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フリーランスの何でも屋

わたしはフリーランスの何でも屋です。フリーランスといえば、エンジニアとかデザイナーとか、環境に左右されない確固たるスキルを習得した上で、晴れて「独立」するものだと思います。わたしもそう思います。

でもわたしは、突出したスキルもなければ天才肌でもないし、集団行動が苦手なわけでもない。それでも、フリーランスの何でも屋をしています。現在27歳です。

何でも屋って具体的に何をしているのかというと、IT系の会社に週3日常駐し、社員がやるとちょっと負担だなと感じられるような仕事を巻き取って経営陣の元で実行しています。業務フローの改善とか、資料作成とか、売上を確認したり、社員の相談に乗ったり、デザインしたり、本当に手が必要なところにすっと入って仕事をします。それから常駐していない日は、昔2年くらいデザインをかじっていたので、webデザインを請負ったり、それからそれからほとんど趣味ですが週に3夜ほどスナックでバイトをしています。

あと仕事じゃないですが、こうして昔からブログを書いたり、最近は小説を書いてみたりしています。

フリーランスの何でも屋になった訳

戦略なんぞ何もないです。これからの時代は何足もわらじを履くのだ、という気持ちなんてさらさらない。むしろ、何か一つに絞って、そのことだけに集中して、時間を投下して、知識やスキルを高め、その仕事にまつわることを夜通し語れるような立派な人間になれる余地があったならば、そうなりたかった。というより、今でもいつかそうなりたいとは思っています。

とにかくわたしは、週に5日、一つの会社で一つの職種を続けることができなかった。それは褒められても怒られても、ちょっとずつできるようになっても、なかなか上達しなくても、一緒だった。

リクルートでの営業も、LIGでのデザイナーもディレクターも、かき氷屋オーナーのアシスタントも、最長でも1年半しか続かなかった。どれも楽しかったし、楽しくなかった。

大学生の頃から仕事はすごく好きだった。インターンとして初めて仕事をしたのがテレアポだったけど、それすらも最高に楽しくて、大学をサボって仕事に行ったことも何度もあった。

でも、仕事をする年数を重ねるに連れて、わたしが好きな「会社」の面、つまり、NPOのような、もしくは結成したてのバンドのような、純粋で真っ直ぐな、そんなものだけじゃ成り立たないことが徐々に分かって、自分の中で消化し切れなくなったんです。わたしが目指したいのはこれなのに、この会社はそうじゃない。そう思うと、限られた自分の時間と心を、全力で注ぐことができなくなってしまった。心身ともに疲労してしまって、すぐに体の調子が悪くなってしまうのだ。

もしかしたら100%自分の想いと合致する会社があるかもしれない、ないなら自分で作ればいいのかもしれない、そんなことを堂々巡りで考えていたけれど、どちらも実行に移されることはなかった。

だから、自分の人生を一つに集中させすぎない、そんな時間を過ごしたいと思ったのだ。それが、フリーランスという仕事の仕方であり、何でも屋という仕事の内容だった。

もっというと、今、今というのはこれから数年とかではなくて瞬間的な今、一番したいことを優先できるようにしたかった。それは何か大それたものではなくて、すぐに皮膚科に行きたいとか、実家の犬に会いたいとか(最近死んじゃったけど...)、本を読みたいとか、小説を書きたいとか、海外に行きたいとか、なんなら寝たいとか、そういう瞬間的な欲望に忠実になれる自分の人生への支配力が欲しかったのだ。

こういう理由で、わたしは27歳でフリーランスの何でも屋に行き着いたわけだけれども、なんだかそれって半ば諦めたんでしょという見方をされるかもしれないけれど、そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。

とにかくわたしはこの働き方にして一年が過ぎようとしているけれど、社会人になって5年、最もストレスフリーな上、これまでよりも仕事に集中できている感じがするし、なにより楽しく生きられていることは、わたしとしても驚くべき発見となった。

一体自分はどこに行き着くんだろうかとか、まだ20代だから使ってもらえているけれど、みんながより深みを出して来る頃にはペラペラで使いもんにならない人間になっているかもしれないとか、たまに悩み落ちかけたりもするけれど、体と心の健康が、生きていく土台として最も大事だと自分の中で定義しているので、それが叶っていること自体が、やっぱり大切なんじゃないかと思うのだ。

ちなみにこの定義は、わたしが高校時代に拒食症になって、体が不健康だと心にも影響があり、何もかもどうでもよくなる、いっそのこと死んでも構わないと思った経験によるもので、それ以来、特に心の健康が損なわれるものには価値を感じられなくなった。

とにかくこんな生き方が許される現代にも、周りの人たちにも、感謝したいと思っています。もし同じような気持ちの方がいたら、何か参考になれば嬉しいですし、ならなくてもこうしてこの場で発表できているだけで、わたしにとっては幸いです。

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