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2021年版の中国ネット利用に関するデータが発表された。デジタル人民元の普及は?

8月27日、中国インターネット情報センター(CNNIC)が第48回「中国インターネット発展状況統計報告」を発表しました。中国のネット関連産業についてみんなが把握しておくデータです。ということで、公開されたデータの中でいくつかピックアップして紹介しておこうと思います。

■ユーザー規模と気になった特徴

2021年6月末までに、中国のネットユーザー数は10.11億人に成長し、インターネットの普及率は71.6%でした。中でもモバイルインターネットユーザーは10.07億人で全体の99.6%を占めます。

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ネットユーザーの年齢層別のデータはこちら。30代のネット民が最も多いのですが、特筆すべきは50歳以上のネット民の急成長です。

また、6〜19歳のネットユーザーの規模が1.58億人で全体の15.7%を占めます。この一週間に話題になった未成年のオンラインゲーム溺れ防止対策については、18歳までのネットユーザー規模で確実に1億人を超えてくるでしょう。

新政策の産業への影響について、王者栄耀(海外ではArena of Valor)やPUBGといった、すでにDAUが安定しているゲームにとってはそれほど影響が大きくないと思われてます。むしろ課金額が3%未満の人が消えて、15%のサーバー負担と99%のマイナス報道が消えるなんて好都合との意見もあります笑

ただ、課金モデルがメインのビジネスモデルではないゲームや、まだまだ成長期でDAUで広告収入や投資者の注目を集めなければならない企業にとってはダメージがとても大きいと予想されてます。

新政策までの既存の溺れ防止ルールでは「一つのゲームで決められた時間のプレイしかできない」というものだったので、あるゲームが時間制限をむかえたら別のゲームに引き替えればまだ遊べます。そうすると、ランキング上位ではないゲームにも新たなチャンスがありました。しかし新ルールではトータルプレイ時間が厳しく制限されることになるので、トップで人気なゲームの間でユーザーを奪い合う状態になる。新タイトルやこれから伸びる予定のゲームの方の生存条件がますます悪くなることは懸念されています。

ちょっと話がそれました。インターネットのサービス分類別に見ると、ショートビデオユーザー数が8.88億人、ライブ中継ユーザー数が6.38億人で、新たな娯楽方式として全国民に普及し続けています。

その他では、ECユーザー数が8.12億人、デリバリーユーザー数が4.69億人、オンライン教育ユーザー数が3.25億人、オンライン医療ユーザー数が2.39億人。これらのサービスはすでに国民のライフスタイルに深い影響を与えています。

一方で政府による規制も活発化していて、2021年上半期は、データの安全やプラットフォーム経済の独占禁止などに関する法律と管理策が次々とリリースされています。

■インフラとしての5G建設

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↑5Gサービスの接続契約人数(億)
2021年6月まで、中国三大通信事業者の5G端末のサービス契約人数が合計3.65億に達し、上半期の5G携帯の出荷台数が1.28億台に達しました。

ところで日本って5Gは活躍してますか?

■業界別の発展状況に差がこんなに

リモートワーク関連市場が順調に伸びている
中国では現在コロナによる出勤の影響はそれほどありませんが、ライフスタイルは変化してはいます。今でも一定数の会議がオンラインで行われており、その影響もあって関連のオンラインサービスが好調です。

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↑2021年6月まで、中国のビジネスサポートサービス(office365のようなサービスたち、もっと便利で性能良いですが)のユーザー数が3.81億人に達し、これはネットユーザー全体の37.7%を占めます。

・オンライン決済が新たな金額へ。デジタル人民元も普及してきていてオンライン決済サービスへの管理が強化

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↑ 2021年6月まで、中国オンライン決済サービスのユーザー数が8.72億人に達し、ネットユーザー全体の86.3%を占めます。また、決済総額も553.5万億元で歴史的な記録となります。

デジタル人民元は7月にパイロット版の利用者が1000万人を突破したことが発表されています。デパートや映画館など対応できるところも合計132万を超えている。この規模に合わせて政府の個人情報保護やオンライン借金サービスへの管理が強化されています。

デジタル人民元の現在と近未来予想については別途noteで紹介しようと思いますのでぜひフォローしてお待ち下さい。

・ECサービスの利用者の地域差別が少なくなっている

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↑ 2021年6月まで、中国ECサービスのユーザー数が8.12億人に達し、ネットユーザー全体の80.3%を占めます。そのうち、オンライン中継を経由して消費するユーザーの規模は3.84億に達します。

・オンラインゲームユーザー数が減少に

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↑2021年6月まで、中国オンラインゲームのユーザー数が5.09億人に達し、2020年12月に比べ手869万の減少となり、ネットユーザー全体の50.4%を占めます。

皆さんは気になった点はありましたか?オンライン決済やデジタル人民元などは日本でも中国の状況がよく報道されているように思いますが、いつの間にかだいぶ普及しつつありますね。日本との違いを比較してみても面白いかと思いました。

(参考資料)



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