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Shut Up & Sit Downが語るBoardGameGeekランキング:20位から11位まで(SU&SD TAKE ON THE BOARD GAME GEEK TOP 100: 20-11)

前回の記事は以下のとおり。

このシリーズも残すところあと2つになった。やっと、Top20にたどり着いたところだ。引き続き、BGGの本当に上位にある(あった)ゲームに関する、とあるボードゲーマーのぼやきにお付き合い願いたい。

元記事は以下のリンク先を参照されたい。

Quinns:Matt、この特集を頓挫させなければならない! Reddit(※海外の匿名掲示板)での非難が危機的レベルに達しつつある。

Matt:それはRedditのアラームじゃなくて、私のエッグタイマーのアラームだ。俺らの精神力を維持するためにみんなにお昼の卵焼きを作ってるんじゃないか。

Quinns:おぉ! キスしてもいいぞ。

Matt:俺にキスなんかしてくんな、この素晴らしいゲームにでもキスしてくれ。

20位:「エクリプス」☆

レビューはここだ。

Paul:そんなわけで、このゲームに来たって? 「エクリプス」は「トワイライト・インペリウム」よりも上位にいる? その理由はわかると思う。「トワイライト・インペリウム」はでかい、厚かましい、ずうずうしい、自慢好きであるが、「エクリプス」はもっと複雑で切れ味があって入り組んだものとなっている。「トワイライト・インペリウム」は、戦闘でお互いに大量のダイスを投げつける艦隊で一杯だけれど、「エクリプス」は、リソースや科学収入を表したり、自分の入植者を追跡したりするための多くの木駒トークンであふれている……。このゲームは、魅力的で自信に満ちた体験というわけではないが、熱心で勤勉なボードゲーマーが価値を見出すものをより提供してくれる。「スター・ウォーズ」対「スタートレック」のようで、"両方とも最高だよ"という正しい答えが常にわかっている永遠の問いに対する終わりなき戦争だ。

Quinns:全くの同感だ。「エクリプス」は史上20番目に最高のゲームとして完璧に位置付けられており、このゲームが、光り輝くSFの玉座にいる銀河系の女王のように、気高くこの席に鎮座しているのを思い浮かべる。けど、「エクリプス」について雄弁語れるのは、レビューして以降、このゲームをプレイしたことがないことだと思う。そして、これで特に問題はないよね。いつか、この女王様のもとに帰還して、ひざまずき、見てきたものを全て話そうと思う(そして、彼女は、半分の興味しかないが、喜びに顔を輝かせて笑うだろう。)。劣ったゲームこそ、忘れてしまわないように、きちんとプレイするようにしなければならない。こんなに良いゲームが? このゲームは、生命保険契約者という地位で、みんなを待っている。

何と言ってたか。

Quinns:「エクリプス」の石質のアートワークと計算されたデザインの全ては、今まで出会ったどの4xゲームよりも饒舌だ。今、壮大なゲームの話をしているわけだ。デザイナーからの完璧な贈り物のように感じられるゲームである。単なるゲームではなくて、窮地から逃れる方法を議論したり、大艦隊全てを管理したり、棍棒のように経済を巧みに扱ったりするのを強制されるところであり、君や君の友達が徹底的に試されるアリーナである。

19位:「電力会社」☆

新電力会社 デラックス」についてのレビューはここここだ。

Paul:「電力会社」は、年月が経った後もなお好きなゲームの1つだけど、そうであっても、このゲームに対する愛は薄れたよ。このゲームは、絶え間なく変化する価値や小切手を払い出すまさに適切な瞬間を選択することのバランス調整をほとんどテーマとしている。そして、このゲームは、賢い人たちのための賢いゲームのままである一方で、もはや私の心を捉えることはほとんどない。それでも、次から次へとマップを作成することで、このゲームに活気と多様性を与えたのはFriedemann Frieseの偉いところだ。

