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新種のサンショウウオ多すぎ!?【時事エッセイ・生き物エッセイ】

 記事にしようとしてひと月も経ってしまいましたが、先月、仙台市にある大学の敷地内で新種のサンショウウオが発見された、とのニュースがありました。

 当初、トウホクサンショウウオだとして研究していたものが、DNA解析の結果別種だと判明し「センザンサンショウウオ」と命名されたとのこと。

 はて?これでは東山動植物園でオワリサンショウウオが発見された時と、まるで同じパターンでは?

 このオワリサンショウウオも、ヤマトサンショウウオだと思われていたものが形態や遺伝子の詳細な調査で新種と判明したものです。

 さらにアクアマリンふくしまのポストでも同様の話を見たことが有ります。

 こちらではトウキョウサンショウウオだと思われていた個体が新種と判明しイワキサンショウウオと名付けられたとのこと。

 同じような話が多いなと思っていたら、最初にリンクしたセンザンサンショウウオの記事中に「日本に生息する約50種のサンショウウオのうち、約半数がここ10年で発見された新種」との記述がありました。DNA解析が取り入れられた結果、同じ種と思われていたものが別々の種であることがわかり一方が新種として記載される、ということが多数あったとのことです。

 思えば近年、と言っても10年以上のレンジでの近年ですが、遺伝子解析による生物の系統についての新発見を多数見かけるようになりました。絶滅生物の僅かな遺伝子からでも多数の情報を読み取ることができるようになって、心躍るような新発見も度々目にしています。
 しかし思えば20年余り前まで国際協力の元、各国のスーパーコンピュータを駆使して、人間の全ゲノムを読み取ることを目標にした計画が進められていたわけです。それが今は人間以外の様々な生物の遺伝子が次々解析され系統関係を検討され、一方では自分のルーツの確認や、法的立場の確認のため個人の遺伝子を解析することが行われていたりして、まさに隔世の感があります。まあ、こういうのはヒトゲノム計画とは違って、全遺伝子を読み取るわけではないのかもしれませんが。
 技術の進歩は見えないところで進んでいて、いつの間にか思いもしないような技術が実用化されているものだと改めて思い知らされます。

 ヘッダー画像は東山動植物園で飼育されている新種・オワリサンショウウオです。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございます。本業のサイトもご覧いただければ幸いです。


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