ヴェルダデラ

公立教員、指導主事と経験しましたが、子供が自分の可能性に気づくことができる塾経営に向け…

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公立教員、指導主事と経験しましたが、子供が自分の可能性に気づくことができる塾経営に向けて方策を模索してます。

マガジン

  • 一隅を照らす

    公の教育は限界なんでしょうか?

最近の記事

熱意はあるけど…

私が教師になった頃は、熱意さえあれば何とかなっていたような時代だったように思います。 時は流れ、現在の教師は逆に熱意のある人が面倒くさい存在になりつつあると感じています。 というのも、全員とは言いませんが、多くの若い先生方の指導に偏りを感じるからです。教壇における所作や言動に「俺はこうやから」や「この場合は、これ一択やろ」のような押し付けというか決めつけを感じるんです。 そういう方々に「誰のため?何のため?」と問うと「いゃぁ、もちろん子供のためですけど」と言うことばとと

    • 濡れ手で粟

      たいした努力もせず、やすやすと多くの利益を得るたとえ。(新明解国語辞典から) あまり良くないイメージのことわざだと思っていたんですが、以外とそうでもなかったようです。何かことを起こす時、とにかく出てくるのが費用対効果。経済界社会での話かと思っていたら、教育の世界でも“コスパ“が重要視されるようです。一番避けなければならないのは、「無駄」。 私は、無駄だと思っていたことが意外につながっていき、「あぁあれやっといて良かった」が人生の醍醐味だと考えているので、“コネクティングド

      • ニセモノがやがてホンモノに

        正確には「最初はみんなニセモノ。ニセモノがやがて本物になる。」 メジャーでノーヒットノーランを2回達成し、サンディエゴパドレスのアドバイザーを務める野茂英雄氏の言葉です。 以前の勤務先で行われたパネルディスカッションに参加する機会を得ました。中学生は野茂さんの身体の大きさに圧倒されてあまり内容が残ってないかもしれませんが、私にとっては大変気づきの多いパネルディスカッションでした。 その一つがタイトルの言葉です。パネリストから「メジャーに行く際、不安はなかったですか?」と

        • なにくそ

          何でもスマートに“スッ“とできることが求められ、みんなと協力してものごとにあたる。そして、自分にできることで集団に貢献していく。集団としては求める結果を得ることができているので、問題ないんだと思いますが、長い目で見ると格差が広がっていく原因の一つになるのではないかと思っています。 というのも、私のような怠け者にとってはこの流れは自分のできることだけすればいいわけですから、楽チンなんで快適なような気がするんです。でもこれは新たなことに挑戦し、自分の可能性を広げる場面がなくなり

        熱意はあるけど…

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        記事

          当事者意識

          本当に先行き不透明な状態に陥り、行政機関は日々決断を求められています。 行政が得意とする前例踏襲ができないことから、決断したことが批判の嵐にさらされていますが、批判のほとんどに代案はありません。それを考えるのが行政だそうです。まぁ代案がない時点で文句でしかないと思ってるんですが…なぜなら、み〜んなに同じ効果をもたらすことはほぼ不可能だと思っていて、この現状を乗り越えるために目指すのは「成熟した個人」。大胆に考え方を変えて「自分でできることは自分でする」「自分ではできないこと

          適塾

          今回も鷲田清一先生の『岐路の前にいる君たちに』の一節から。 大阪大学は、国公立大学ですが、国からの積極的な設置で生まれたのではなく、自治体や民間人の強い嘆願によって創立されたそうです。それも準備金や当座の運営資金をもつということでようやく認められたそうです。 大阪大学が「懐徳堂」「適塾」という私塾を原点としていることは知っていましたが、資金面も自分達で用意してまで開学にこじつけたとは知りませんでした。阪大に通ってる学生さんは知ってはるんでしょうか? 私は物事に携わる時は

          強くあれ

          「わんぱくでもいい。たくましく育ってほしい」確か40年ぐらい前のCMだったと思います。 40年経った今、子どもにかけるとしたら「正しくなくていい強く育ってほしい」ってとこでしょうか? 今、行政のありとあらゆる取組に対する非難の嵐、芸能人の私生活への批判の嵐、スポーツに携わる方の一挙手一投足に向けられる偏った意見の嵐。根底にあるのは、「自分の正義」の押し付けだと思っています。「自分の思いを表現してるだけで、私の意見に従えって言ってない。表現の自由だ」という声が聞こえてきそう

          ちょっと足りない

          「何かやりにくいなぁ」「何もうまいこといかんなぁ」というあまり使いたくない言葉が頭の中を占める割合が多くなってきている今日この頃。 何かやってもらおうとお願いした時に「しゃあないなぁ」と言いながらも引き受けてもらえることがほとんどなくなってきました。快く引き受けてもらえるなんてのは夢のまた夢… 過去に一緒に勤務して、どちらかと言えば仲が良かった人ですらこの状態です(仲が良いと思ってるのが私の思い込みだと話は別ですが…)。 何でこんなに世知辛い世の中になってしまったんでし

