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海外フェスの参加方法を徹底解説! 1. 準備編

今回初めて海外のフェスに単独で参加してみた。
初めての参加でも海外フェスは充分に楽しめた。
3日間で約20組のミュージシャン、人数で言えばそれを上回る数に一気に遭遇できる海外フェスは効率的で、また音楽好きにはたまらない旅スタイルも実現できる。
計画・チケットの購入から、宿・航空券の予約、現地の移動まで、代理店を通さず自力で簡単にできた経験談を紹介。


1.情報収集→参加フェスの決定

参加した海外フェス

今回自分が参加したフェスはオランダのNorth Sea Jazz Festival。ジャズという名が付いているが、ヒップホップ、ロックなど多様なジャンルのミュージシャンが登場する総合的なフェスだった。規模は日本のフェスで言うと、SUMMERSONIC(サマソニ)と同等か、やや上回る動員規模、会場規模かと参加して理解した。

North Sea Jazz Festival

期間 ; 2023.7.7(Fri)〜 9(Sun)
会場 ; Ahoy (オランダ ロッテルダム)

会場は屋内と屋外に15箇所ほど

海外フェスの情報を集める

まず最初にどのフェスに参加するかを決めるというのが重要な課題となる。
そして人気のあるフェスほどすぐに完売となるため、早めのチケットの確保が最優先となる。
まずネット上にある様々なフェスのまとめサイトで、世界にどんなフェスがあるのか情報を集めて把握するのが良いだろう。

ロック中心のものジャズ中心のものテクノ中心のものといろいろある。
ロック・メジャー系ではグラストンベリーコーチェラ なんかが著名だ。

自分が参加したNorth Sea Jazzはジャズ・フェスと銘打っているが、ジャズミュージシャンは50%以下でLizzoのようなヒップホップ系からヴァン・モリソンのような大御所ロックまで様々なターゲットに対応できる人選となっている。大トリがLizzoだったのでジャズフェスというのは名ばかりである
ジャズだと世界三大ジャズフェスティバルの一つであるMontreux Jazz Festivalも同様に多様なジャンルで構成されており今年はボブ・ディランが登場した。また老舗のNew Orleans Jazz & Heritage Festivalなども多くのロックアーティストが出演しており、今年もエド・シーランやここでもLizzoが登場した。
またカマシ・ワシントンなど新世代ジャズのミュージシャンが、グラストンベリーコーチェラなどロック系フェスに出ることも増えている。

日本でも同様に、今年も新世代ジャズの面々、CORY HENRYGOGO PENGUINがフジロックに、サンダーキャットがサマソニに登場する。

世界三大ジャズフェスティバル

参加したいフェスの絞り込み

また開催エリア(ロケーション)も重要な要素だ。
自分はどうしようか悩んだが、アメリカではなくヨーロッパのフェスに参加するということを最初に決めた。
それはなぜかというとなぜか自分的にはアメリカでは時差がひどく、ヨーロッパでは時差に悩まされることもがほとんどないからだ。
それでも着席では何度か睡魔に襲われた。

時差対策もあってヨーロッパにターゲットを絞り、夏に開催される ヨーロッパのジャズ・フェスのリストを眺めて研究した。

そして場所も含めてある程度絞り込んだら、昨年どんなミュージシャンが出たのかを調べ、自分好みのミュージシャンがどのフェスに多く出るかというのも把握するのが良い。

意外にフェスのまとめサイトに出ていないような、マニアックなフェスもあり、そこに自分の好みのミュージシャンが出ていることもある。
そのため次にミュージシャン側から、彼らが過去に出たフェスを調べるという作業を開始した。
ヨーロッパには無数のフェスがあり、サマーシーズンに多くのミュージシャンはそれらのフェスを行脚する。
ほぼ毎日、ヨーロッパ各国のどこかでフェスが開催されている状況だ。

まず自分が見たいと思うミュージシャンをある程度絞り込む。
自分は3つ候補を挙げた。カマシ・ワシントンロバート・グラスパー 、そしてSnarky Puppy(スナーキー・パピー)になる。
グラスパーは2019年にはNorth Seaに参加したようだ。

カマシとグラスパーは昨年日本でライブを観たので外し、2019年の来日以来観ていないSnarky Puppyにターゲットを絞った。

2019年に観たSnarky Puppy

まず You Tube などで彼らが過去に出演したフェスティバルを探してリストアップする。自分が参加したNorth Sea Jazzには毎年のように彼らが出演していたことがわかり、有力な候補となる。(2018年には地元のオーケストラと共演するスペシャルステージも展開していた)

またミュージシャンのホームページを見るとツアー予定が出ているので、早ければ彼らの夏のフェスへの出演予定もチェックできるだろう。
そこには自分の知らないフェスが多く掲載されていて、夏は単独公演ではなく各地のフェスを渡り歩いているのが見てとれた。

