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中国の新年の過ごし方について。これであなたも中国年越しのエキスパートです

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

中国は今年の元旦は1日しか休みがありませんでした。先週は水曜日以外普通に出勤していたので、日付が変わったこと以外あまり新年の気分を感じませんね。

例年だと、土日が近くにあれば2連休や3連休の休みとなりますが、元旦としては休み一日だけです。そして元旦は普通の休日とそんなに変わらない感じです。中国の新年の本番は今も旧暦を基準にした(旧正月)で、旧暦の大晦日は家族と一緒に過ごすことが定番。なので元旦は外に遊び(カウントダウンイベント)に行く若者が増えてるそうです。

新年のnoteでは中国の新年の話(旧暦)をしたいと思います。もちろん以前話したように、あまりにも国が広すぎで民族も56個ありますのでまとめるのはほぼ無理です。なので「だいたいはこんな感じ」とのことで読んでください。

今年2020年の旧暦新年は1月25日で、法的には24日の大晦日から30日の正月6日目まで新年休みとなります。7連休なので、出稼ぎに行った人や大都市で働く地方出身の人達はこの連休で帰省する人が多いです。この前後は中国の人口が最も移動する時期になり「春運」と呼ばれます。

「春運」の具体的な期間は毎年、旧暦春節の時期に合わせて変わりますので、政府が事前に発表します。今年は1月10日から2月18日までの40日間で、現時点で予想される乗客の運送量は30億人。道路運送24.3億人、新幹線も含める鉄道4.4億人、飛行機7900万人、船4500万人となります。そして鉄道のチケットは30日前からネット予約できますので、同僚は既にチケットの争奪戦に参戦中です。

激しい帰省ラッシュでの長距離移動は非効率と思いますが、特に地方出身の人ほど一年間にこの期間しか帰省できない人も多いので、正月休みを非常に大切にします。そして中国人の感覚では「过完十五才算过完年」(正月15日の元宵節が終わったらやっと正月祝いが終わる)感じです。

たくさんの人たちがそこまで休みたいところですが、会社勤めの人で7日間しか休みがもらえない場合は早めに仕事に戻るしかありません。また、生活が豊かになってから正月休みで海外旅行に行く人も増えてます。一方で国内旅行はゴールデンウィークほど多くない(もちろんそれでも多いですが)理由は、正月休む店が多いから。

逆に、仕事の内容によっては正月休みでも働かないといけない場合、例えば警察や病院、あとはこの時期スペシャルイベントをたくさん出さなければいけないtiktokの会社で頑張ってる僕の友達も、結構なボーナスがもらえると言います。法的決まりでは、正月(旧暦)の1日、2日、3日に出社する場合、給料の3倍を支給しなければならないです。残業がある場合、残業代も3倍支給、それ以外は2倍となります。このあたりは日本も一緒ですかね。

ここからは中国の古くからの習慣について紹介します。まず旧暦の12月23日か24日(つまり正月の一週間前なので今年だと1月18日)に大掃除をします。それから「年货」という正月のための品物を買い貯めします。昔の物流とかそんなに便利ではない時代からの習慣ですが、最近はスーパーなどは年末年始も普通に営業しますので適当に買う人も多いとか。

そして大晦日には「贴年红」という正月を迎えるための飾りをします。

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↑中国のお家に行くとこういうのが玄関とかに貼ってあるの見ますよね?

正月用なんですが基本的には貼ったら一年間そのままです。次の大晦日に新しいものを貼り換えます(貼りすぎていつのかわからんお宅も多々ある気が)。これらは市場で普通に売っていて、お気に入りの縁起のいい言葉を選ぶことができます。中にはサービスでプレゼントしてくれる店やメーカもありますし、書道の達人が多い国なので自分で書く場合もよくあります。

大晦日は日本と同じように家族全員そろって、中央テレビのカウントダウン番組「春节联欢晚会」(紅白のような番組)を見ながら家族団らんで過ごすのが一般的。今年もYouTubeでLive中継すると思うので興味があったらぜひ見てください。

料理については、みなさんこだわりが多いと思います。北の方の必食定番は水餃子。南の方は「汤圆」という餅米の粉で作るあんこか黒ゴマなどが入ってる茹で団子を食べます。他には、丸ごと一匹の魚、あるいは魚の形の餅が必要です。「年年有余(鱼)」という言葉があって「毎年余りがありますように」という意味。この「余」(yu)と同じ発音の「魚」が縁起良いとされます。

また「守岁」という文化もあります。直訳すると「年を守る」ということで、大晦日は年越しまで寝ない、そして新年を迎え寝るときも家の中に少なくとも一つは電気をつけておく、あるいは光る灯籠を飾ります。

あと中国の正月と聞いて日本のみなさんがイメージするのは爆竹ですよね。正月に爆竹をする文化は確かにありますが、最近は防災のため禁止されてるところも多いです。

正月2日目からは親戚や友達の家などあっちこっち行ってあいさつして、お年玉を配ったりもらったりします。

5日目は「财神爷」(財の神、恵比寿様ですね)を迎える日。昔は財神に線香をあげたり、お寺に行ったりしてたのですが、今はもうこんな感じです↓

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↑完全にスマホ向けですね。

モバイル決済が進み過ぎ、お年玉(红包と呼ばれる)もWechatPayであげるようになりました。お年玉と一緒に新年のメッセージも送れて便利なんですよ。これがあるからお年寄りでもWechatPayを使いこなせてる説があります、恐るべし。

新年7日目は、伝説上女媧が人間を作った日で、人間の誕生日と言われます。なのでこの日は麺類を食べる習慣があります。(中国では誕生日に面を食べる習慣があります。ほとんどのローカルのレストランでは、今日誕生日ですと伝えれば、サービスで長寿面が食べれますよ。)

そんなこんなで7日が過ぎ、法的休みが終わりになので多くの人が仕事に戻ります。南では仕事に戻る初日に「利是」を配る習慣があります。お年玉みたいなもので金額がとても少ないですが、全員がもらえる縁起ものです。「よし、これで新年からも頑張ろう!」的な感覚です。

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↑IT大手のテンセントでは、CEOが自ら配ります。すごい行列だそうです。

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↑XiaomiもCEOの「雷軍」本人が配ります。

いかがですか。中国のお正月の過ごし方は日本とけっこう違うところや似ているところがありますよね。いろんな国の年越しの文化を知るって教養として面白いです。

今年もちょっとマニアな中国情報を発信していきたいと思います、ぜひフォローしてご期待ください。

(参考資料)

https://baike.baidu.com/item/2020%E5%B9%B4%E6%98%A5%E8%BF%90

https://baike.baidu.com/item/%E6%98%A5%E8%8A%82%E4%B9%A0%E4%BF%97


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