マガジンのカバー画像

Finnのうた

99
運営しているクリエイター

#詩

眠れぬ夜を過ごすのか
深い悲しみ抱いたまま
ベッドの闇に潜るとき
姿は見せずただそっと
だまってそばに居てくれた
おやすみなさい
新月に

悲しいことをかなしいと
素直に認めてみたけれど
悲しいことはやはりかなしく
虚しさに変わるだけだった

泣きたいときは泣けばいい
わかったような事をゆう
そんな簡単じゃないことは
だれもが知っているのにさ

あのひとに会いたい
あのひとに会って

ただただ

泣きたい

金木犀の香りがするまで歩こうと
ふらっと外に出てみたが
どこまでいっても出会わない
迷子になって疲れ果て
家にもどると金木犀
ふわっと一瞬通りすぎ
残り香もなく消えてった

シミだらけでもいいと言うので
日焼け止めをやめた
わたしのほんとうの白さを知るのは
あなただけ

小さな女の子が泣いていた
「誰かにいじめられたの?」と
聞いたらゆっくり顔を上げ
スッとわたしを指差した

なんだかわたしは馬鹿みたい
あたまがずっと痛くって

なんだかわたしは馬鹿みたい
となりの芝生が青くって

なんだかわたしは馬鹿みたい
おんなじところをぐーるぐる