Pip:今までプレイしてきたゲームの中で、これは私が初めて触れたユーロスタイルのボードゲームだ。アプリコットを食べて発電委員会の官僚のふりをすることが、普通にプレイするよりも興ざめにならないなんて思いもよらなかった! 誰かが変な考えに至る前に言っておきたいのは、私が自分でアプリコットを持参したんだ。プレイヤーはアプリコットから電力を生産することはできない。レモンとは全く異なるね。もし、人生でレモンがもたらされたら、ちゃんと作動する電子時計を作れるね(※When life gives you lemons, make lemonadeをもじっている。)。

Quinns:「電力会社」のプレイが終わりになると、私の頭が電気回路に接続されたレモンのようになる。私の「新電力会社 デラックス」のレビューでは、私のリビングにある誉ある100ゲームのコレクションの中に入れると言ったが、その後に、このゲームを捨てて他のもののためのスペースを作ってしまった。

「電力会社」は、最小限のルール量で非常に多くの戦略をもたらす優秀なデザインであるといまだに思う。でも、プレイできる他のゲームと比べると、あんまり楽しいとは思わないと認めざる得ないね。私のグループで数学的で残酷なものを欲しがるという珍しい晩には、「フードチェーンマグネイト」か「Chinatown」に直行しているしね。くそか、「Chinatown」が100位にないだって? ないわー

何と言ってたか。

Quinns:「電力会社」を機能させる数字的な部分が大好きというわけではない。多くの経済ゲームには、あたかも修道女のように容姿を隠す礼節が備わっていて、直感、不足又は非常に低い整数値という馴染みのあるコンセプトをプレイヤーに信用させる。「電力会社」は、プレイヤーにかなりの計算を行わせるので、楽しい金曜の夜というみんなが思い描いてるようにはならないだろうさ。

それに、「電力会社」は、効率性、明晰性、信頼性を他の何よりも賞賛するという点で、ほぼほぼ間違いなくドイツ的である。それに、こうしたシステムを素早く理解できなかったために、結局、衝突してしまった小さめのサイとなってしまったプレイヤーは、小さいままとなって、おそらく最下位となる。そして、みんなにそれを知らせなくても問題はないんだ。けど、「電力会社」は、(ドイツ語のアクセントで)"や、君は最下位だね。このゲームは、君が効率的でない形でプレイしたことを認識したから、最下位なんだ! ちょーイカしてるやろ?"って感じだ。

18位:「Star Wars: Imperial Assault」☆

レビューはここで、ルール説明はここだ。

Paul:ブラストドア(※防爆扉)を開けろ! ブラストドアを開けろ!

Matt:このゲームがまじで大好きだ。私のキャンペーンでプレイしたみんなが、いまだに別のキャンペーンを始める見込みがあるのかを突っついてくることが物語っているね。「スター・ウォーズ」テーマは明らかに成功する。けど、それでも、このゲームのコアデザインは興奮させてくれる冒険のための素晴らしいエンジンとなっていると思うね。とはいえ、このゲームのフォーマットはいまだ完全ではない。手動で思うがままに難易度を調整するには、ゲームマスターの巧みな手腕が必要となるし、アプリの支援で間に合わせて、プレイヤーがどう行動したらよいかよりよく理解し、それに応じて残りのキャンペーンを再編成することができるだろう。

