七つのロータス 第50章 スカンダルIII
第1章から
城壁の上から、水路が張り巡らされた大地を見下ろす。陽に煌く水路と黄金色に輝く麦畑が広がる中を貫くのは、帝国の七つの都市を繋ぐ街道。真昼の空気は澄み、地平線まで霞みも曇りもなくはっきりと見晴らすことができる。街道の伸びゆく先を見遣れば、遥か彼方に帝国の軍旗が揺れている。その下にはようやく姿を現した一団の人影。プハラを解放した軍隊が、いよいよ凱旋するのだ。歓迎の用意はすっかり整っている。神殿に捧げる仔牛も、酒も揃っている。皇宮では宴会の料理が次々とできあがってい