浮いて待て!
今年は梅雨明けが早く、すでに暑い日が続いていますが、この時期に気をつけたいのが、水の事故です。
ライフジャケットを着用し、水辺では子どもから目を離さないなどして、事故を予防すべきなのはもちろんですが、それでも思いがけず川に落ちたり、波にさらわれたりすることもあります。
そういった予期せぬ事故は、水着姿ではなく普通の服を着たままであることが多いので、泳いで助かるのも難しくなります。
そんな状況で勧められているのが、救助が来るまで「浮いて待て」だそうです。
興味があって調べてみると、そのアドバイスは水難事故だけではなく、苦難や悩みの大水に見舞われ、自分の力では何をしても抜け出せそうにない時にも当てはまるように思えました。
上を向き、じっとする
泳ぎに慣れている人でも、着衣のまま泳ぐのはなかなか難しいものですが、「浮いて待て」を覚えておくことで、救出される可能性を高めることができます。
ありがたいことに、神は人の体が水に浮くように造ってくださいました。
人の比重は、真水1に対して0.98ほどなので、そのわずか2%の差のおかげで上向きの力(浮力)が生じ、体が浮くようにできているのです。
仰向けになり、じっとしていることで、その2%が有効に使われ、口と鼻を水面に出して呼吸することができます。
しかし、体を縦にすると、水面から出る2%は頭のてっぺんになり、呼吸ができなくなるし、手を空中に出してバタバタしていると、やはりその2%が奪われてしまいます。
上を向いて大の字になり、バタバタすることなく、おとなしく救出を待つ・・それは、私たちが苦難や悩みの大水に落ち、泳ぐこともできない時、自分の力でジタバタせずに、天を仰いで神にゆだね、神の救いを待つべきことを教えているようです。
沈みかけても慌てない
慌てるとバランスが崩れて正しい姿勢が保てないし、それで沈みかけるとさらに慌ててしまい、誤って水を飲んだりします。
慌てることで体の力も心の力も失われていくので、非常に難しいことではあるけれど、水に落ちても慌てずに心を落ち着かせることが大切です。
また、沈みかけた時には、「流氷の天使」と呼ばれるクリオネをイメージして、羽ばたくように手を動かすと浮かびやすいそうです。
苦難や悩みの大水に沈みそうになる時にも、慌てたり恐れたりしないよう努め、神を信頼して落ち着きを取り戻しましょう。
浮力を増すには
大きく息を吸い込んで、肺に空気をためたり、何か浮くもの(ペットボトルや板切れなど)が近くにあれば、それにつかまったりすると、浮力が増します。
苦難や悩みの大水の中にいる時には、神がすぐ近くにおられるので、その腕の中に留まるなら、沈むことも流されることもありません。
祈りもまた、苦難や悩みの時に私たちが浮かんでいられるよう助けてくれます。
それは私たちを引き下ろそうとする重力に対抗して、私たちを神の方向へと引き上げる上向きの力なのです。
ダビデ王は悩みや苦しみの中で、いつも神に祈ることを忘れることがなく、神はその祈りに答えてくださいました。
海であれ川であれ、あるいは苦難や悩みの大水であれ、助かるために自分にできることがない時は、ジタバタせずに救助が来るまで「浮いて待て!」と覚えておくといいでしょう。