例えば7月13日にはドイツのシュトゥットガルトJazz OpenというフェスにSnarky Puppyが出ることも知ることができ、オランダからは近く、そちらに移動して観ることも選択肢に入れたこともあった。

最終的には、North SeaスイスMontreux、そしてイギリスで開催されるLOVE SUPREME JAZZ FESTIVALを候補としてピックアップ。
まずMontreuxはスイスという場所は魅力的だが、出演ミュージシャンの情報が全く上がらずに候補から落とした。
そして交通の便や宿泊などを勘案してオランダでのNorth Sea Jazzを、第一候補に決定した。
時期が7/7-9と会社の夏休みの開始直後で学校の夏休み前というのが好都合。
さらに、空港のあるアムステルダムから開催地のロッテルダムまで列車で30分と交通の便が良いことも決め手だ。
参加ミュージシャンの好みでは、LOVE SUPREME JAZZ FESTIVALも有力だったが、フジロックと似て交通手段が限られていて宿泊もテントが主体だったので断念した。
参考までにグラストンベリー体験記があるが、やはり都市から離れた遠隔地の野外フェスへの参加の困難さが語られる。

1人で行く場合のリスクも考えると、無理なく目的地に行けて宿泊施設も充実し、安心安全に過ごせるかも選択肢の一つなる。
オランダの治安も調べると、ヨーロッパの中では比較的安全だと言うことがわかった。
また言葉に関しても、英語圏ではないが、概ね都市では英語が通じることもわかったので安心材料となった。

2.チケットの確保

チケット発売日の把握

まず最初に行いたいのが、チケットの確保だ。
人気フェスの場合、意外に早くチケットは完売となる。
今の時代はネットで予約してカード払い、チケットも印刷せずにデジタルだから、昔よりは海外フェスへの障壁は低い。

公式ホームページでメルマガ会員となり、Newsを受け取れるようにして、チケットの発売スケジュールを把握する。
早速North Seaなど候補となるフェスのホームページの会員となり、Newsを受け取れるようにした。
そして1月6日に会員となると、1月27日にはメルマガで出演アーティストの第一弾が発表され、チケットの発売日も2月1日と告知された。
そして第一弾としてLizzo, Tom Jones, Buddy Guy, Little Simz,The Teskey Brothers, Van Morrisonなどが発表されたが、Snarky Puppyの名前はなく、自分の好きな新世代ジャズのミュージシャンもなかった。
唯一Samara Joyの名前があるのが救いだった。
逆にLizzoLittle Simzなどのヒップホップ系やVan Morrisonなどの大御所が目立つ。ミュージシャンに好みが見当たらずに迷い始め、第2弾のアナウンスを待ちつつ、他のフェスティバルも探し始めることにした。

チケットの価格と購入方法

チケットの価格だが、
125€(1日)×3日間=375€
日本円で58,657円と約60,000円(3日間)
一日単位だと約19,552円だから、日本のフェスと比べて決して高い値段ではない。このチケットでその日全ての公演が観れる仕組みだ。

チケットの発売日は2月1日だった。
7月の開催で2月発売なので約5ヶ月前から発売される。

メルマガの発売日に合わせて、ホームページにアクセスし、Ticketsのページに入り、そこから各日のチケット売り場に飛ぶと、Ticketmasterにリンクがありそこで購入できる。
さらにTicketmasterにMy Accountを作成しチケットの受け皿を確保する。
支払いはクレジットカード払いだ。

Ticketmasterは国ごとにサイトがあり今回は主催地のオランダのサイトなので、Ticketmaster NL(Netherlands)となる。

完売するチケット

2月1日の発売日以降暫く様子見をしていたが、2月15日にアクセスすると2日目が既に完売していた。
また単価が割安となる3日通し券は早々に完売していた。
これはヤバいと一旦North Sea Jazzに決めて、初日と3日目を確保することにした。
Snarky Puppyはドイツやイタリアの他のフェスにも参加するのが決定したので、スケジュールが近いフェスにオランダから列車で移動することも想定し発想を転換した。
せっかくヨーロッパまで行くので、ついでに色んな国を訪問するのも良いかと。

まだ一部の参加ミュージシャンしか発表されていない時点で、完売になっていたのも驚きだった。
2日目は土曜日ということもあるだろう。

リセール機能

ただ完売となっていても落胆する必要はない。
海外はリセール機能があるので、余分に購入した客が再販する。

価格は少し高いが、その機能で翌日にはリセールがあり2日目も確保することができた。
(168€=26,465円)
ただし、毎日Ticketmasterを閲覧して、リセールされているかの確認は面倒ではある。

