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裸の馬の背中は幸福感の塊だった話

今日はオスカー(猫)のいるボランティア先のスクールにて、乗馬の個人レッスンでした。と言ってももちろん有料。何しろレッスン収入は貴重なチャリティ運営資源なのです。

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こちらがオスカー 実は彼が厩舎のボスなのではとの噂も

馬場に入って今日のパートナー、ハーリーとご対面したところで、先週のレッスン、週末のボランティア、とけっこうな時間を一緒に過ごして仲良くなったインストラクターに、裸馬に乗ったことある?と聞かれました。

「ないけど、いつか乗ってみたいってずっと思ってた」というと、「じゃ、今日やってみる?」というではありませんか。ハーリーは鞍なしで乗られるの好きだし、今日は暑いから強めのレッスンはできないし、ちょうどいいとのこと。夢がいきなり実現です。

頭絡とハミはつけたまま、さらにバランスを崩しそうになった時のしがみつき用にとネックストラップをつけたハーリーにそっとまたがります。ハーリーはどっしりとした体型なので安定感抜群。そして何より体温だけでなく、呼吸も直に伝わってきます。

最初はゆっくりと並歩。馬の歩様が直接私の身体に伝わってくるので、どうしたら邪魔にならないように座れるかを考えると、どうしたってコアを使って上に伸び上がる感じを保ちつつも、骨盤をふんわりとさせて馬の動きについていくしかないことに嫌でも気付かされます。というかそうしないと馬の背骨が私の尾骶骨または股を直撃するか、私の坐骨が馬の背中に嫌な感じで刺さるか、もしくは両方、ということになってしまうのです。

私は骨盤周りの関節がかなり柔らかいのとコルセット筋がうまく使えないのとで、バレエやヨガで、骨盤底筋と仙骨周りを固めてバランスを取ろうとする癖が出来上がってしまいました。乗馬を始めてからは、それが致命的なことに気付いて試行錯誤しながら少しずつ仙骨周りをリラックスさせながらバランスをとる練習をしているのですが、なかなか難しい。

でも直接馬の肌に触れていると、これじゃきっと馬が痛いだろう、不快だろう、という感覚が鞍を通すよりずっとダイレクトにやってくるので、難しいとか言ってる場合じゃないと必死になるのです。さすが追い込まれないとやれない私。上に伸び上がる力をほんのり残して、とにかく必死で私の身体をハーリーに任せます。そして任せれば任せるほど、(私の)骨と(ハーリーの)骨がぶつかり合うこともなくなって、身体は絶えず揺れているのにとっても安定した感じがしてくるのです。

そしてレーンの変更やサーペンタインの練習を何度かするうちに、骨盤と脚を使った本当に僅かな合図で動いてくれるようになって、人馬1.5体くらいにはなれたかな、なんて。

そして速歩での座り方を教わります。馬の背骨を人間のおしりの割れ目にフィットさせて(!)、おしりのほっぺで馬の背骨を両サイドから抱きしめるようにして、後は内腿でほんのり馬の胴体にしがみつく感じ、とのこと。しかしそんなことを言われて、はいそうですかとすぐにできるわけもなく、最初の速歩は低速だったにも関わらず馬の背中で跳ねまくり。しかも1度は恥骨に馬の背骨がぶつかってめっちゃ痛かった。

それでも速歩と並足を数歩ごとに繰り返していくうちに、おしりのほっぺでサンドイッチがわかってきて、それが上手くいった瞬間はもっとスピードを出したくなるくらい。

レッスン最後の方は、楽しくて楽しくて、インストラクターに「その顔!」と指摘されるくらい、満面の笑みを浮かべっぱなし。もうこれからずっと鞍なし(Bareback:裸の背中)で練習したいくらいです。

こんなふうにフレキシブルなレッスンを受けられるのも、小さい規模のスクールだからなのでしょう。馬に乗った後はいつでもとっても幸せな気分になりますが、今日のはこれまでとはまた別の、新しい幸福感でした。



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