思い返せば、これが数少ない例の1つだと思う。ゲームに2つのマニュアルを封入するというFantasy Flight Gamesの現代的な手法が、複雑さが過剰となった範囲の際に至ってしまった数少ない例の1つだと思う。キャンペーン開始時のルールの明確化は、私の意地汚い親友がいなければ、本当にテンポを遅くしてしまう。それに、含まれているルール全てはわかるんだが、うん、本当にルール量が多すぎるんだ。「パンデミック:レガシー シーズン1」にもみられた問題がこのゲームにもある。すなわち、月1回の集まりにしか出られないとすると、少なくとも1人のプレイヤーがゲームのルールを忘れてしまうという事態がどれほど頻発するかに驚いてしまう。特に、新しい能力、メカニクス、ルールの複雑さが増すにつれて、そうなってくる。誤解しないでほしいんだけれども、それでもなお、このゲームはイカしてるんだ。それにだ、この箱には、2人プレイヤーが面と向かって対戦するための特殊ルールとカードも同梱されている?! この点については私のレビュー動画で感謝の念を十分に述べていなかった。まじで最高だ。そんな追加の価値をこんな大きいターボサイズの箱に押し込もうとするのを常に見たいと思うよ。

Paul:ブラストドアを閉めろ! ブラストドアを閉めろ!

何と言ってたか。

Matt:"素敵なダイスに、素晴らしいミニチュア、それにウーキー、光線銃、AT-ST ウォーカーもいる。けど、実際のところ、このゲームは戦闘をテーマにしたゲームではない。大抵の場合は、反乱軍が素早く出入りをする必要がありつつ、帝国軍がそのスピードを遅くすることに全力を尽くすこととなる。みんなは直ちに合点がいかゆくて、そのことをプレイヤーに叩き込むことが重要となる。さもなければ、反乱軍はただただ負けて負けて負けるだけだ。

サイドミッションは多分最もイカした要素で、キャンペーンに現実的なフレーバーを加え、両者にとって重要となる瞬間を生み出してくれる。けど、善良な人間に対して物事がうまく進まないという時にはかなりの打撃となる。ライトセーバーを手に入れられなかった。ハン・ソロは上手く切り抜けられなかった。帝国軍は、反乱軍の美味しいビスケットの隠し場所を破壊した。問題ないね、うまい作り話をでっち上げといたよ。"

17位:「ブラッドレイジ

レビューはここだ。

Chris:……。

Quinns:は、Chrisって誰やねん?

Chris:俺は、Shut Up & Sit Downのマネージャーだろ? クローゼットに閉じ込められてたんだ。「ブラッドレイジ」はお気に入りのゲームだ。

Quinns:だから、君をクローゼットに閉じ込めている理由があるんだ。

Chris:最後まで聞いてくれってば! 君らが……うーん、そこまで好きじゃなかったってのは知ってるよ。プラスチックがふんだんに使われてるし、値段もそこそこするわけだ。「イニシュ」が構築、コントロール、戦闘について同じカードドラフトを用いており、ボルトをきつく締め上げているんだけれど、「ブラッドレイジ」は、悪びれもせずにボルトを飛ばしてくる。

毎回のゲームで、戦闘するのに必要となる同じカードを用いて新しい能力やモンスターを取り入れることを熟考しなければならない。こうした戦闘は、豪華で様々なミニチュアを用いた血だらけのものとなるが、戦闘には運要素は一切ない。ただ、準備したことが結実したか、そうでなければ、逃した機会による損失だけがある。

私は、インタラクションの強いゲームが大好きで、このゲームは、私が他のゲームで最も好きな要素を見事に取り扱っていると感じた(私のお気に入りの要素:エリアコントロール(「Wallenstein」、「トワイライト・ストラグル」、「Quantum」、「Cyclades」)、外交(「Rex: Final Days of an Empire」、「エルグランデ」、「A Game of Thrones: The Board Game」)、カードドラフト(「世界の七不思議」、「十二季節の魔法使い」、「スシゴー」)、カードによる戦闘(「ケメト」、「Forbidden Stars」、「Arctic Scavengers」)、それに複数勝利条件(「ケイオス・イン・ジ・オールドワールド」、「Archipelago」、「世界の七不思議:デュエル」、「シドマイヤーズ シヴィライゼーション:ボードゲーム」)。また、このゲームは、パーツを単純に足し合わせたものよりも優れている。でも、そういうことこそが、ボードゲームが最も優れているところなんじゃないかな? みんなそれぞれ好みがあるし、私たち全員にとって好ましいものがある。

