恋愛と憎しみ〜夜長姫と耳男を読んで
夜長姫と耳男 (立東舎 乙女の本棚)
Amazon(アマゾン)
1,525〜7,404円
少し前に『乙女の本棚』シリーズを知った。
今を時めく人気イラストレーターと曲者作家のコラボ。
今回は
『夜長姫と耳男』(なんと坂口安吾著作さ)。
坂口安吾と言えば
『堕落論』
余りにも有名なこの作品以外 読まれていない方も多いかも。
もったいない。
坂口安吾の描くこの物語は
分かりにくい恋愛。
ちょっと脱線★★★★★
そういえば、ひげだんのpretender。
youtubeでの再生回数が億?のプリテンダー、その億回分の何回かの再生は、私かな笑笑
このpv、最後の思わせぶりな終わりかたが、気になる。ね、どうなるんだろ、あの後。
歌詞も。気になる。
「君の運命の人はぼくでない」とか 言わないで
はっきり言えるのは「君はきれいだ」って それは それでうれしいけれど。
好きって言ったらよいのでは。 単純に 大好きって。
「きれいだ」 も うれしいけど
はっきり、『愛している』って、いってほしいよ、私なら。
★★★★★
夜長姫の愛は分かりにくい。
いや、いつから愛が芽生えたのかも分からない。愛があったのかどうかも定かでない。
いや、あったんだけど。
初めて会った耳男に「顔は馬、耳は兎」といいはなち
すわSMかと思うような描写が続く。
ただ耳男は 初めてあったその日から
夜長姫に憎しむと言う恋をした。
そう、恋は憎しみでもある。 お!
たったいま 気づいた。 そうか 恋は憎しみ。憎しみは恋。
憎しみは愛。 愛は憎しみ。
はあそうだったんだなあ。
勝手にツボにはまる。
読んでみてくれたら分かる。
夜長姫読んでみて。
憎しみと恋が表裏一体であると知った。
・・・・男は鈍いのか。
耳男は最後まで気づかなかった。
最後の最後に
自分が夜長姫を
憎んでいたのか
愛していたのか。
夜長姫は
・・・・女だ。
毎月血を流し、血を流すたびに「女の子」は
明確に「子」を脱ぎ捨てる。
余談だが 生理痛が重い私には 毎月訪れる
生死の繰り返しのように感じてた。
生理の流血は 死んでいくようであり、
生まれてくるようだった。
そのいたみは
女の子を男の子より
明確に「子」である部分を
棄てることにつながる。
(あ、最近の○○女子とかって、いつまでも「子」でいたい感じは
イタイ感じだった。
と言う本も。
女はいたいのなんて へっちゃらなの。
流血だって
だから?って。
コロッセウムで負けた奴隷に死刑を宣告したのも
大半は女だったし。
女は残酷になろうと思えば、どこまでもなれる。
一等賞を取った者に対する商品として
耳男とそのほか2人の仏師の前に
人参のようにぶら下げた
美しい女エナコを
夜長姫は 耳男が一等になる、
その耳男にあたえるという約束を以て
エナコに自死を選ばせた。
エナコの血で染まった着物を男物に仕立て直して
耳男に渡す。
・・・・・・・・・・ない。
憎しみからか。愛からか。
もう誰にもわからない。
でも、最後の場面で
夜長姫の本心が初めて語られる。
その本心を待たずして
耳男も自分の本心に 気づく。
乙女の本棚シリーズは
とにかくイラストが良い。
『夜長姫と耳男」のイラストを描いているのは
夜汽車。
とか
など。淡い色彩で なぜどくろ?そこに蛇?というような
耽美な世界。ゴスロリが好きな私には
このイラストも当然好き。
もちろん、文章だけで良いよという人には
「好きなものは
呪うか殺すか争うかしなければならないのよ。」
夜長姫は、憎しみと言う形の愛を持って
耳男を
愛していたのだ。
そして
夜長姫の愛に気づいてしまったわたしは
考えるのだ。
「もしかしたら わたしも。彼を」
と。
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