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#26 命日にお義父さんがかえる場所

こんにちわ。id_butterです。

人生で最高に不幸な時に恋に落ちた話 の26話目です。
終わろうと思ったんですが、ちょっと気になってしまったことがある。
離婚に全然関係ないけど、あるような気もする。
ただ、どうでもいい話にしか着地しないことは明白なんだけど。

お義父さん、言わずもがな夫の父親のことだが、すでに亡くなっている。
6年前くらいだろうか。

だが、彼は時々わたしたちの家に現れる。
姿は見えないのだが、気配がする。
夫ととてもよく似た気配なのだ。
気配に振り返ると同時に、キッチンで何かしらものが落ちるのはお約束。

あー、またいらっしゃった。
今日なんの日だっけ?

それは、夫の誕生日の前日だったり、はたまたご本人の命日だったりする。

一番はっきりと覚えているのは、高熱を出して一人で寝ていた日のことである。
熱でモーローとしていたわたしは、トイレと冷蔵庫とベッドだけを行き来していた。
熱が最高潮に達した午後1時、ドアの音とともに夫が帰ってきた。
キッチンのあたり(夫の部屋の近くだ)でさわさわと気配が動いている。
夫の気配だ。
もしかして、早めに上がって帰ってきてくれたのかな?
まだ眠りから覚めきれず、目も開けられない、体も動かせない、おかえりということなんて到底できそうもない。

額がひんやりする。

あ、やっぱり帰ってきてくれたんだ。
と一瞬思ったけど、そのまままた意識が落ちた。

遅めの夕方、回復したわたしは、再び帰ってきた夫に声をかけた。
「あれ、さっき帰ってきてたけど、買い物にでも行ってたの?」
怪訝な表情でわたしを見返す夫。
「帰ってきてないよ、今帰ってきた。」

あれは、どう見ても夫だったのに。

そんなようなことが何回かあり、夫も同じような経験をしていた。
そして、それは家族の記念日やイベントの日の前日や当日に集中していることがわかり、夫の父親だという結論にわたしたちは達した。

そして、今回の離婚である。

実は、お義父さんとは生前2回しかお会いしたことがなかった。
遠方であることもあり、機会が少なかった。
亡くなってからの方がお会いしていることになる。
大好きだった夫によく似て、若い頃はやんちゃではすまされない数えきれない悪行をしたらしく、夫と義父の関係はあまり良好とはいえなかった。
それでも、わたしを可愛がってくださった。多分、夫に受け入れてもらえない分の愛情をわたしに代わりに注いでくださったのだと思う。

この方は、離婚したら現れなくなるんだろうか。
こういった場合、命日とかお盆にかえる場所も、お引っ越しされる…?
という素朴な疑問が沸いたから書いてみた、それだけ。
ほんと、すみません。

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