体を鍛えることと語学学習の共通点について #3
恒石昌志
さて3回目は引き続き習慣化についてお話します。
人はそれぞれいろいろな習慣があります。多くの人は語学学習や体を鍛えることなど良い習慣は身につけたいがなかなか身につかない一方、サボりぐせや、つい生産性のない飲み会に時間とお金を使ってしまうなど悪い習慣がやめられないという悩みがあります。
そして現代人のほとんどが “忙しい” という感覚をもっており、時間が足りないと感じています。そうすると、新しい習慣を身に着けようとするとそれが入り込む新しい時間の枠がない、またはそれを邪魔する悪い習慣があるため新しい良い習慣はなかなか身につきません。この場合、それぞれの習慣を個別に調整し、強化するか遠ざけるか対処する必要があります。
習慣化のコツ-障壁の調整をする
これは少し説明しますと、やるべき行動はできるだけやりやすいように、やらなくていい行動はできるだけやりにくいようにするということです。
例えば、ジムに行くのは運動好きでない限り、ほとんどの人にとってはめんどくさいものです。特に一度帰宅して、着替えて出かけるのは余計にめんどくさくなります。そうするとサボってもいいかという方向に気持ちが傾きやすいので、もっと行動の障壁を少なくします。
お金はかかりますが、ジムにロッカーを借りて運動靴は置いておき、着替えのシャツはカバンに入れておいて、仕事の帰りにジムに寄れるようにする。これらは障壁を低くする行為です。
逆に学習の妨げとなるテレビを見たくても見られないように、リモコンを家族に預けておくとか、ワンステップしないとその行動をできないようにしておくのは、障壁を高くする行為です。
ちなみに私の家には最初からテレビがありません。勉強時間にスマホをいじるのを防ぐために、集中したい時はスマホを目に入らないところに置いておきます。
ちょっと劇的な商品もあります。食品保存用の容器でタイマーを設置すると指定された時間まで容器が開かないというものもあります。
更には他人との約束も強烈です。人は自分で決めたことは、まあ明日またやればいいかとなりがちですが、他人と約束するとそうは行きません。オンライン英会話も事前に数回分予約を入れてしまうのも、サボる障壁を上げる方法です。
語学学習や体を鍛えるために、仲間をつくり、コミュニティに入ることも大事です。
私は一生懸命体を鍛えている時、お酒を控えていましたが、人と飲みに行くと居酒屋でウーロン茶はないだろうと周りに言われていました。
しかし、体を鍛えている人のコミュニティにいると、ウーロン茶で鶏胸肉の焼き鳥を食べ、どのメーカーのプロテインの味がいいなんて話をしますのでそれが当たり前になります。
語学好きのコミュニティで学習者と話をするのもとても楽しいものです。例えば、私はオーストラリア在住経験があり結構イギリスのドラマなどを観てきましたので、イギリス英語に親しみを覚えます。アメリカ人やカナダ人のローカルなスラングはわからないこともあります。逆にオーストラリア英語の表現は相手がアメリカ人のネイティブであってもわからないもの多いでしょう。このような各国の英語の表現や発音の違いを話したり、難関の英語の資格試験の対策を話したりすることで視野が広がります。そして、人が勉強していることを知ると、自分も負けていられないという気持ちになるのもとてもいい効果です。
ダメなコミュニティにいると「英語勉強しているの? 意識高いね。でも今日ぐらいは飲みに行こうよ」なんて言われることもあるかもしれません。付き合う人を変えるのも習慣化の障壁を調整することに貢献します。(第4回につづく)
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