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企みのぶつかり合い。 2022.10.29 湘南ベルマーレvsサガン鳥栖 マッチプレビュー

■メンバー情報

予想スタメンと開始時の立ち位置はこちら。

開始時の立ち位置
湘南は中盤で数的有利だが、DFラインとFWが同数のリスクがある

■鳥栖のボール保持

鳥栖のビルドアップ~チャンスメイク

 近年の鳥栖はボール保持の時間を多くとり、相手を動かしてゴールに迫る戦いを取る。そのため試合の大部分は鳥栖がボールを持ち、湘南がそれを奪おうとする展開になると予想する。
 鳥栖のシステム表記は3-4-2-1、あるいは3-1-4-2であるがあくまで便宜上の表記であり、ピッチ上では異なる形を取る。3バックの場合は左CBが保持の中心になる。このポジションに入る選手が大外に開いたり、ハーフレーンに立ってボールを受けたりしてビルドアップを開始。3バックの右CBはやや開き気味、中盤の一枚がDFラインに降りて擬似4バック化、パスコースの確保とリスク管理を行う。降りた中盤の選手はボールの位置が上がれば元のポジションに戻って攻撃に参加しており、周囲の状況に応じてプレーしている。
 自分たちがボールを保持した段階で左WBは最前線まで上がり、対面のDFを最終ラインに釘付けにする。DFラインを簡単に上げさせるのを阻害し、相手の陣形を間伸びさせるのが目的である。この動きで左CBの周りにスペースが生まれるので、連動したシャドーがパスコースを作って左ハーフレーンからの侵入を狙っていく。
 ペナルティエリア近辺まで前進出来たら最後は左サイドからクロス、あるいはカットインからのシュートでゴールに迫る。この局面での鳥栖の両WBが取る動きは湘南のWBと異なり、どちらかというとサイドに張ったストライカーのように振る舞う。これまでのキャリアでサイドではなくFWとしての起用にこだわっていた岩崎がWB起用を受け入れたのは、こうした役割の説明があったからかもしれない。

■湘南のプレス・守備

湘南の守備

 対する湘南の守備について。ポイントになるのは左CBに対してのアプローチである。ここを自由にするとシャドー経由で鳥栖のやりたいようにやらせてしまうため、出来る限り選択肢と時間を与えない守備が必要だ。マークの担当はおそらく右IHになるはずで、池田あるいはタリクの素早い守備に期待したい。降りて受けようとするシャドーには右CBに入るであろう舘または岡本が飛び出て迎撃、並行で受けようとするボランチには左IHがチェック。いずれも左サイドでの進行を許さず、右サイドにボールを誘導できれば上出来である。というのも鳥栖は左に比べて右サイドからのアタックが単調になりがちな傾向があり、京都戦でも手詰まりになっているシーンが散見された。来シーズンに向けてチーム戦術の熟成を図っている期間と思われるため、取り急ぎの修正よりも課題を試合中に解決できるかというチャレンジする姿勢をとってくる可能性が高い。どうしても勝利が欲しい湘南としては、そういった隙をしっかりと突いていきたいところだ。
 仮に左サイドからの侵攻を許したとしても、奪った後に高い位置まで上がった左CBの裏を使えれば一気にカウンターのチャンスになる。特にジエゴに関してはボール扱いやフィジカル・アジリティの能力は高いものの、ネガティブトランジションで持ち場に帰る意識が些か低いように見られ、味方のカバーが間に合わないシーンがある。プレスをはめてショートカウンターを発動、決定機を多く作り出したい。

■湘南のキープレイヤー

右IHで出場する選手(池田・タリク・瀬川)
攻撃の起点となる相手左CBに対し、いかに早く、強度高くアプローチ出来るかが試合の鍵になる。交代要員も含め、90分通して集中した守備が最優先タスクだ。

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