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季節をシーズニング

庭先の梅の木が白く咲いていると春がもうすぐ来るような気がする。カルダモンのような色の小さな鳥が真っ白な木に何羽かとまりピーチクパーチクすると白い花弁が綺麗に舞っていく。



まるで春が来るようにと大地を味付けしているようでもある。



カルダモン、ピンクペッパー、シナモンそして真っ白な塩が土に振りかけられ、何日か陽に当たり、ビューっと風が吹けば香り華やかな春がやってくる。



シーズニング(seasoning)とはよく言ったものである。



いくつかのスパイスと塩がブレンドされていて様々な食材や料理に香りと味を付け、華やかに香り高くしてくれるものがシーズニングである。用途に応じて様々なスパイスを組み合わせて作ることができるし、最高なシーズニングができた時はとても嬉しい。



Season とはもともと種を蒔く(sow)という意味からきているらしく、種を蒔く時期ということでseasonと言うそうである。英語になったのは14世紀ごろらしくフランス語のassaisonerからきているので先の季節に向かわせるというような意味合いなのだとか。なのできっと春に向けて種を蒔く時期という意味なのであろう。それがシーズニングになると美味しくなるように向かわせる調味料として名付けられたのかもしれない。



そう思うと様々なものはシーズニングにあふれているような気もする。



昨日より今日が暖かいと春を感じるのもシーズニングだろう。


梅の花がひらひらと舞うのもシーズニングだろう。



湿った土の匂いも、蕗の薹の苦味も、花の香りも、陽射しも、寒さも、風も、ホーホケキョも。



来る季節が楽しみになるようなすべてのものがシーズニングなのであろう。



素敵なシーズニングを手に入れると料理がしたくなったり、食事が華やかになったりするものである。



スパイスを鳥や木や花や風など自然なものと同じように心地良くブレンドして様々なシーズニングを作っていきたいものである。



料理がすることが楽しみになったり、食べることが楽しみになったり、その季節でしか食べられないものが楽しみになったり、楽しみが楽しみになったり。



なんだかわからないけどワクワクするようなシーズニングを作ってみたい。


庭先の梅の木の花は半分ほど散ったので、だいぶシーズニングされたのであろう。



美味しい春がもうすぐできあがりそうだ。


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