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Nudge | daily

最近好きでよく読んでいる雑誌の経済セミナーの今回の特集が、ナッジで社会は変わるのか、というものです。ナッジという言葉はリチャード・セイラーとキャス・サンスティーンの実践行動経済学で有名になった言葉ですが、それ以前にはモンティ・パイソンのエリック・アイドルが、ナッジナッジ、とやっていたのが思い出されます。モンティ・パイソン好きなんですっていう人に言っても経済学との接点がない場合はあんまり通じなかったりするのですが、まあそこはさておき。何事もルーツを探るというのは大事なことですが、それが共有されると思ってはいけないということでしょう。ところでモンティ・パイソンといえば、チーズの話が一番好きなのですが、まあそれはその内また話しましょう。

さて、望ましい結果というものがあるとすると、それは選択肢が開示されている状態で最も利得が大きいもの、ということになるでしょう。功利主義的にいえば最大多数の最大幸福というものが目指すべきものになるわけです。経済学ではまあ仮定として望ましい結果というものをモデルとして提示します。これが経済学者が合理性の信奉者であると言われる理由ではありましょう。現実には選択肢が全て開示されているわけではありませんし、何が一番良い結果をもたらすのかというのも明確になっているわけではありません。

とはいえ、現実の人々の行動の裏にあるメカニズムを説明できないわけでもなく、トイレットペーパーを買い占める人々の心理を説明できたりもします。金槌を持っている人はあらゆるでっぱりが釘に見えるというように、手持ちに何があるのかというのは現実の認識に影響を与えるのでしょう。

ナッジに気づくかどうかというのもけっこう大事だったりします。

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前回は本の紹介を忘れたので、たくさん挙げときますね

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