東北鉄旅(1) リゾートしらかみと田沢湖編
秋田から青森を2泊3日で巡った旅日記。
都内から「こまち」で田沢湖へ、そして秋田から弘前へ「リゾートしらかみ」に揺られて鉄道の旅。聞きしに勝る絶景ポイントの数々。日本海や白神の山々、これぞ最上の絶景列車だ。まずは初日、2日目、田沢湖から「リゾートしらかみ」の旅程をレポートする。
自分にとっては、未踏の地である秋田県、青森県。
今回は五能線を走る観光列車「リゾートしらかみ」に乗車することを目的に企画された。
「リゾートしらかみ」の起点は秋田駅、すると秋田駅までは「こまち」。
この2つの個性的な列車が旅の軸となる。
「リゾートしらかみ」は始発の秋田から終点の青森まで乗車時間6時間弱と言う長時間の旅程となる。
到底、都内から当日に乗ることはできないので、初日は秋田周辺で一泊することになる。
検討した結果、秋田駅まで1時間程度の田沢湖で「こまち」を途中下車して初日は泊まることにした。
角館も有力候補だったが、宿が予約できなかった。
初日 東京→田沢湖
東京駅10:20発の「こまち」に乗り、田沢湖駅に着くのが13:15。
途中の盛岡駅では「こまち」と「はやぶさ」の「切り離し」が行われる。
東京駅から盛岡駅までは東北新幹線、盛岡からは秋田新幹線となる。盛岡駅から大曲駅までは田沢湖線、大曲駅から秋田駅までは奥羽本線を走行するので、「こまち」は在来線の線路を走ることになる。
秋田新幹線はミニ新幹線とも呼ばれ、実体は在来線特急である。
田沢湖は日本一深い
田沢湖駅から田沢湖畔まではバスで15分ほど。
田沢湖遊覧船に乗船した。
田沢湖は周囲約20キロメートルのほぼ円形の湖。水深は423.4メートルと、日本一深いのである。(2位は支笏湖)
そして摩周湖に次ぐ31メートルという透明度を誇る。
4便運航予定で15:00発の便に乗船、40分の船旅を楽しんだ。
この地では既に真っ赤という程ではないが、程良い紅葉と湖のコントラストもまた美しい風景。
船からは御座石神社が見える。慶安3年(1650年)に秋田藩主佐竹義隆が田沢湖を遊覧した際、腰をかけて休んだことに由来している。
その日はグランピング施設もある田沢湖 レイクリゾートに宿泊した。
亀の井ホテルのグループで、温泉もまずまずだった。
注意点は秋田には宿泊施設が少なく、田沢湖にも良い宿が見当たらず予約に難渋した。
道の駅も古く、観光施設は残念な部分が多々あることは否めない。
素晴らしい温泉や自然を生かすように進化して欲しい。
そして、今は熊の出没にも悩まされている地域でもある。
今回は時間の関係で省いたが、近くには著名な七湯がある「乳頭温泉郷」があり良い宿泊施設もあるようで、次回は訪問したい。
2日目 田沢湖→秋田駅→リゾートしらかみ
「リゾートしらかみ」の利用方法
翌2日目は9:22発の「こまち」で田沢湖駅から秋田駅を目指す。
10:24に秋田駅に着き、10:50発の「リゾートしらかみ」に乗り込んだ。
秋田から青森まで通常は奥羽本線を走る特急「つがる」を利用するが、「リゾートしらかみ」は日本海沿いに走る五能線を経由する観光列車である。
通常の倍以上の時間をわざわざ費やして、乗る価値があるということだ。
三種の車両があるが、我々は弘前が終点の2便目「くまげら」に乗車した。
他には「橅(ブナ)」と「青池」がある。
一日3便あり、最終便は19:30過ぎに青森に着く。
我々の便は秋田駅を10:50に発し弘前駅には15:49に着く、約5時間の長旅である。
料金は秋田駅~弘前駅で
乗車券(4070円)、指定席券(840円)の合計で4910円。
予約は駅ネットで可能。
注意点は弁当などの車内販売はなく、途中駅でも販売がないので、秋田駅での弁当の入手は必須である。
※くまげら以外は無人販売コーナーがあるが飲物と菓子だけで弁当はない。
ドリンク類は停車時間が長い駅の自販機で買うことは可能だ。
車内の売りは全面に広がるワイドな車窓。
また同料金でボックス席もある。
さていよいよ出発すると、八郎潟、能代を通り秋田県内ののどかな田園風景が続く。能代駅では停車時間が長く、バスケットチャレンジで賞品がゲットできるイベントもあり参加できる。
そして民芸品風のコースターを獲得した。
オススメの席は、日本海の海岸景観を楽しめる窓側のA席。
進行方向が変わる「スイッチバック」が、東能代駅で行われ、内陸を向いていたA席が海側にチェンジするわけだ。
そしてここから五能線に入るのだ。
日本海の絶景続き
能代を過ぎて岩舘辺りから日本海の絶景が延々と続く。
岩舘着が12:42と既に2時間弱経過したが、これからが見せ場だ。
そして岩舘を過ぎると秋田県から青森県となり、人生初青森となった。
「リゾートしらかみ」の車窓のハイライト区間 で、約80kmに渡ってひたすら日本海の海岸沿いを進む。
海岸線は変化に富んでいて、岩がむき出しの荒々しいところもあれば、静かな入江のようなところもあるが、これ程の絶景が長い間、視認性が良く見れる路線はない。
途中には絶景を楽しめるように徐行する区間などもあり、まさに絶景列車である。(県境を通過する岩館―大間越駅間は徐行運転)
この映像は徐行運転しているところ
さらに、五能線を語る上で外すことのできない広戸~深浦の区間。
深浦駅で13:31と既に乗車は2時間半を超えて、折り返し地点。
この付近の行合崎海岸には奇岩・岩礁が連なり壮観な景色が広がり、時間を忘れて景色を眺めることに没頭できる。
写真も窓越しだが、綺麗に撮影できる。
途中下車なら十二湖
我々は途中下車しなかったが、下車するなら十二湖駅がオススメ。
白神山地のふもと、ブナの森に大小の湖沼が点在する十二湖。有名な「青池」も是非立ち寄りたい。
時間に余裕があれば、宿泊すると良い。
そして路線の次が、もう一つのハイライトである次駅の千畳敷。
その後は弘前に向かうが、前編はここで終わり、次回の後編となる。
初日田沢湖、2日目の「リゾートしらかみ」の途中(13:30頃)までの経路図
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