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(18)漫画「天上の虹」に見る理想の女性像

高校時代、漫画好きの先輩からもらった漫画の中に「天上の虹」という歴史漫画が入っていた。
日本の第41代天皇で女帝の持統天皇を主人公とした漫画で、完結するまで、何と30年以上かかっている。

当時、女子高校生だった私は、別に歴史好きでも何でもなかったのに、この漫画をきっかけに持統天皇に惚れ込み、卒業レポートまで勝手に作成した。

大学入学後はあまり漫画を読まなくなり、単行本を買うのもストップしていたものの、離婚した年に見たちょっと不思議な夢をきっかけに「天上の虹」を読み返し、単行本を買い揃え、持統天皇が眠る奈良の「天武・持統天皇陵(檜隅大内陵)」まで足を運んだ。その話はまたいつか。

ふと、最近になってまた持統天皇を思い出し、唯一捨てずにとってある「天上の虹」を読み返した。
何でこんなに持統天皇に惹かれるのか自分でもよく分かっていなかったけど、やっとその理由がわかった。

一夫多妻制だった当時、当然ながら持統天皇も、寂しさや苦しみ、妬みなどを抱き、落ち込むこともありつつも、自分で自分を律し、他の女性たちとは異なる、自分にしかできない愛の形を見出し、生涯をかけて強くたくましく夫を支え続けた女性で、私は、漠然とそういう感情に共感を覚え、そういう女性になりたいと、昔から思っていたのだと思う。
あんな素晴らしい偉業を成し遂げた女性だけど、もともと物凄く強かったわけではなく、普通の女性の幸せに憧れる自分もいて、でも、そうはなれない自分の運命に葛藤し、戸惑い、悩み、苦しみながらもいつも自ら目標を定め、生き抜く姿は、本当にカッコいい。

歴史漫画なので、作者の個人的な解釈や脚色も当然あると思うけど、実際に持統天皇がそういう女性であったかはどうかはどうでもよくて、ただ自分は、「天上の虹」に出てくる持統天皇のような女性になりたい。

パラパラとページをめくっただけでも、本当に共感の嵐(笑)。

・女だけを武器にあなたをつなぎ止めている他の女たちを私は違う。
・私らしくない。女として扱ってもらえないとか、強い女だから優しくしてもらえないとかそれがどうしたというのか。
・普通の女として愛されているわけではない。私は軍事の勉強に頭を使おう。女らしい装い方に頭を悩ませるより、海の向こうの戦地に想いをはせよう。いつかお前を妻にして良かったといわせてみせるわ。

また近々、奈良に行きたいな。


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