購入したらMy Accountにチケットがあるかを確認する。
そこにあるQRコードで入場が可能となるので、プリントアウトは必要なく、当日スマホでTicketmasterにアクセスしログインして入場時にかざすだけだ。(因みにチケットは印刷での対応はなく、デジタルのみというのがデジタル大国オランダらしい)
Ticketmasterアプリもあるが、自国民(オランダ国民)しか利用できない。

この方のブログにも簡単にチケットの入手方法とレポートが記載されていた。

3.宿と交通

ホテル

これは同時進行だが、会場の周辺のホテルも満室になることが多く、早めの確保が望まれる。
宿泊直前まではキャンセル可能なホテルが多いので、予約サイト経由で余計にいくつか確保しても良いだろう。
殆どの海外のフェスは日本よりも終演が遅く深夜となる。
深夜で交通機関がなくなることも予測して徒歩圏内のホテル(徒歩20分)を予約サイトで確保した。(結局地下鉄は深夜運転をしていたので、毎日で地下鉄で帰ることができた)
深夜に帰る際に使用するUberが現地で利用できるかも確認した方が良い。
(以前訪れたバンクーバーではUberが使用できなかった)
それでも当初は4泊のうち、2泊しか確保できずに、残りの2泊はさらに離れたホテルを予約した。
(その後しばらくして同じホテルで全泊確保できた)

自分が使用したホテル

予算は以下のようになり、やはり土曜日は高くつく。
7 月 6 日 (木) ¥11,835
7 月 7 日 (金) ¥33,213
7 月 8 日 (土) ¥46,576
7 月 9 日 (日) ¥21,252
合計 ¥130,366

航空券

航空券も繁忙期には特に直行便はなくなりやすいので、早めに確保したい。
自分は3月に予約し、最終的に5月までは変更可能な便を確保した。
場合によっては他の都市のフェスにも参加する可能性があり、変更が可能な便にした。

乗り継ぎ便だと格安はいくらでもあるが、ただでさえロシア紛争で飛行距離が長くなり、フェスの参加を控えての長時間フライトは避けたかったのでKLMオランダ航空の直行便(実際は経由便で往路はソウルに寄る)とした。
(アジア系の乗り継ぎ便だと14-15万円もあった)
航空券代が当然のことながら、出費の多くの割合を占める。

KLMオランダ航空
成田⇄アムステルダム 250,000円

現地の移動手段

ヨーロッパの場合は圧倒的に鉄道が便利だ。
各国間を鉄道網が張り巡らされ、簡単に国境を超えた旅が可能だ。
本数も多いし、比較的時間にも正確だ。
Eurailという会社が発行するパスを購入して、一定期間乗り放題で鉄道旅行することも可能である。

列車内の一等席

アムステルダムのスキポール空港からロッテルダムまで、鉄道なら30分弱で着くので、東京から横浜に行く感覚だ。
近距離なら予約も必要ない。
特急に乗る時だけは座席の予約が必要で注意。

各都市ではバスや地下鉄が交通手段として発達している。
デジタル大国オランダでは、クレジットカードのタッチ決済での乗り降りが可能となり小銭も必要がない。
日本での普及はこれからだが、国によっては暗証番号より普及している。
ロッテルダムでは中央駅からホテルの最寄り駅まで地下鉄で10分と便利だった。

旅程の決定

予約当時は帰国前日にPCR検査をする予定で、アムステルダムを丸一日滞在するスケジュールとした。8泊9日の全旅程となったが、もう1日減らすこともできた。
PCR検査をする予定日を5月以降に検査が解除されたので、観光に充てた。
宿泊地はロッテルダム4泊、アムステルダム2泊、機中2泊となる。

7 月5日 (水) 成田発(夜) 機内泊
7 月 6 日 (木) アムステルダム・スキポール空港→(鉄道)→ロッテルダム
7 月 7 日 (金) North Sea Jazz
7 月 8 日 (土) North Sea Jazz
7 月 9 日 (日) North Sea Jazz
7 月10日 (月) ロッテルダム→(鉄道)→アムステルダム
7 月11日 (火) アムステルダム観光
7 月12日 (水) アムステルダム→成田 機内泊
7 月13日 (木) 成田着(朝)

半年以上前から準備を始めて、3ヶ月前には航空券、ホテルの予約を済ませて全旅程を確定するのがスケジュール感としては良いだろう。
その上で余白の時間に観光などのスケジュールを入れて行くのが良い。

ここまでの基本予算が45万程度なので、50万から乗り継ぎ便使用してホテルの値段を下げると30万程度が海外フェスへの基本的な参加費用となる。
(航空券 25万、ホテル 13万、チケット 6万)

ここに食事、現地の交通費、お土産などの諸費用が追加される。

次回は「2. あると便利なモノ・コト編」として、現地でのフェス参加に関する時に便利なモノコトや現地での観光の楽しみ方を紹介する。

以下は今回のフェス参加日記なので、参照のため添付した。



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