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Mr. Evineの「英文法 違いが分かるかな?」クイズ

第3回:「仮定法」、使いこなせてる?

恵比須大輔

Hi、皆さん、Evineです。時制や助動詞など、似ている英文法や表現のニュアンスの違いで、英語学習者、特に初中級レベルの方が悩みがちなものをクイズ形式で解説していきます。「Evineの英語塾」で中高生や一般の社会人から、授業で実際にいただいた質問を中心に、皆さんとシェアさせていただきます。今回は「仮定法」です。


それでは、早速クイズにチャレンジしてみましょう!

Q.1 「休暇を満喫できるといいね」を英語で話すと、どちらが自然?

(A) I hope you enjoy your vacation.
(B) I wish you enjoyed your vacation.

Q. 2 アドバイスを伝える英文(A)を英文(B)で言い換えた場合、自然な英語を(  )に入れてください。

(A) You should move to New York.
(B) If I (   ) you, I (   ) move to New York.

Q.3 「明日、ロンドンのいとこに会いに行けるかも」を英語で話すと、どちらが自然?

(A) I can go see my cousin in London tomorrow.
(B) I’ll go see my cousin in London tomorrow.
(C) I could go see my cousin in London tomorrow.


では、簡単にポイントを解説していきます。

Q.1  Answer

(B) I hope you enjoy your vacation.(休暇を満喫できるといいね)が正解です。
(A)のwishは、「I wish+S+仮定法過去」で「Sが…すればいいなぁ」と、話し手の中で、今、現実的に叶わないかなぁ、と考えていることを仮定法過去で表現します。
一方で、I hope ...は実際に叶いそうな希望を表現しますので、仮定法過去ではない形(そのままの時制で示す直接法)で表現しますので、相手の充実した休暇を願う場面ではこのhopeを用いた(B)が自然だと考えます。
ちなみに、will enjoyとしても文法的には正解ですが、hopeしているのは先の事柄であることは明確なので、特に日常会話では、hopeを現在形enjoyとセットで用いることが多いです。

Q.2 Answer

正解は、(B) If I were you, I would move to New York.(私だったら、ニューヨークに移住するだろう)
If I were youは「実際には、自分はあなたではないけれども、あなたの立場になったとしたら」というニュアンスも含まれ、まさに相手の立場に立ってアドバイスをあげるために仮定法過去形を用いたものです。意思を示す助動詞willもIf節の仮定法過去形wereに合わせてwouldにします。
(A) You should move to New York.(あなたはニューヨークに移住した方がいいよ)は英文(B)よりもストレートに、相手にアドバイスを送る言い方になります。

Q.3 Answer

正解は、(C) I could go see my cousin in London tomorrow. (明日、ロンドンのいとこに会いに行けるかも)です。
「明日」なので、未来と考えて(B)は誤りです。ここは「〜かも」がポイントです。
(C)で使われているcouldは、助動詞canの過去形と呼ばれる形ですが、本当の意味の過去の話ではなく、現在または未来の感覚で用いることができます。ここでの「過去形」は「実現からの距離感」を表現し、100%実現するという自信がない中で話す場面で用いると自然です。

(A) I can go see my cousin in London tomorrow. (明日、ロンドンにいるいとこに会いに行ける)…「できると思っている」ことをストレートに表現したもの。
(B) I’ll go see my cousin in London tomorrow. (明日、ロンドンにいるいとこに会いに行きます)…「やるぞと思っている」意思表示


英文法は、単元ごとの学習目的が大切です。何のために、助動詞をやるのか、何のために過去形にするのか、場面に合わせた英文法や表現の使い分けを意識したいところです。Q.2も、「If+主語+仮定法過去形, 主語+助動詞の過去形」で「非現実的なことを仮定する」のような押さえ方をする中高生も多いのですが、そんな表面だけを覚えていても英語でやり取りをする運用力は養えません。

今回、解説したポイントは、ベレさんから出版した「Mr.Evineの英語塾 コア英文法」を基にしています。この書籍では、出来る限り、英文法の使用目的や場面を意識した解説で、どうやって英文法を利用してコミュニケーションを取ればいいのかが自然に学べるような書籍になっています。ご興味のある方はぜひ書籍もご覧いただければ幸いです。

Thanks for reading!
See you in the next column.

記事を書いた人:Evine(エビン)
本名、恵比須大輔。神戸在住。株式会社evinet biz代表取締役。Teaching Director
神戸と大阪で社会人向けの「やりなおし英語JUKU」と学生向けの「Evineの英語塾」を主宰。10代~80代まで幅広い世代の方を対象に、コア英文法を軸に、実際に使える英語・英会話指導に従事している。観光専門学校での「英文法&英会話クラス」や「TOEIC」クラス、教員向けセミナーなど多方面で活動実績がある。著書に、『Mr.Evineの中学英文法を修了するドリル』『Mr.Evineの中学英文法を修了するドリル2』、『Mr.Evineの中学英文法+αで「話せる」ドリル』、『完全攻略!英検準2級』『動画でわかる! Mr. Evineの中学英文法を修了するドリル』(アルク)、『7時間で中学英語をもう一度やり直す本』(あさ出版)など多数。その他、学校専売品『英文法総合問題集 ES(エス)【はじめて編】/【高校入門編】/【高校標準編】/【高校発展編】』(アルク)など著書多数。趣味は旅行と映画鑑賞。

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