見出し画像

料理研究家 | daily

何かを究めるには研鑽と探究が必要で、そうした活動を継続して行う在野の求道者を研究家と呼びます。研究者というとアカデミアや企業のR&Dなどにいる人を指すのでまあそんな違いがあるようです。現在はSNSを始めとするネットワークサービスを利用して、容易に情報発信ができるようになっているわけですが、中でもやはり人気のコンテンツというのはそれなりの専門性を有する発信者によるもののように見受けられます。そう、同じ程度の人間が話していてもやはり面白くなく、コンテンツとして成立するにはそれなりの突出した何かが必要なのだという残酷な現実がそこにあるわけです。

さて、数ある研究家の中でもキノコが個人的に興味を持って見ているのは料理研究家です。料理が好き、というのはもちろんあるのですが、これまではレタスクラブやオレンジページ、うかたまやku:nel、生協のコンテンツや女性誌の一部に露出するくらいだった料理研究家が自らチャンネルを持ち情報を発信するようになったことは大きな変化だと思うのです。料理というのは必要最低限の自炊の参考から、ホームパーティ向けの一品、そしてプロのレシピの再現まで幅広くあり、元々裾野の広い領域ではありますし、食事に興味がないという人間は幸いなことにまだ少数派です。いずれ食事というものを楽しむ余裕がないくらいに世界の食糧事情が危機に瀕する可能性もありますが、いまはまだその時ではないですし、まだ少しだけ猶予があるような気がしております。

ここから先は

630字
週にいちど以上更新されるノートを1ヶ月分300円で読める定期購読マガジンです。1ヶ月無料で試すことができます。

九段下の図書室・ビブリオテーク・ド・キノコを主催するふたりが発行する書籍と読書・蔵書に関するマガジンです。購読後1ヶ月無料で読むことができ…

九段下・Biblioteque de KINOKOはみなさんのご支援で成り立っているわけではなく、私たちの血のにじむような労働によってその費用がまかなわれています。サポートをよろしくお願いいたします。