Quinns:あー、話してくれてありがとう。読者のみんなは、私がこのゲームの箱に文句を言ってるのを聞くのに飽き飽きしているだろうさ。ポジティブな見解というのは喜ばしいことだね。

何と言ってたか。

Quinns:時には、カードが非常に強力となり、ボード上で賢く立ち回る機会がほとんどない状況となって、「ブラッドレイジ」が、ヒト成長ホルモンを注射されたトークンとボードがあるエリアコントロールのカードゲームのように感じられてしまう。巨大なミニチュアを手にしたが、それらはカードを伴ったボード上に現れてきて、プレイヤーは、カードで秘匿された目標をそのミニチュアに達成させたいと思うと、その後に3番目のカードで直ちにボードから取り除かれてしまう。それでもいいけどさ! 「ブラッドレイジ」にある主要な問題点は、素晴らしいカードゲームではないってところだ。

「ブラッドレイジ」でうまくプレイするには、分刻みの賢いプレイが必要というわけではない。計画を立てるために一緒に組み合わせるカードをドラフトして、そのカードから最も得点を絞り出す順序でカードをプレイすることとなる。しかし、この建てた計画を全て実行することは、プレイヤーが他の友人の計画も予測する必要があるということとなる。それは、同時に、どんなカードがあるのかを知らなければならないことを意味する。問題というのは、「ブラッドレイジ」の3つのデックにある全てのカードは異なるということだ。そういうことで、プレイヤーは計画する必要があるが、自分の計画は、手札にあるとは知らなかった友人がプレイするカードや、もっと悪ければ、存在することを知らなかった友人がプレイするカードにより狂ってしまうこととなる。

何よりも、カードはプレイヤーボードに収まるように小さなハーフサイズのものとなっていて、手札にしたとしても楽しさというものが全くない。

みんなはこの写真を見ていて、このイカしたミニチュアでプレイしたいと思っているのはわかるよ。俺もそうだ! そういうことで、このゲームはなんて変な箱なんだと思うわけだ。

16位:「Through the Ages: A Story of Civilization

レビューはここだ。

Paul:ないな

Quinns:Paul、君は、何に激おこ……。

Paul:こんな上位にランクしているのを見るのは、神への冒涜だぞ。どうなってるんだ? 「Through the Ages: A Story of Civilization」は、確かに、カードとキューブのあるそこそこ楽しくて興味を惹きつけるゲームだ。けど、プレイ時間が長すぎるし、平々凡々なメカニクスに基づいて構成されてるし、2時間、3時間、4時間、5時間とプレイしている間に、十分な変化なんか起きやしない。次々とカードが出現して、数値が大きくなり、シェイクスピアか戦車か何かが手に入る。最もだるくてつまらない形でのプレイヤーインタラクションがある。実際に、私はこのゲームがこんなに上位に登り詰めたことに怒り狂っており、すぐにキレちまうせいでクリニックで自分を診断してもらうこととなってる。

Quinns:わかった、わかったよ。けどな、まだ、怒りを見せるところじゃないんだ、いいな。もう一度、明日になれば、「Through the Ages」を話す必要が出てくるんだ。

Paul:は?

Quinns:落ち着け、Paul。その椅子を降ろそう!

