリカにマイナスイメージを持つのは悲しいし、なによりもったいないですよね。

 詳しい方には常識的な内容でしたが、この記事が誰かの古生物への関心を少しでも後押しできたなら、これ以上の喜びはありません。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございます。本業のサイトもご覧いただければ幸いです。


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