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春来たりなば、ピーク遠からじ(?)

所謂ロックダウンが実施された3月13日金曜日からこっち、この、晴れないベルギーが、何の嫌がらせか、ずーーーっと好天続きなのである。

この時期に10日以上連続で雨が降らないなんて、良い意味で異常気象だ。
こんな気持ちの良い週末に、出かけちゃいかんと言われて大人しく家に留まるワケないやんけ!知るかボケ!だった人らが多発したのが先週末だった。

日本の言い方だと「不要不急の外出は控えて」と上の方のヒトが仄めかしてくれれば、ああこれはつまり禁足令なのだと拝察され、よっぽどのことがなければそれは尊重されることになる、んではなかろうか?

所謂「欧米」の考え方では、そのあたりは「自分が必要だと思うから外出するんであって、自分以外の誰かに"それは不要やろ"とか言われる、つまり他人が要不要を決め、それを押し付けて来る、というのを、極端に嫌う(その結果の行動は、反骨精神の具現、みたいになる(^^;)」というのがあるのではないかな。

それでもベルギーは、西欧諸国の中では日本に近い忖度をかます国だと思うので、「所謂」つきのロックダウンであっても、取り締まりの警察との間に発生する小競り合いみたいなのは、周辺諸国(フランス、オランダ、ドイツあたり)に比べると格段の低発生率だと伝えられている。

気持ちの良い海岸線や、自然公園の小路などでジョギングしようと入ったらすぐさま、「コロナウィルス対策として、十分な距離を取るよう、当局が要請しています。従わない場合は、罰金あるいは拘束の対象になります」というアナウンスが、警察の操るドローンから聞こえてくるなんて、

へったくそなディストピア近未来SFみたいだが、現実の今週末の風景になっている。

むしろ(いつも通りの)篠突く雨やら時ならぬ雹やらで、家から出たくないー、ぐらいだったら、逆にちょっとは心安かった、のかなあ。

2020/03/28(土)13時のニュースから

感染が判明し入院している人の数:3717(前日比+575)
のべ感染者数:9134
そのうち、ICUに収容された人の数:789(前日比+81)
退院者数:205(昨日分)
死亡者数:353(前日比+64)
新規感染患者の地域別分布 
フランダース:823(%未詳)  
ワロン:875(%未詳) 
ブリュッセル首都地域:134(%未詳)  
起源不明:18(%未詳) 
合計:1850(直近24時間)  

昨日、地域別分布の発表がなかったのは、ワロン地域からの報告が上げられたなかったため。本日発表ではワロンの数値がフランダースを追い抜いているが、それは単にワロン地域での検査可能機関が増加してサンプル数が増えただけであり、ワロン地域で感染者状況が急激に悪化したわけではない、とのこと。

ベルギー国情あるあるその1、「ワロンがデータを出さない」(^^;

これを、フランダースの政治家とかちょっとでもパブリックな人らがが冗談めかしてディスり気味にでも言おうもんなら、
「あー、フランダースの分離主義者が!また!上から目線でそういうこと言うんだよな!えっらそうに!!」と、大糾弾大会からの炎上へと至るのが常である。

という背景があればこそ、昨日の公報は、淡々と粛々と地域別データを出さないまま頬かむりだったんだ。なるほどね。これまた忖度、(あと、経験的くわばらくわばら)とも言えような。

で、あるにせよないにせよ、本日発表の延べ感染者数の数値にはちょっとぎょっとした。
いくらワロンがさぼっていたとは言え(…)、延べ感染者数の発表数値が、6734から9134に急上昇してるんだもの?!

…これは、ベルギー国内の医療機関が、「ピーク後に免疫状態調査確認のために」検査設備を増強しているから、という説明がされている。そのニュースを流し見してしまって今見つけられないのだが、再発見したらここにリンクを貼る。

患者数も感染者数も、まだ上昇基調ではあるが、僅かに弱まる兆しが見えた。
再び、ぬか喜びは諌められつつも、「早ければ来週前半には、ピークについて何か話せると思う」という発言も出た。

明けぬ夜はない、と、奮い立たせる思いもする。

で、明日の日曜日午前2時が3時に移行する、サマータイムがやってくる。

えーと確か、昨年秋のサマータイム終了時に、EUとしてはサマータイム制度を廃止する方針なんで、もう一回サマータイムに戻すか、もう戻さないかを次回ぐらいまでに決めてね?

とか何とか、ユンカー委員長(当時)が各加盟国に対して言ってたんじゃなかったっけ?

悠長かつ平和だったのな、あの時はなあ。


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