15位:「Mage Knight Board Game」☆

レビューはここだ。

Paul:「エクリプス」について語った数段落上で言ったことと同じようなことを言うと思う。「Mage Knight Board Game」は、個人的に、熱心なプレイヤーのコミュニティで楽しむゲームだと思うね。私たちは、数年前までこのゲームを"ゲーマーズゲーム"と呼んでいた(少し曖昧なのはわかってるさ)が、まさにそうだ。たくさんのシステムと変動要素で構成されていて、入念に作り込まれている。長く時間をおいた後でこのゲームに戻ってくることはそこまで難しいことではないけれども、それでもやはり「Mage Knight Board Game」は複雑で、ここにあるルールやあそこにある条件を見逃してないかを確かめるために慎重にならなければならない。このゲームは素晴らしいものだが、苦労も多い。

Quinns:あ、このゲームこそ、デザイナーであるVlaada Chvátilが本当にガンダルフになるかもしれないと思わせてくれたゲームだ。馬鹿馬鹿しいゲームで、私たちの最も馬鹿馬鹿しいレビューの受賞者となってくれたことを嬉しく思うね。ほかの馬鹿馬鹿しい点とは何かがわかるかな? 6年が経過して、「Mage Knight Board Game」の要素で最も好意的に覚えているのは、手番が"昼手番"と"夜手番"に分かれていることだ。このことは、このゲームの世界観に命を吹き込むために多分に機能する。このことは、自分の魔法使いが眠らないことを示唆する上、 昼にはもっと豊富となるように魔法を準備させて、夜になると、対戦相手を呆気にとるような大魔法を唱えることができるようにするために、Vlaadaにこの素晴らしい素材を全て取り扱わせることを可能にしている。さもなければ、プレイヤーの協力者となる! 忘れないようにしようという理由で言うと、このゲームは、まあ、8つの異なるモードでプレイすることができるって? バカだよな。

重ねて言うけど、このゲームが史上15番目に優れたゲームであるという提案には、水飲み鳥のように頷きっぱなしだったよ。そして、もう一度言うけど、私たちの誰もがもう二度とプレイしないと考えていても、ゲームってそんなに良いものになり得るのかねぇ……?

何と言ってたか。

Quinns:ルールを覚えるのが大変だという割に、実際に"プレイに入る"と、このゲームは、プレイヤーが夢中になる楽しいエコシステムを提供してくれるよね。じゃ……どう思う? 買いかな?

Paul:知らんわ。悩むのは、誰とでもプレイできるボードゲームが大好きなんだけど、プレイするに至るまでの障壁がめちゃくちゃ高いゲームってのがあるよね。ゲーマーズゲームですらないのにさ。このゲームは、ボードゲーマーのボードゲームだよ。それに、友人たちには、ボードゲームが主として自分の仕事に没頭するもので、会話のキャッチボールをしたり、他のプレイヤーに反応したりするものではないと考えてほしくはないんだ。

14位:「アグリコラ

Paul:んー。そうね。Rosenbergのもっと有名なゲームがこんなに上位になっているのは、何年もの間、このゲームが最高傑作だったからだと思わざるを得ない。けど、それは、今では実態とはかけ離れている。ほかのRosenbergのリソース探索/動物配置ゲームは全てこのゲームよりも優れていると思う。けど、そういったほかのゲームは「アグリコラ」と同じようには売れなかったんだろうし、それゆえ同じインパクトに近いことにはならなかったんだろう。もし、もっと多くの人たちが「オーディンの祝祭」をプレイしているのであれば、あるいは、「オーディンの祝祭」が広く流通しているゲームであれば、「オーディンの祝祭」は「アグリコラ」に評価の点で挑んだろうし、多くのプレイヤーの再評価を引き起こしているだろう。そう、「アグリコラ」はクラシックである。そのとおり、「アグリコラ」は、良質で引き締まっていて妥協のない残酷なゲームなままである。けど、もし、このゲームの親戚に会う特権がなかったのであれば、何を見逃しているかわからないだろう。そうは言っても、このゲームのいとこの1人は、その後、評価の点で勝利したんだけど……。

