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おすすめ海外SF小説

おすすめのSF小説を紹介します。けっして網羅的なものではなく、思いついたSF小説を紹介しています。ハインライン、ディック、アシモフ、エリスン、スタージョン、スラデック、コードウェイナー・スミス、ウルフ、シモンズを引用。みなさまの読書生活を応援しています!(あと、原文を引用しているので、少しだけ英文法の話を加えています!)

📚トップはSF3巨匠の1人ハインラインです!

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ロバート・A・ハインラインはSF3巨匠(ハインライン、アイザック・アジモフ、アーサー・C・クラーク)の1人で、ガンダムの元ネタのひとつ『宇宙の戦士』や、日本の読書界で不動のいちおしの地位を占める『夏への扉』が代表作でしょう。アメリカで国粋的に読まれたり、ヒッピー文化の中で読まれたり、これほどさまざまな人に受け入れられたSF作家を私は知りません。とにかく読んで抜群に面白い作家です!

☄ハインラインのおススメがこちら

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「依頼人じしんを捜査しろ」という依頼を受けた夫婦探偵の身にふりかかる奇妙な事件。そして依頼人の正体は? という話。21世紀に読んでもキレッキレにエンターテイメントしている名作です。最後にタイトルを読んでなるほどと納得できます。未読の方がいらしたら心からおすすめしたい一作。また、そのとき一番旬の俳優をカップルにしてテレビドラマ化してほしい1作です。『輪廻の蛇』(ハヤカワ文庫SF)所収です!

↪この文はwant 人 to 不定詞「人に○○してほしい」という文法を含んでいます!


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『夏への扉』もハヤカワ 文庫SF所収。テンポのよい語り口に乗せられてあっという間に読了してしまうジェットコースターノベルの1つでしょう。私は中学生のとき部屋で読んでいましたが、面白すぎて座っていられなくなり、最終的にからっぽの風呂おけのなかで読了したことをよく覚えています。ぐいぐい読ませるハインラインの筆力が全開に発揮されている作品です!

↪that以下が同格としてconvictionという考えを表す名詞を説明しています!

📚2番手はこの人フィリップ・K・ディックです!

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フィリップ・K・ディックは異色作家のイメージのあるSF作家です。彼の得意とした悪夢的で不条理な世界観は、いまのエンターテイメント作品(とくに映画)に継承されていると思います。映画『ブレードランナー』の原作である『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』『ユービック』『高い城の男』『ユービック』(以上は全てハヤカワ 文庫SF)などなどが代表作です!

☼フィリップ・K・ディックのおすすめはこちら

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火星を脱走したアンドロイドを追う賞金稼ぎは、次々と予測不可能な現実に遭遇する。こちらもハヤカワ 文庫SF。私は映画も愛しますが、両方はまったく別々の魅力をもっているように感じます。このツイートを作る際に読み返していて、多分100回目のくらいの再読でも文句なしに面白くて驚きました!

↪carry around(carry about)が「〜を持ち歩く」です!

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この言葉を聞くオルハムは果たして本物なのか? 世界があっという間に哲学めいて変質していく。こんなディックの得意技が本作でも炸裂しています。『パーキー・パットの日々 ディック傑作集(1)』所収。いっしゅんでシュールな状況に登場人物も読者も追い込むディックという小説家は、エンターテイナーとしてものすごいんだと思います。私はハインラインとディックがSF界を代表するストーリーテラーだと思います!

↪助動詞 would はここでは「確信はないがそう思う」レベルの推量です!

📚3番手はアイザック・アジモフです!

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アイザック・アジモフ(アシモフ)はSF3巨匠のひとりにして、SF、ミステリなどジャンルを自在にたくさんの作品を書いた巨匠です。最近マンガがヒットした『銀河帝国興亡史』(ファウンデーションシリーズ)もおすすめ。ところで、彼のシリーズ同士を融合させるという、現在でも盛り上がる手法を先取りした存在でしょう。彼の量を書ける資質と面白さの追及がなした偉業です!

☾アイザック・アジモフのおすすめはこちら

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ヒューマノイドと叩き上げの刑事コンビがふたたびという場面。『鋼鉄都市』『はだかの太陽』の2作はミステリファンにもおすすめです。こちらもハヤカワ 文庫SF。アジモフの魅力がいかんなく発揮されているのがこのSFミステリシリーズでしょう。しがない刑事で未知の状況にとまどいながら才気を発するベイリと、どこまでも人間に忠実であるはずなのにどこか謎めいたダニールは、どちらも人物として魅力的ですが、2人で仲よく捜査にあたる場面が最高に楽しいです。また、文明を心理学的に捉えるものの見方が『銀河帝国興亡史』とも共通します。この発想が1950年代のアメリカ的で古き良きパースペクティヴとして私にはぐっときます!

↪ここでの conclusion が「結論」です!

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6つの太陽に囲まれた惑星に訪れようとしている未曾有の事態とは? ワンアイディアで書かれながら何度読んでも楽しいハードSFの傑作です。『夜来たる』(ハヤカワ 文庫SF)所収。そのワンアイディアがどんなものは上のツイートで示唆しています。ともかく、ネタ割れしても読む価値がある名作でしょう。「200周年を迎えた男」「聖者の行進」と並ぶくらいアジモフの名作だと思います!

↪it は形式主語でto 以下が文章の真の主語です!

