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潜在意識

潜在意識というのは、百かゼロの世界だ。何となくとか、どちらともいえないとか、そういうものはない。


この潜在意識に、私たちは、たとえば憎しみ、性欲、愛情欲求、貪り、食欲、名誉欲、プライド……といった様々な欲望を隠し持っている。


しかしこの潜在意識は、これらの欲望をストレートに表現してもかなわないということを知っているので、表層の意識に指令を出し、あるいはだまし……その潜在意識の欲望を成就するための計画を立てるのだ。


この綿密な計画には、自分自身さえもだまされる。なぜなら私たちは、普通、自分の表層の意識しか認識できていないから、その裏に潜む潜在意識の悪だくみに気づかないのだ。


つまり人間のほとんどの思い、言葉、行動、これらは偽りなのだ。潜在意識の欲望をかなえるための偽りのしぐさなのだ。


人間はそれをきれいに飾りたがる。しかし瞑想等で自分の潜在意識を知れば知るほど、それは理解できる。

私も昔、自分はなんて心がきれいな人なんだろうと思っていたんだけど(笑)、修行していてある時期、瞑想によって、汚れた潜在意識の世界をこれでもかというくらいに垣間見るようになり、愕然とした覚えがある。

極端に言えば、自分が良かれと思って、善だと思ってやっていたことでさえ、その背後にはエゴがあり、エゴの巧妙な仕掛けにはまっていただけだったということに気づくのだ。


そしてこの潜在意識の欲望というのは、無明によって形成された欲望なので、この潜在意識の欲望の指令に従う限り、人間は決して幸福になれず、一時の満足と引き換えに、多くの苦しみをなめなければいけなくなる。


じゃあどうすればいいのか? 修行するしかないね(笑)。


端的に言えば、エゴの放棄、そして四無量心。

こういうことを徹底的に学び、考え、実践し、潜在意識に植えつけるんだ。

無明から生じた様々な煩悩、その対極にあるのが、エゴの放棄と四無量心なんだよ。

だからそれらを潜在意識にぶち込むことによって、苦悩を生み出す煩悩的潜在意識を消すんだね。

四無量心というのは、ここに何度も書いてるけど、

①すべての魂の幸福を願う

②すべての魂が苦しみから解放されることを願う

③すべての魂の進化を喜ぶ

④自分のことについては捨てる。


まあ、エゴの放棄というのは、四無量心の四番目とイコールといってもいいから、結局、四無量心なんだけどね。


最初はなかなか難しい。でも四無量心の訓練を、苦しみながらも続けるならば、必ず潜在意識はいつか浄化されて、自然に自分と他人の利益を生じさせる人になるだろう。

つまり今度はだんだん、潜在意識の四無量心が、自分に指令を出すようになるからだ。


だから、潜在意識に支配されるという仕組みは変わらないんだけど、指令者の首をすげかえろということだね(笑)。今、我々の心の司令官である煩悩という悪魔は、私という王国をダメにする悪徳司令官であると(笑)。真にこの私という王国を幸福にする四無量心という司令官を、新たに任命するんだ。煩悩を追い出してね。


もちろん、ヨーガ修行を続けると、この理解不能・制御不能の潜在意識を、理解したり、制御したりすることができるようになってくる。潜在意識においても自由になるんだね。こうなったら修行は楽だね。完全にそうならなくても、だんだんと自分の心のコントロールがしやすくなってくる。そのようにして自己の深い意識を知り、そのデメリットを知り、深い部分で心の掃除、入れ替えをしなきゃいけない。


だからただ単にぼーっと座って瞑想しててもダメなんだ。それは表層意識の遊びに過ぎないからね。それはまだ潜在意識の術中の範囲内だから。

ヨーガその他の技法によって、潜在意識を浄化しつつ、深く入っていくんだね。その世界っていうのはね、いろんな発見があって、すごく面白いよ。机上の心理学ではない、実践的心理学という感じだね。

そうして深い部分の心の浄化を進めることによってね、この人生はなんとも幸福なものに変わっていき、最後には高い悟りを得るでしょう。

――SRI SHAVARI

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