13位:「War of the Ring: Second Edition

Paul:このゲームは、壮大さと巨大さという点で絶大な評価を得ているけれども、過去に試してみたいと切望するようなゲームではなかった。もちろん、私の世代的には相応量のファンタジー設定を楽しんではいるけれども、実のところ、私は、トールキンや彼の世界観をそこまで楽しんだわけではない。「ダンジョンズ&ドラゴンズ」や「ウォーハンマー」に関連する物は、いつも私の巨大な燃え立つ目を引くものだった(have caught my giant flaming eye first, ※サウロンの目を想定した表現)。自分の黒の乗手(Black Riders)を送り込むのは、そうした(「D&D」や「ウォーハンマー」の)方向性のものだった。ホビットたちが私のそばを通り抜けて何とかこのゲームをコソコソ持ち出そうとしていたのは、これが原因だと思うね……。

Quinns:このサイトに君のレビューを載せるのが楽しみだよ! その間に、気づいたことを述べていこう。ボードゲーム業界に6年いて、このゲームは、BGGのトップ20にあるゲームの中で最も言及されないゲームかもしれない。常に会話に出現する「トワイライト・ストラグル」や「Through the Ages: A Story of Civilization」とは異なり、「War of the Ring: Second Edition」は、なんというか……ここに位置付けられている。何年も気にすらしない誰かのお腹にある大きなホクロのようだ。

さて、準備はできたね、みんな! Paul Deanがみんなに「War of the Ring: Second Edition」のことを気にするようにさせてくれるってさ。さぁ、彼がやってくれる……、な、Paul?

Paul:すぐにな!

Quinns:そしたら、すぐにやってくれるってさ!

12位:「プエルトリコ

Pips:休日に、センターパークス(Center Parcs, ※イギリス等にある巨大な森や湖畔に所在する総合宿泊施設)でこのゲームをプレイしたことがあるんだ。このゲームをセンターパークスの外でもプレイできるとは思いつきもしなかった。私はインディゴに特化して植民地主義的なテーマを楽しむことに悩んだと思う。それに、大きな白鳥が中庭のドアのところに現れてにらみつけてきたんだ。そいつは、ヨーロッパの植民地主義を非難していたんだと推測するよ。そうでないとすれば、私がインディゴビジネスをどれだけしくじっていたことを非難していたんだろう。

Quinns:……SU&SDのSlackのチャンネルでのうろたえた会話によると、Pipの白鳥との出会いが、このチームでの「プエルトリコ 」の体験の要点のように思えるよな。

Paul:プレイしてたと思ってた!

Quinns:プレイしてなかったよ。君こそプレイしたことあるのか?

Paul:俺は野生の(in the wild, ※市場に出回っている)「プエルトリコ」すら見たことがないよ。

Quinns:データマインニングを使って私たちの経験不足を補おうじゃないか!

Paul:ないわー。

Quinns:Paul、「プエルトリコ」がBGGのトップ100の中で7番目に古いゲームであるってのは知ってたかい? 一番古いのは「Crokinole」で、1876年に発売されたんだ!

Paul:多くのアメリカの州の人口よりも多い、340万人のプエルトリコ人全員がアメリカの市民だが、大統領選挙に投票することが許されてないって知ってたかい? 私たちがこのゲームを代弁してないのと同じように、彼らは代表者にはなれない。そうすると、ある種の隠喩がある。多分ね。

Quinns:プエルトリコの国鳥が何か見に行ってくるよ。

Paul:コキーコヤスガエルっていうカエルが生息しているのは知ってる。Googleで調べたってわけじゃない。

Quinns:じゃ、プエルトリコシトドフウキンチョウ(Puerto Rican spindalis, ※正式名称は不明であった。)にご挨拶だ(※プエルトリコ国鳥はプエルトリコキツツキである。)。

Paul:史上最高のゲームだ

11位:「The Castles of Burgundy」☆

レビューはここだ。

Matt:いやー、このゲームの中に列車がいなくてかなり喜ばしいね。みんながどうかはわからないけど、私は列車にうんざりだよ。脚がなくて国中を走り回り、乗客、貨物等を運んでいく。わかった! みんな列車なんだ! 頼むからいい加減にしてくれよ。もう1つ列車を食べなければならないとすると、病気になっちまう。