(ここからはざっくりと《SF界の鬼才たち》をまとめてどうぞ!)

📚1人目の鬼才はハーラン・エリスンです!

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ずっと5歳のジェフティの話。『死の鳥』(ハヤカワ 文庫SF)所収。彼は「世界の中心で愛を叫んだけもの」がエヴァの元ネタとして有名です。濃密で暴力的な奇想とともに、詩的な情緒をかもしていくというある意味エヴァ的な作風を大得意としてきた作家です。中編「死の鳥」がとにかくとにかくおすすめです。ツイートの作品は、5歳から年齢の変わらない「ともだち」を描いた作品。そこで語られる過去の文化への郷愁が胸がしめつけられる魅力で描かれています!ちなみに、私は15歳の時からエリスンの小説が抜群に格好いいという感性が変わりません。

↪call以下が「OをCと呼ぶ」の表現です!

📚2人目の鬼才はセオドア・スタージョンです!

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テレパスゆえ居場所をもたずに生きる、主人公たちの1人の描写。超能力ものの隠れなき名作です。こちらもハヤカワ 文庫SF。異質なものにふれたような論理の怜悧さと、孤独でセンチメンタルな感性が凝縮したような作風です。『夢見る宝石』(同)も『人間以上』と同じくらいグレートで、こちらは冒頭部分を読むだけでこの作者の魅力が分かるのでおすすめです。『人間以上』はちょっとだけティム・バートンの映画『ミス・ペレグリンと奇妙な子供たち』を連想する部分があります!

↪distinguish between A and Bが「AとBとを区別する」の表現です!

📚3人目の鬼才はアヴラム・デイヴィッドスンです!

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「あるいは牡蠣でいっぱいの海」の引用を。日用品の怪を題材にしたSFで、落語の名人芸さながら語りで奇想をつくったデイヴィッドスンの名短編。『どんがらがん』(河出文庫)所収。蘊蓄と奇想が掌編のなかにぎゅっと詰まった作風は奇想作家の中でもキャラ立ちしています。タイトルは、リズミカルで謎めいた「あるいは牡蠣でいっぱいの海」が定番の訳で、『どんがらがん』では「さもなくば海は牡蠣でいっぱいに」と引用元を再現した訳となっています。上のツイートでは読後に読んでピンとくる感じの訳にしてみました!

↪as ever が「いつものように」の表現です!

📚4人目の鬼才はジョン・スラデックです!

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18世紀英国の高名な辞書編集者で、いまも警句がよく引用される文学者サミュエル・ジョンソンに未来人がコンタクトしてきたら?という話。持っている古いペーパーバックの引用なので、現在手に入る出典は未調査です(すみません!)。最近出版された『蒸気駆動の少年』(河出書房新社の奇想コレクション)でも言語遊戯がはげしそうですが、こちらもその系列につらなる作品。スラデックと言えば、予想を裏切るレベルで「ピュア」なロボットが主人公の長編『ロデリック』(河出書房新社のストレンジフィクション)がおすすめ。続編も超期待です!

↪make+人+動詞の原形が「人に〜させる」です!

📚5人目の鬼才はコードウェイナー・スミスです!

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SF「人類補完機構」シリーズの引用を。ワープ航法中に出現し乗員の精神を破壊する「なにか」を、人々は竜と、ネコたちはネズミと捉えた。『スキャナーに生きがいはない (人類補完機構全短篇1)』(ハヤカワ 文庫SF)所収。エヴァの元ネタのひとつ「人類補完機構」シリーズを書いたコードウェイナー・スミスの作品は、未来人がそのまま現実を描いたような異質な語り口が本当にいつまでも飽きないです。また「スキャナーに生きがいはない」「青をこころに、一、二と数えよ」「アルファ・ラルファ大通り 」などどの作品のタイトルもすごく格好よくてしびれます!

↪ここでのought to が「〜すべきだ」でshould と同義です!

📚6人目の鬼才はジーン・ウルフです!

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SFファンタジーの金字塔『新しい太陽の書』の引用を。いつまでも名のない深夜映画をみる不思議さが持続する作品。夏に読んでいて至福の読書体験でした。こちらもハヤカワ 文庫SF。今年(2016年)の上半期は『新しい太陽の書』シリーズ(4冊+1)を読んでいたんですが、作品の(おもに時間の)法則を、種明かしせずにひたすら進行させていく叙述は、ちんぷんかんぷんではあると同時に、異質なものの実在感をものすごく感じて、すごく楽しかったです!

↪to以下の不定詞の部分が(意味上の)主語になっています!

📚最後は現代SF最高の戦闘力のダン・シモンズを!

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主人公の1人がこう叫んで赴く惑星ハイペリオンは『HUNTER×HUNTER』の暗黒大陸と同種のやばさを感じさせます。こちらもハヤカワ 文庫SF。最近読んだんですが、シリーズものの構成が破格で度肝を抜く奇想が展開していきます。(90年代ですが)新しい小説の作り方って感じがしました。アメリカのAmazonのコメントをみると、現代の古典を生みだした作家という風格すらただよっている印象。と言いながら、シリーズというより怒りと絶望のみなぎったこの第1長編を私は心から愛します。以上で、SFおすすめ小説の引用を終えます!

↪neither A nor Bが「AもBも〜ない」の表現です!

まとめ:SF界には鬼才がすごく多い。

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