謙虚でいること
缶チューハイのTVCMで神木隆之介さんが演じる後輩が先輩である岡田准一さんに「文句言わなきゃ変わらないからこの世界」と言い切るシーンがありました。
自分の思いや考えを主張できる子どもを育てようとしている現在の教育が目指す若者の姿なんでしょうか?
確かに表現しないと伝わらない。もっと言えば思いがあっても伝えきれないことの方が多い世の中です。この度兵庫県が新設した芸術文化観光専門職大学の学長に就任予定の平田オリザ氏は「ていねいなのに伝わらない『話せばわかる』症候群」という著書を出しておられるほど【伝える】ということは難しいものです。
しかし、大きな声で自分の思いを主張されると、その声が大きければ大きいほど白けてしまう私がいます。
「人に気づいてもらえるかどうか」ではななく、「わかりやすい言葉で伝える」ではなく、「私の行動に共感してくれたら嬉しい」という謙虚さを胸に直向きに努力する人の声に耳を傾けられる人で在りたいと思っています。
新明解国語辞典(三省堂)によると、謙虚さとは、「自分の能力や置かれている立場をありのままに受け入れ、相手の意見を認めてすなおに取り入れたり相手を抑えるような自己主張を控えたりする様子」なんだそうです。これは決して自分の思いを持たないとか、自分の意見を押し殺すということではないと思います。強い信念を持ちながら、少しでもよりよいものになるよう、行動し続けられること。これこそが「謙虚さ」だと考えるのは、私の拡大解釈が過ぎるでしょうか。
それこそ『変わらないために 変わり続ける』という「謙虚さ」を持った人に私はなりたい。
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