Paul:全てが柔らかい色合いの見た目で、少しフラットなデザインだけど、それでもこのゲームは面白いと思う。それに、文字のレビューでの私たちの楽しさを引き出してから数年経過すると、今では、カメラにこの光景を収めなかったことへの後悔という小さな胸の痛みを感じるよ。その光景はとんでもなく見た目が素晴らしいとは思わないが、私たちのアニメ的な賞賛はもっと多くの人の目に届いたんだろうとは思う。

Quinns:面白い事実がある! 「The Castles of Burgundy」は、BGGのトップ10ゲームのうち9つのゲームよりも評価が高いんだ。このゲームがめちゃくちゃイケてるって考えてるっことで満場一致なんだ、まあ、聞いてくれよ。私もこれに与する1人だ。これは図々しい発言だ。でもだ! 私は図々しい人間なんだな。時として、卵を全て焼くのがわずらわしくなって、白身の部分がまだ少しねばついてることがある。

他にどうやったら非常に素晴らしくなるか、わかるかな? まさに、どこぞの出版社がRavensburgerからこのゲームのライセンスを力尽くで奪い取って、「Brass」みたいに、もっと大きなボード、もっと厚いカード、鮮明で現代的なアートの再デザインを伴って豪華な第2版を出してくれたらいいんだよな(※最近、Awaken RealmsよりスペシャルエディションがGamefoundにてクラウドファンディングされていた。)。

……けど、話題になっているのはRavensburgerだ。2003年から「プエルトリコ」の見た目をアップデートするのを気にしてこなかったし、奴隷を管理することがテーマの楽しいゲームとなってしまっているというほぼ普遍的な不安にも対処してくれてない。すぐに実現するなんて期待してないと言っておこう。

何と言ってたか/何と議論していたか

Quinns:「The Castles of Burgundy」に魅力をもたらしているものは、ドイツの重量級ボードゲームである「アグリコラ」に魅力をもたらしてるものと同じだ。プレイヤーは真っ白のキャンバスから始めて何かを築き上げる。それが発展する様を見るが、イライラしたり報酬が受け取れたりするようになる。

この細部まで行き届いたメカニズム自体は、「The Castles of Burgundy」を習得したいと思う豊かで抜け目のないパズルに仕立て上げている。だが、このゲームから"離れ難く"しているのは、まさにプレイヤーが地域を発展させているという実感なんだ。それには、みんなの関心をとどめておく力がある。

そしたら、結論だけど、このゲームと「アグリコラ」のどっちがおすすめかな?

Paul:あーーーー、「The Castles of Burgundy」は非常にプレイするハードルが低いので、ボードゲームに馴染みのない新規プレイヤーにはこのゲームをすすめる可能性が非常に高いね。

Quinns:プレイするハードルが低い? もし、私がこの趣味を全く知らない状態で、誰かの家に遊びに行って、私の前にこのゲームを置いたとすると、私は、故意にワインをこぼすよ。

Paul:けどさ、もし、そういう品のない破壊行為に及ばずに我慢するんだったら、このゲームを理解できるんだろう。楽しむことだってできるはずさ。

Quinns:多分ね。こいつは素晴らしいゲームさ。ただ少し……多すぎるんだ……夜の終わりには、楽しめたかどうかすら全然わからなくなるほど、ゲームに延々といじめられたり試されていたりしていたことがはっきりすると思うよ。私は、このゲームをハードコア寄りだとみているよ。

Paul:まあ、そのことは気にすんなや。少なくとも、これが素晴らしいゲームであるという点には同意できるだろ?

Quinns:間違いなく素晴らしいユーロゲームだ。単なる大量のしっかりとしたコンポーネントと派手なアイディアというよりもデザインに驚嘆するような、地味だが知性に訴える作品を探している場合には、「The Castles of Burgundy」はおあつらえ向きだ。

以上

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