下ネタ戦記

世の中が無常であるということは12世紀からもうアホみたいにわかりきった事実で、じゃあその無常の中にどんな柱を立てて生きていきたいかを考えたとき、「どうせ流れていくのならおもしろい人生を歩みたい」と15歳の私は願った。

でも大概の男子は「女の子はおもしろくなくていい」と口を揃えて言う。
下ネタなんてもってのほかで、心の底に欲望を隠し持っていることを悟られまいとカモフラージュしていいにおいを発している、かわいい女の子たちにアリのように群がっていく。

なんで女子はおもしろく生きちゃいけないんだろうとずっと泣き寝入りしてきた。否!むしろ言われれば言われるほど下ネタを脳内に蓄積してきたあまのじゃくで何が悪い。

過去の自分に何かヒントはないかと久々にログインしたmixiの私の他薦欄には、同級生や後輩からの「下ネタ」「猛毒」「おもしろい」の三本柱コメントで構成されている。己を形成しているのはおそらくその3つで、どれも私から奪ってしまったら成立しない。表立って下ネタを言うか言わないかをあえて言う戦法で15歳の時から戦っているが、当然負けっぱなしだ。

その数々の敗戦から学んだ結果、「ストレートな物言いの中にも品があり」「えぐみの少ないサラッと軽い」「笑いに昇華できる万人共通」の下ネタを心がけており、えげつない下ネタをどうやって咀嚼して再構築すればやわらかくて笑えるものになるのかを延々と考え続けている。ぼくらの七日間戦争どころか11,000日弱戦い続けて、未だに終戦に至っていないのが現状だ。

ジェンダーフリーやダイバーシティを声高に叫ぶなら、ついでに女子の大っぴらな下ネタも解禁してほしいと願っている私の救世主は「5時に夢中!」の作家の岩井志麻子さんと新潮社出版部部長の中瀬ゆかりさんの二人で、毎週チ×コを軸に展開していく清々しい一貫性に感服している。私は性格上志麻子さんみたいにチ×コ中心の生活を送ることはできないので、中瀬親方みたいに文学的かつ知的に下ネタを進化させようと試みている。

前に「5時に夢中!って番組でインタビューされて放映されたみたいなんだけど」と言われたので「録画してるから見てみるね」と返したら、当時好きだった人にドン引きされた。
なぜ!エロ満載の木曜日じゃなくてN国突撃のちょい毒な月曜日なのに! なんで5時夢すら受け入れられない心の狭い普通の男を好きになったのかと、己の根本的なリサーチ不足の戦略ミスを嘆いてまたひとつ小さな敗戦を迎えた。

私の数々の敗戦は普通の社会で普通の人として生きようとするから長引くのであり、これが表現だと許される世界で生きていこうと考えはしたものの、たどり着くまでが長過ぎた感が否めなくもない。が、今気づけたことは評価したい。これからも日々是決戦的に構えて精進していくことだけは確かだ。

この記事が参加している募集

熟成下書き

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?