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環境と食べているもの

年末から年始にかけて食べ過ぎたせいなのか、2月くらいになるとあっさりとしたものが食べたいというような感じになる。季節のせいなのか体調のせいなのかはわからないが何かしら体の変化があるのであろう。

豆でいうとあっさりとしたものはムング(緑豆)であったり、トゥールダールであったりする。ムングダールで作ったカレーやダールタドゥカはあまり胃腸に負担をかけずに食べているような気がする。トゥールダールを使ったサンバルやラッサムなど南インドでよく食べられている料理は比較的あっさりしているような気がするし、西インドで食べられている料理も同じだ。逆に北インドでよく食べられているチャナ(ひよこ豆)やウダド豆は消化に負担がかかるような気がする。
季節や体調によっても食べたい豆やスパイスが変わってくるように、住んでいる土地やそこの環境によって変わる食生活やそれがもたらした食文化も違っていて面白い。チャナダールやウダドダールを多く食す北インドではあえて消化に時間がかかる豆を食べることによって過酷な砂漠や山々などでエネルギーを体内に残しておこうという知恵なんだとか。南インドでは食が豊富で体内に蓄えておかなくても良いので消化が早いムングやトゥールなどといった豆を食べるのかもしれない。きっとそれは日本でもそうなのであろう。東北や四国、沖縄などの食文化を比べると環境ならではの体に対する調理方法や選ばれた食材が多数存在するのであろう。そんなことをスパイスと組み合わせていくのも興味深い。

消化を助けてくれるスパイスはフェンネルやクミン、アジョワンやヒングなどといったものが有名だがシナモンやターメリック、ジンジャーやミントなども手伝ってくれる。

北インドの人は西インドの人を見つけては、泳げるようなダールを食べているとバカにする。確かに北インドを代表するような豆料理「ダールマッカニー」はウダドにチャナなどが入ってクリーミーで泳ぐのは大変そうだ。泳ぐのが大変なのは、体の中に入ってからも一緒なので泳ぐのを手伝ってくれるスパイスを大量に入れて作るのであろう。

環境が違うと体質も変わってくる。日本の人がイタリアの人と比べてお酒に弱いのは農業の違いだともいわれている。乾燥した土地で作るワイン。湿地帯のような水の中に入って作る米。
水の中に潜む害虫は時折、人間の体内まで侵入して悪さをする。それをやっつけるために一定の酒を体内に残しておくらしく。それは人もやっつけるが害虫もやっつける。水の中に入って農業をしない乾燥した土地ではそんなことをする必要もないのでスイスイと飲んだお酒はどこかにいってしまうのだろう。

きっとお酒に弱い人はその昔、一生懸命稲作をやっていた働き者の子孫なのかもしれない。

環境が変われば、人も変わる。

住んでいる場所なのか、食べているものもせいなのかはわからないけど、いろいろなものが複雑に絡み合っているのである。

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