          ちょっと足りない

          他力本願

          他力本願…阿弥陀仏を頼って成仏を願うこと。誤って、誰かがしてくれることを期待して、自分は何もやらないでいる意にも用いられる(新明解国語辞典 三省堂) 今回は誤用の方について考えていきたいと思います。 鷲田清一先生が著書『岐路の前にいる君たちに』(朝日出版社)の中でこんなふうに言っておられます。サーヴィス社会というのは、皮肉にも、市民をどんどん受け身にしてゆく、そして市民としての責任の意識を低下させていくものでもある。 クレーマーが多くなったとか、やってもらってるんだから

          そんなんあり?

          転換期というのは、歴史を振り返っても突然訪れるもののようです。 前回書いた1人1台環境による知識習得、業務改善の視点からの部活動等が学校教育の手を離れようとしています。こんな時代が来るなんて夢夢考えもしませんでした。 手放すものがあれば、身につけるものもあります。知識習得に向けた活動や部活動を手放し、地域とともに学校運営を行なっていくことが必要になってきます。今まで管理職や主幹教諭に任せていた地域との協働を全ての教職員が関わっていくことが求められます。学校運営協議会(コミ

          そんなんあり?

          世界を肌で感じる

          新型コロナウイルス感染症対策として、学校教育では、1人1台環境が整備されます。これは学校教育に革新をもたらす可能性があると思っています。 1人1台環境が整えば、個別最適化された学びが実現され、知識習得は個人で身につけるべきものとして、家庭で行うこととなり、学校は集団でこその学びである思考力・判断力・表現力を身につける場所となります。もちろん、個別最適化された学びには、全家庭にネット環境を整備することや、マイクロステップ・スタディのように環境だけでなく、内容を伴った真の個別最

          世界を肌で感じる

          好きが原動力

          誰かが言った。 誰がおっしゃったか覚えてないのですが、意欲は欲望から始まる。と聞いたことがあります。 アフターコロナを迎えた時には、世の価値観が大きく変わると言われています。 ステイホームということで、家に居てボーっと過ごす時間ができ、いろんなことを考えるようになりました。じっくり考える時ってなぜか生き方について考えてしまいます。さらに「これなら大丈夫」と言えるものや、確信・安定を求めることが難しくなった社会で、考えることと言えば、「どうやって生きていこうか」というちょ

          好きが原動力

          失敗を失敗で終わらせない

          私の妻は現役の中学校美術教師なんですが、私と違い指導力が非常に高い人です。彼女との圧倒的な指導力の差を実感したことが、私に実践者の教師ではなく、批判者としての指導主事へと方向転換させた理由の一つです。 彼女の素晴らしさは、生徒が失敗したと感じたり、ちょっとしたつまずきをとらえて「こうしてみたら?」の一言のもと、ちょっとした工夫で個性的で魅力的な作品に変身させられることです。そのちょっとした工夫のためにすさまじい量の準備がなされていることは、身近で生活している私が知っています

          失敗を失敗で終わらせない

          座右の銘

          座右の銘=常に自分を高めようと心がける人が、折に触れて思い出し、自分のはげまし・戒めとする言葉。 私は常に自分を高めようと心がけるほど高尚な人間ではありませんが、常に自分に言い聞かせている言葉はあります。それは、「正しい正しくないで人は動かない」ということです。 「正しいことはやらなければいけない」ここで済めばいいんですが、「正しければ何をしても許される」に至ってしまうのは怖いことです。ですが、後者の方が多い気がします。 ただ、その正しさって誰にとっての正しさなんでしょ

          コネクティング・ドッツ

          皆さんもよくご存知のアップル社のカリスマ。スティーブ・ジョブズ氏は2005年スタンフォード大学卒業式スピーチにおいて、「先を見通して点をつなぐことはできない。だから将来何らかの形で点がつながると信じることだ。何かを信じ続けることだ。直感、運命、人生、カルマ、その他何でも。この手法が私を裏切ったことは一度もなく、そして私の人生に大きな違いをもたらした。」と言っておられます。 この言葉を我が子たちに送りたい。 現在、いかに効率的に最短距離でゴールにたどりつけるかが重視されてい

          コネクティング・ドッツ

          謙虚でいること

          缶チューハイのTVCMで神木隆之介さんが演じる後輩が先輩である岡田准一さんに「文句言わなきゃ変わらないからこの世界」と言い切るシーンがありました。 自分の思いや考えを主張できる子どもを育てようとしている現在の教育が目指す若者の姿なんでしょうか? 確かに表現しないと伝わらない。もっと言えば思いがあっても伝えきれないことの方が多い世の中です。この度兵庫県が新設した芸術文化観光専門職大学の学長に就任予定の平田オリザ氏は「ていねいなのに伝わらない『話せばわかる』症候群」という著書

          謙虚でいること