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不正会計で有名Luckin Coffeeの創業者がいつの間にかラーメン事業を開始。Smart麺時代が到来か?

週末ではありませんがグルメに関する話題。Luckin coffeeの創業者が新たに始めた麺事業とラーメン業界についてです。

中国に詳しいみなさんご存知のLuckin Coffee。数年前から急成長していて「中国のスタバ」を目指していたO2Oカフェ、会社設立からアメリカでのIPO上場まで世界最速で進んでいたのに、売上の半分以上にあたる"22億元"が捏造であることがバレて転落しました。顛末は以前noteに書いていますのでもう一度見返したい方はこちらを↓

(ちなみにこの件があってLuckinはもうオワコンでしょうと思われてる方いませんか?実は全然衰えることなく事業を伸ばしています、この話はまた今度!)

このLuckin Coffeeの創業者である陆正耀(Lu Zhengyao)氏は、21億ドル以上の負債を抱え行動を制限されていました。しかし素晴らしい起業家スピリッツを持っていて、1年以上の冬眠期間を経て北京に戻ってきて事業を開始しています。そして、彼が新たに始めた事業は意外にも「ラーメン」です。

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つい先日(2021年の8月)に北京と重慶に2つのお店「趣小面」がオープンされました。一見ただのラーメン店です。重慶での朝食で人気の重慶スタイルのラーメン店で、味も価格もなかなかの高評価です。しかし、、ただのラーメン屋なのです。

思えばLuckin Coffeeは中国のコーヒーチェーンに革命をもたらす意気込みでスタートし、(賛否はたくさんありますが)新たなコーヒー体験を作り出しました。中国のテクノロジー、キャッシュレス、デリバリー、クーポンを活用して安価でコーヒーを提供。さらに店舗の人件費を抑えた効率的な経営を目指しました。

一方で今のところこの2店は「いたって普通のラーメン店、Luckin Coffeeのような社会を変える事業とは程遠い」との評価をうけていますがはたして。これに対してラーメン業界を分析している投稿を見つけて、実はこの新事業にも未知の可能性を感じたので紹介しましょう。

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(↑ちなみに、お店の場所を調べたら意外とボクがアクセスしやすい所にあります、これは行かなきゃ。開店したばかりでdianpingでの情報がまだまだ不十分です。営業時間と電話番号さえまだ登録されてないですね。評価点も19個しかなくてまだ一般的な評価値になってないです。食べに行ったらまたレポしますね。)

■中国のラーメン事情の変化

日本でもみなさんラーメン屋に行き、カップラーメンも国民食ですよね。これは中国でも同様で、たくさんの種類のラーメン店があり、カップ麺も日常的に食べられています。ただ中国ではここ数年で異変が起きています。

報道によると、2016年の即席めんは1年間で385.2億個しか売れず、過去5年間で最も低い売上でした。味やパッケージの工夫が足りてない、マーケティングの工夫も努力も足りていない、と業界は厳しい批判を受けます。

そのため商品やパッケージのアップデート、価格帯に合わせた商品設計、さらに2018年頃からは抖音、BiliBili、小红书といった動画やSNSサイトでの若者向けへの訴求競争が加熱しました。そしてこの動画やSNSから流入させる販売ルートはもちろんネットEC。

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↑CBXDATAの分析。緑が2020年(茶色が2019年)左から以前からの商品、新しい商品、輸入商品,,,。ECでの販売には新しいブランドがどんどん参入していること、昔からのブランドもECでの売上をどんどん伸ばしていることがわかります。

そしてインスタント麺の王者「康师傅」は2020年の売上高が676億1,800万人民元で、前年比9.10%の増加となりました。 このパフォーマンスの向上の大部分は、高額な袋麺が牽引しています。 2020年の高価格帯の袋入り即席麺の売上高は130億6600万元で前年比28.12%増。中価格帯の袋入り即席麺よりもはるかに高い成長率を示しました。王者も方針転換するほど中国のラーメン市場は実は変化が激しくみんな進化しているのです。

こうしたHotな業界にLuckin Coffeeで革命を起こそうとした(ある意味生活スタイルを変えた、クーポンでタダコーヒーいっぱいくれた)陆正耀が入ってきたことには期待してしまいます。リアル店舗から通販に適したラーメンを開発してるとの話もあります。今後どんな活躍を見せるのか注目です。

そして最後に世界のインスタント麺業界について。そもそも世界ではインスタント麺の需要はどんどん高まっています。2020年の世界のインスタント麺の消費量は前年比9.53%増の1,165億6,000万食、今後も自粛生活でさらに伸びるでしょう。ちなみに世界最大のインスタント麺消費市場の中国は世界の消費量の40%を占め、他国を大きく上回る圧倒的市場ではあるのです。

以前中国の友達のリクエストで一緒に横浜のインスタント麺ミュージアムに行ったことがあります。そこには「康师傅」の看板商品の「牛肉麺」が世界のインスタント麺として展示されてました。それ以外はほとんどで日本で見かけた記憶がないです。

逆に、今北京ではカップヌードルや出前一丁、セブンの企画商品の一風堂ぐらいしか買えないです。日本の関係者のみなさんにも、中国や他の海外諸国でもっと大きなチャンスが有るのではないかと思いますがいかがですか?

(参考資料)


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