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端午の節句の過ごし方と粽子の食べ方でもこんなに地域差がある中国文化の面白さ

今週の金曜日は旧暦の5月5日で端午の節句となり、週末と合わせて三連休でした。というわけで、今日のグルメは店情報ではなく最近の端午の節句の食事トレンドを紹介したいと思います。

まずは中国の端午についての雑談情報を少し。

端午の節句は数千年前の天象崇拝から発祥され、星の位置から見て龍が空に飛んでいる縁起のいい日だという説があります。また、戦国時代の有名な詩人である屈原がこの日に川に飛び降りて自殺したから彼を記念するためにある日でもあります。それから長年の歴史を経て、今の中国では春節、清明、中秋と並び、中国の4大伝統的祝祭日となります。

昔から中国の文化に深く影響された日本や韓国も昔からの文化を引き継いて、それぞれ独特な発展をしてきました。日本はご存知の通り、公歴の5月5日となり、こどもの日としてちまきやかしわもちを食べながら祝うところもあります。一方韓国で、この文化に基づいて発展した「江陵端午祭」は2005年に世界遺産にも選ばれたのですが、当時から中国ネット民の間では大炎上しています。

食べ物の話に戻ります。中国では端午の日には、「粽子」という日本のちまきとちょっと似てるものを食べます。

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とにかく広い国なので、入れるものと味付けは地域によってだいぶ違います。北の方は棗などを入れる甘口、南の方は緑豆や角煮、卵黄の塩つけなどを入れる塩口の大きく2種類があります。そしてこの甘塩の争いも、「豆花の甘塩争い」と同じくネットで永遠の話題になってます(豆花の南北特徴はちまきと真逆だが)。

個人的な感覚では、北の方では、端午にはちまきを食べますが、それ以外ではほとんど食べないのに対し、南の方では日常的にコンビニの肉まんとかと一緒に販売していてよく食べているイメージがあります。

ちょうど先日EC大手のJDが今年のちまきの販売データを公開し、甘塩争いの結果もよくわかりました。JDのデータによると、今年のJDでのちまき販売数は塩口が甘口の4倍でした。

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↑塩口のちまきの売れ行きは良いが、新しい具材が入ってるちまきに関するリサーチでは甘口の勝利とも言えます。1位のあわび角煮ちまきは塩口でしたが、2位から5位までの黒胡麻くるみちまき、 燕窩ちまき、棗のこし餡と栗のちまき、もちあわとあずきあんのちまきは全部甘口で、甘口の新商品への関心度が高かったです。

また、前文に紹介した南北それぞれに入れる伝統的な食材以外、最近「これ危なくない?」と思われるほど奇抜な具材も、ネットでちょっと話題になってます。

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↑例えばこのザリガニちまき。ザリガニも時期は時期だけど、正直どんなのかちょっと想像つかないですね

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↑もっとありえないだろうと思っちゃうのは、この「螺蛳粉」入りのちまきです。

また、笹に包まれたり蒸したり煮たりするのは一般的ですが、重慶のみんなが新たな破天荒な食べ方を発明しました。

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↑なんと火鍋に入れちゃいました。確かにもちや揚げパンとか主食系のものを入れたりはしますが、さすがにちまきまでは予想外でした。

また、家で料理しない人たち向けにより便利な食べ方が登場しました。

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↑水入れて15分間待てば蒸し立てのおいしいちまきが完成です。以前に便利な1人鍋を紹介したことがありますが、発想は似ていますね。

ちまきもいいですが、北京は来週から店内での飲食が可能になるのでボクも含めてSNSでもみんながワクワクしています。行きたい店が貯まってますからどこから先に行くか迷っちゃいます。

(参考資料)




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