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主に草、引いてます。

春の雨が繰り返し降るたび、我が家の雑草がめきめきと力を増してくる今日この頃。東京から兵庫県神河町へ移住して4度目の春がやって来ました。

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わたしが今暮らしている一軒家に出会ったのは丁度2年前。それまでも小さな一軒家を借りて居ましたが、友人が泊まりに来ると手狭だった為、もっと大きくて、もっと山々や自然を身近に感じる家を探していました。

外観に一目惚れした、県道の外れにポツンと建つ一軒家。大家さんと約4ヶ月ほど交渉を重ね、2019年の9月から晴れてお借りすることが出来ました。

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現在、ダンサー・振付家である夫と、わたくし伊東歌織と、猫のびゃー君の3人暮らしです。

なんせ山が近いので冬はとにかく寒いのですが、4月から夏場にかけてはとても快適に過ごせます。そして、何といっても庭が広い…

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まだまだ、いわゆる「お庭」といえるほど整えられた訳ではないのですが、少しずつ花を増やしたり、庭木を剪定してコツコツとやってます。(でもうちの猫におしっこされます)

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そしてこの4月から、私の毎日の生活のルーティーンに介入してくるのが「草引き」です。鬼のような勢いで生い茂る雑草が、我が家を襲います。

そう、これから一年かけてこの企画でどんなことを書こうか?と色々迷っていたのですが、やはり「移住」を通して見えてきたこと、変化していったことを中心に書いていこうかと思います。

とりあえず今回は自己紹介がてら、私の現在の暮らしについて、綴ってみます。

東京から今の生活に変わって一番変化したのは、「起きる時間と寝る時間、食べる時間」です。

7時〜8時 起床 
8時〜9時 お香を焚く。朝食、出掛ける準備
9時〜10時 庭の水やり、猫の散歩
10時   地域で高齢者の体操支援の仕事
11時半  終わって車で帰って来る。
12時   昼食

とりあえずお昼までは、大体こんな感じです。仕事がなければ大体家事をしたり、歩かないとかなりの運動不足になるため、わざわざ近所を散歩します。

一見優雅な生活に見えますが、猫にせがまれれば何度も庭に出て、脱走されれば探しに行かねばなりません。そして、これからの時期は、主に草を引いてます!

草引き…毎年訪れる厄介な作業で、基本的に寒くなるまでエンドレスな作業です。没頭すると体中が痛くなります。除草剤を使えば、そりゃあもう楽なんですが…

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しかしですね、「わざわざ毎年草を引く」というのが実はとても重要なんですよ。

庭作業を宇宙に見立てる舞踏家が居るように、草引きをしていると色々と見えてくることがあるんです。

私が移住してきた最初の頃は、草引き=ストレス解消、という位置付けでした。とにかく手でサクサク抜けると気持ちがいいし、

「綺麗にしてやったぞ!ざまあみろ!」

という謎の達成感、目に見えて結果が出る爽快感があります。まあここまでは運動してリフレッシュする、みたいな感じです。

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しかし「草」というにはあまりにも根深くしぶとい…それがイネ科の奴等です!10年間放置された広大な庭に伸び放題のイネ科の植物。それらと戦うには、もはや鍬で耕すしかない…

ここまでくると草引きとは呼べないのですが、とりあえず引っ越してきた当初、新しい家で庭と駐車スペースを作るために私たちは2〜3ヶ月ほどかけて庭全体を耕すことになりました。

ここで先ず気づいたのは、

「その植物があるから守られる生物が居る」

ということです。例えば、私がしぶとい葦やススキの根元を耕して引っこ抜くと、小さな生き物がチョロチョロっと逃げていくのです。また、誤って踏み潰してしまうこともありました…。

そして翌年、耕した一面の土地には今までと全く違う種類の雑草に覆われました。↓イネ科の植物はさよならし、クローバーが生えてきた。

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この段階で私は、

「人の手によって環境そのものを変えてしまったのではないか?」

と思い悩みました。私が居なければ快適に暮らしていたであろう動植物。それらが循環する機会を奪ってしまったのではないか…と。
誰かが快適に生活するために、犠牲になる者がいる…やんばるの森がふと脳裏に浮かびます。

たかが自分の家の庭をいじる、ただそれだけのことではあるのですが、人間界に当てはめて考えると罪深い気が…

それから、数年続けて草引きをしていて気づいたのが、毎年生える草の種類が少しずつ変わっていることです。

あ!花壇の周りがいつの間にかセイヨウタンポポに包囲されている!あれ?これは…食べられる野草(ノビル)か…味噌汁に入れられる!↓勝手に生えてくれるし、かつ食べられるのでありがたい。

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などなど、その年の天候や気温、風向きなど、私には決して操作できない自然の力によってどんどん変化が起こり、草を引きながらいちいち感動するのです。

自分の人生に起こる「運」だとか「縁」もそうですが、自分で動かせることと、自分の力ではとうてい及ばない「目に見えない何か」によって突き動かされることが多々あります。

そして、自分で出来るちょっとしたこと、「微々たる力」によって「大きな変化」を呼ぶこともあるということを、草引きを通じて学びました。

私が出来ることなんてちっぽけで、社会に何の影響ももたらさないのではないか…?そんなネガティヴシンキングな考えが一転、私が生きてることに、ちゃんと意味があったんだ…

え…深い…

時々、草引いてて泣くんです私。
基本的にネガティブな人は、草引きをお勧めします。浄化されます。多分。

こんな調子で、毎年草を引いているわけです。心のリハビリにもなりそうな…

最後に、一日の終わりについて。

18:30〜19:30 夕食
20:30頃までAmazonプライム・ビデオを観る。(最近は韓国版シグナルに夢中)
20:30〜21:00 お風呂
22:00 猫と遊ぶ
22:30〜23:00 就寝

東京時代は22時過ぎに帰ってきてご飯を食べ、2時か3時に寝るのが当たり前でしたが、変わるものですね〜。

「暮らしと仕事、舞台活動をどのように無理なく循環させていくか?」

これは移住前から現在に至るまで、私にとって大きなテーマでもあります。

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移住の理由についても書きたいことだらけなので、それらはまたの機会に◎

伊東歌織プロフィール



伊東歌織の記事はこちらから。
https://note.com/beyond_it_all/m/ma837b53474b3


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