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【おとなの読書感想文】ドクター・デスの遺産/流浪の月

こんにちは!BFT名古屋支店の猫です。
最近初めてAmong Usをプレイしました。
普通の人狼とちがって死んでもやることがなくならないのがとても良いですね!

読書が好き

私は読書が好きです。紙の本を読むのが好き。
読書家といえるほど熱心ではないのですが、書店を見つけるとついふらふらと入ってしまいます。
コロナ禍でおうち時間が増えた今、"久しぶりに本でも読むか"と思っている方も多いのではないでしょうか?

【おとなの読書感想文】では、ただただ最近読んだ本の感想を書いていきます。記事がたまってきたらマガジン化する予定です。
(こんな本あるんだなー)、(下手な感想だなー)、そして、(これはちょっと面白そうかも)と思って読んでいただけたら幸いです。

今回は2冊紹介します。

綾野剛&北川景子 主演で映画化
『ドクター・デスの遺産  刑事 犬養隼人』

そりゃ、映画にもなるわ。
と納得してしまう面白さでした。

中山七里さんの「刑事 犬養隼人」シリーズ4作目であるこの作品。
4作とも甲乙つけがたい面白さなのですが、この作品が一番ドラマチックな話だと思いました。

この事件の犯人は、タイトルにもある"ドクター・デス"という人物です
(突然のネタバレ)。
え?犯人もう分かってるの?ミステリーなのに?と思いますよね。
私も途中まで、(犯人分かってるならあとは逮捕するだけやん)と油断して読んでいました。

そんなわけはない。中山七里だぞ。
といわんばかりのどんでん返し。

ネタバレはあまり好きじゃないので詳しくは書けないのですが、
読んでいたのがバスの中でなければ「まじかっ!」と声を出していたであろう(という位にはびっくりした)、
ということだけ書いておきたいと思います。


また、中山七里さんの作品は「社会派ミステリー」とジャンル分けされるそうで、犬養シリーズの中でも"臓器提供"や"ワクチン事業"といった社会的な問題が取り上げられています。

本作で取り上げられているのは、 "安楽死" という、誰もが直面する可能性がありながら簡単には是非を論じることができないテーマ。

「生きる権利」と同様に「死ぬ権利」も守られるべきではないか?
耐え難い痛みに苦しむ家族を、楽にしてあげたいと思うことが悪なのか?
読み進めるうちに、"自分だったら…"と何度も考えました。

こんなに難しいテーマを扱いながら、なぜお話としてこんなに面白くできるのか?作家さんというのは本当にすごいですね・・・


2020年本屋大賞受賞『流浪の月』

"本屋大賞"だから手に取った。でもそれを後悔した。
この物語はもっと覚悟して読むべきでした。

この物語の主人公は、更紗(さらさ)と文(ふみ)。
雨の中、「家に帰りたくない」と言う更紗に、文が「じゃあ、うちにくる?」と声を掛けたのが二人の出会いです。

九歳の更紗と十九歳の文。
世間からみた二人は "ロリコン誘拐犯とかわいそうな被害児童"。
事実はそうかもしれない。でも、真実は違う。
二人の関係は二人にしか分からないし、
更紗の気持ちは更紗にしか、文の気持ちは文にしか分からない。

"他者を理解することことなんてできない"
という当たり前の現実が、私には絶望にも希望にもなりました。

他人を理解したい人、理解できない人。
他人に理解されたい人、理解されない人。
人間関係で一度でも悩んだことのある方なら、きっと刺さるお話だと思います。


内容ももちろんなのですが、
私が感想として特筆したいのは文章の美しさです。
きれいな小川や、キラキラしたグラスのようなイメージ。(伝われ)
とても読みやすく、本を読んでいる感覚がなくなる本でした。

また、その美しい文章の中に
はっとさせられる強いフレーズが登場することも
この本に惹かれる理由です。

「せっかくの善意を、わたしは捨てていく。
そんなものでは、わたしはかけらも救われない。」
という帯の文も更紗の言葉です。かっこいいですね。


没頭しやすいが故に、本の主人公ということを忘れて
もしかしたらいま近所に住んでるかも、あのカフェにいるかもしれない、
などと考えてしまいます。

もし更紗と文がこの世にいるのなら
どうか、二人の世界が平穏に続いていきますように。


おわりに

感想書くのってめちゃくちゃ難しいですね。
そういえば夏休みの読書感想文とか嫌いだったわ、と書きながら気づきました。

拙文にお付き合いいただきありがとうございました!
次回もお楽しみに!

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