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中国での顔認識システム利用の弊害が身近にも出ていて、人ごとではない件

日本のみなさんのあいだでは「監視社会中国」という恐ろしいイメージがありますでしょうか?これに関連して、最近気になるニュースがありました。

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南京の不動産販売現場での顔認証システム使用が禁止されるかも

とのことです。これの何が気になるかを順を追って説明していきますね。

ご存知の通り、中国の顔認証システムは技術面も、導入面も世界をリードしています。技術の進化およびベンチャー企業の成長に伴い、顔認証システムが利用される場合がどんどん増えてます。

ただ依然として議論の対象です。先日も、デパートがより良いサービスを提供するためにと顔認証システムを導入したことが個人情報とプライバシーの侵害に当たるではないかの議論が話題になりました。

生体認証の一つである顔認証はセンシティブなもので、最近流行りのディープフェイク技術が悪用されるのではないかといった懸念もあります。

そしてもっとありえない書き込みがあったのです。それは「顔認識のシステムによって、不動産購入時に値段をあげられた」というもの。具体的には

新居を購入する場合は何回も見に行く(場合よって他にどこが回ったかのデータも共有可能だそうです)、それがシステムに組み込まれ、顔認証技術も活用され、行動や人によっては「この人は絶対買うでしょう」と判定され、より良い割引がもらえず100万円くらい高く買わされた

ビッグデータによる「杀熟」(常連からふんだくること)は以前にも航空券やホテルアプリではよく行われていて、ひどく批判されていました。

「大数据杀熟」(ビックデータを活用した常連からのボッタクリ)は2018年の10大流行語(社会生活部門)に選ばれています。

流行語になるほどに社会問題となったことで、中国の文化・観光省は2020年10月にオンライン旅行業界における「大数据杀熟」を全面的に取り締まる規定を発表しました(「プラットフォーム経済の独占禁止」に関連する政策にもこの内容が入っている)。

しかし今回の不動産販売現場でおきた問題は、文化・観光省の規定にも、プラットフォーム経済の独占禁止にも、適用範囲外のことになります。スキを突くまさに中国といった出来事。

記者の取材に対し、不動産企業は「この客がどの販売ルートから来たかについてを判断したいからシステムを導入した」「初めて来たお客にはより詳しい説明も行えるし、サービスの向上にも繋がる」とコメント。

確かにメリットもありそうで、自ら販売現場に来た客には、仲介業者へのコミッションも支払わなくて済む。例えば「初回はa業者、成約はb業者」の場合はコミッションの支払いに関するトラブルもよりスムーズに解決できそうです。

なので、むしろ仲介業者側からは「仲介業者なしでとりあえず販売現場に行ってみようという考え(行動)をやめましょう。顔システムで認識された以上、仲介業者ルートの割引が効かなくなる」と、本当なのか、お客さんが欲しくて作った嘘かはあまりにも判断しづらいコメントが出ています。

どちらにせよ、割を食うのは常連でシステムによって不当に価格を損してしまったお客さんですよね。今回の一連の出来事によって、今じゃこんな新居見学スタイルが現れました笑

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めっちゃ不審者ですね。現場がこんな人でいっぱいだったら気持ち悪いかも。。

(参考資料)


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