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オペレーターにもマインドチェンジが必要

コールセンターでマネジメントをしています。コールセンターのオペレーターは電話対応がメインの職務です。センターがどのような業務設計にしているかによって、オペレーターの位置づけは多少異なります。粛々と決められた運用にそって電話対応をすることが期待値なのか、一定の裁量をもって判断を伴う対応をすることが期待値なのか。

前者の「粛々と決められた運用にそって電話対応をすること」が現在は一般的だと思います。ですが、これからはオペレーターもマインドチェンジが必要だと考えますので、そのことを書きます。

旧型オペレーターと新型オペレーター

さきほど書いたように「粛々と決められた運用にそって電話対応をする」オペレーターを旧型オペレーターと呼ぶことにします。(現在の主流ですが、旧型とします)

旧型オペレーターに求められていた役割は、シフト通りに出勤することと、言われたとおりに電話対応をすることでした。(現在も大半がそうですが、過去形で書いています)

対して、新型オペレーターは「決められた運用にそって電話対応をできるだけでなく、①自ら積極的に判断し、②社内へ情報提供ができる」とします。旧型オペレーターに2要素が加わっています。

旧型オペレーターが、新型オペレーターになるには、2つのマインドチェンジが必要で、キーワードは「自立」と「プロアクティブ」です。

「自立」
・旧型オペレーター:困ってたらSVが助けてくれる
・新型オペレーター:自ら積極的に判断する
「プロアクティブ」
・旧型オペレーター:言われたことをやるだけ
・新型オペレーター:変化やリスクを察して社内連携する

自立とプロアクティブのどちらも「変化への対応」が根底にあります。変化とは、環境変化のスピードが速まっていること、環境がより複雑化していること、この2点への対応です。

スピード感をもって、複雑な変化へ対応すること、これはオペレーターが受け身であったり、言われたことだけをやるようなマインドセットでは成立しません。オペレーター自ら積極的に判断をすること、変化を現場で察したならば速やかに社内へアラートをあげられるなど連携できることが必要です。

お客様の声を活用するVOC活動や、お客様と直接対応しているオペレーターの意見を大事にしようということは、かなり昔から言われ続けてきたので、今さら感があると思います。ですが、以前までは「VOC」や「現場の意見」は建前のような雰囲気があり、なんだかんだで社内事情が忖度されてしまうものであったと思います。今後はいよいよ参考程度ではなく、本気で活用することが重要になります。VOC活動2.0、現場の意見2.0というイメージです。

オペレーターは進化しないといけないのか

新型オペレーターは、いままでのコールセンター現場を知っている人であれば理想論でしかなく、実現可能性に疑問はあると思います。そのレベルの人材はスーパーバイザーかリーダーレベルだろう、そんなオペレーターいないよと。

これは今すぐの話ではないかもしれませんし、何年後なのかは分かりませんが、10年先ではないと予想します。コールセンターのオペレーター職は、無くなることはないが、必要数はかなり削減されるので、かなり厳しいイス取りゲームになるだろうと考えます。

AIによる自動化や、WEBチャネルへの移行が進むので、人が電話で対応しなければならない場合が限定的になり、電話オペレーターの必要数が減少します。必要数が減少すれば、旧型オペレーターはイス取りゲームのイスに座ることができなくなります。新型オペレーターにイスを取られてしまいます。

オペレーターは進化しないといけません。新型オペレーターにマインドチェンジをしないと数年後には、仕事を失いかねません。これは厳しい言い方すると「自己責任」です。

ですが、せっかく縁があって一緒に働いているオペレーターなので、新型オペレーターに変わってほしいと思います。マインドチェンジの必要性を時間をかけて伝えていくことと、オペレーターの役割期待をデザインしなおして、オペレーションも変えること。これがオペレーターのキャリアのためにも、会社にとってもプラスになるはずです。

以上です。従来の変化があまりない世界では、むしろオペレーターに余計な意見をあげられたら回答するのも手間だし、粛々と定型業務をこなしててくれることが全体最適であったかもしれません。

何度も同じことを書いてしまいますが、これからは現場発での情報発信でないと変化に対応できなくなります。そういう点で、マネージャーのマインドチェンジも必要です。

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