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外を知ることの重要性を考える

コールセンターでマネジメントをしています。よくコールセンターの品質が高いとか低いとか、あそこのセンターはレベルが高いとか低いというような言い方をします。

コールセンターは、センター同士で試合をして勝ち負けがつくような競技でもないので、何をもって「レベルが高い」「レベルが低い」という判断をするのかは、その発言者が何をイメージしているのかによります。

オペレーターの処理効率が高いこと、オペレーターの対応にホスピタリティがあること、情報管理ができていて迅速に正確な情報が伝えられること、モニタリングや研修など品質教育が確立されていること、KPI管理が徹底されていることなど、さまざまな軸があります。

そして、そのセンターが何を目的に、何を大事にしているのか。ミッション、ビジョン、バリューにあった活動ができているのか。それが今はどれくらいできているのか、これから先にどれくらい成長できる可能性があるのか、これから何をやっていくのか、それを実行しうる組織であるのか。

このように各センターがありたい姿、目指す場所も異なるでしょうから、それぞれが目標に向けて成長をしていくことが大事で、他のセンターと比較してどっちが上か下かということに一喜一憂しなくていいと思います。

どのセンターがレベルが高い、レベルが低いということだけを語っていても、それ自体にはあまり意味が無いと思います。ですが、他社と比較して自分の立ち位置を知る事や、他社ではどういうことをやっているのか、それを知ることは重要なことだと思います。

なぜ強いチームと弱いチームがあるのか

話は変わりますが、私の子供は少年サッカーをやっています。少年サッカーのチームは、サッカーの上手な子供をセレクションして集めているクラブチームもあれば、近くに住んでいる子供が集まる地域チームがあります。その他に細かく分類があるのかもしれませんが、詳しくないので分かりません。

何が言いたいかというと、クラブチームが強いことは、上手な子供を集めているので、それだけではないでしょうけど当然のことと理解します。ですが、地域チームにも強いチームと、弱いチームがあって、それはなぜなのか疑問を抱きました。ここでの強いと弱いの基準は明確で、試合で勝つか負けるかです。

地域チームなので、子供の人数や練習環境などの違いはあれど、子供の能力は確率としてはそれほど大きくバラツキが無さそうなものです。そのため、試合をすれば、実力差はそれほどつかないだろうと思うのですが、明らかに強いチームもあれば、何度やっても勝てそうにないチームもあります。

そのような試合を観ながら、コールセンターの、組織としての差も同じようなものではないかと考えていました。

有名な企業、ブランド力のある企業であれば優秀な人材を集めるでしょうから(少年サッカーでいうとクラブチームのように)強い組織になりやすいかもしれません。他方、そうではない企業のコールセンターは採用基準や面接を経て採用しているものの、応募する人材の差はそれほどつかないはずです。

なのに、あきらかに同じことをやろうとしたときに、すぐに実行できるセンターもあれば、いつまでたっても動くことすらできないセンターもあって、それが試合だとしたら勝ちチームと負けチームと表現できます。実際は競技ではないのですが、いわゆる強い組織と弱い組織とは言い換えられると思います。

少年サッカーの話に戻りますが、試合をみていると個々の実力差はあきらかで、例えばボールを止める動き、トラップができているか、やみくもにボールを前に蹴ろうとしているか、どこにボールを出すか考えて蹴っているかなど、いろいろな点で差があります。

当然、選手個々で多少の差はあれども、チームのなかではそれほど大きな差はなくて、いわゆるチームのレベルの底上げがされているのだと感じました。そして、レベルの底上げがされるのは、子供たちの反応や会話をみていて思いましたが、誰か上手な子供がいるとそれをみんなが真似しようとしています。

「あの動き、自分もできるようになろう」「ああやって蹴ればいいのか」と見て真似してできるようになっていく、みんながやっているから自分も追いつかないと、そんな様子を感じ取りました。

①誰かが基準となる実力を持っていること、②それを周りが追いつこうとすること、この2点が全体のレベルを底上げする要素なんだろうと考えました。

コールセンターにあてはめると、①あるオペレーターの言い回しが良い、②周りのオペレーターが「あれ、いいな」と思って自分でもやってみる、このような流れがあれば全体レベルは底上げされていくのかもしれません。

外部から学ぶことの重要性

弱いチームでは何が起きているか、というより「何が起きていないか」というと、①基準となるものがない、②周りに追いつこうという向上心がない、この2点のいずれかか、もしくは両方だと思います。

基準となるものがないというのは、外部から学ぶ、外から情報を仕入れることができていない状態だと思います。

閉じた世界にだけいると、各自の関係性も硬直してしまい、その世界のなかで上位にいることが当たり前になってしまい、それ以上に成長しようということも考えなくなってしまいますし、停滞していることに気づくことすらできなくなるかもしれません。

今までは私が経験してきたコールセンターで、成長が止まっているセンターは外部からの学びをほとんど行っていない、閉じた世界で運営していることが共通点のひとつです。

外部とのつながりを持って、どういう情報やツールや運用方法があるのか、それを自分たちのセンターでも取り入れられないか、これらを知ることが重要です。

外部から、今までにないもの、今までとは違う事を取り入れて、新しい基準を持つこと、それが全体の底上げにつながるだろうと思います。

そして、それを誰かだけがやっているのではなく、周囲が向上心を持って、真似て、できるようになる。中で新しい基準が広がる組織であること、組織内にモチベーションと行動力があることも重要です。

以上です。今回書いたことは、あくまでも成長に必要な要素のひとつでしかなくて、他にもあると思います。今回は外部から学ぶこと、それを基準に周囲が取り入れていくこと、この流れが大事だと思ったので書きました。

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