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短歌

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書き始めたばかりの短歌まとめてます。
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2022年5月の記事一覧

短歌51「目」

まだ暑くない土地に住むあなたの目しっかり夏とらえている 後の世に伝説になる綺羅星にありえ…

酒部朔
2年前
11

短歌50「雨でした」

雨洗う道路の熱 白い泡 君だけのものひとつはあるの 雷雨があなたを襲う 意志がある 本屋…

酒部朔
2年前
9

短歌49「炭酸水」

透明の万年筆をよく使う沈み込むこころ呼ばれないよ 27°気が早いかと白Tシャツいつの間にや…

酒部朔
2年前
10

短歌48「睫毛ふせて」

相変わらずのロボですねその優しさ壊れた肩もわからないんだ 夏の雪ありえないものそれ見える…

酒部朔
2年前
8

短歌47「球根と雨」

死にてえな カップラーメン開かなくてカリカリしてる血の方が沸く 球根を思う小さな塊を 散…

酒部朔
2年前
9

短歌46「流星」

全てのテーブルにある希望って無くならないから食べていいよ どうして使えない言葉あるんだろ…

酒部朔
2年前
9

短歌45「モンスター」

乱暴が好きなひとなどおりませんトマトのヘタを大切に洗う 垢BANにされし君モンスター明るい朝が涙で眩しい ユーカリにしっかり身体預けてるコアラ凶暴ぼくの爪を見て 別れる別れないとかで引き伸ばして少しでも多く声が聞きたい 本当の幽霊はその女でしょ息継ぎなしで9時間喋る 泣いたって助からない知っている 力はいつもあるわけじゃない 指輪が好きだった頃 夏も海も君のことも好きだったよ お願い目を閉じないで約束をひとつでも残していかないで 水筒に氷を紅茶詰め込んで船を見

短歌44「雷魚の呼吸音」

唇の端にコーヒー 拭う時妙に野生の気持ちになる 焦れる踵 帰らないとは言えなくてパンプス…

酒部朔
2年前
9

短歌43「深海のソナー」

野球の素振り少年誇るのは 同じユニ着る妹の姿 思い出す電話番号ばあちゃんの どこかの家で…

酒部朔
2年前
10

短歌42「17番目の月」

赤く手を燃やしていいの生活の冷蔵庫の中身も忘れ この月は17番目色は赤 信奉者はルビーのピ…

酒部朔
2年前
7

短歌41「瞼にピンク」

じゃあもう忘れていいよ輝く高速先に降りるみたいに 家の中は涼しいけれど 外の夏 合わせて…

酒部朔
2年前
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短歌40「星の砂」

あなたの鎖骨を食むちいさいぼくカニバリズムの片鱗を見る 瞬きの間に新芽出る季節がぼくをぞ…

酒部朔
2年前
8

短歌39「五位鷺」

ゴイサギの羽持ってきて夏だと言う子は賢し軽いスカート カラコンの男性店員目が眩し乾いた星…

酒部朔
2年前
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短歌38「ノイジー」

さよならのきらめき光る手のひらに君の顔から反射した影 乾涸びた万年筆にインク入れブルーブラック観覧車の夜 テンの出る住宅街にある実家 目撃譚はまるで幽霊 母さんにありがとメール送ります新しい鳩入荷したので 炭酸が消えるまでには話してね君を齧ったキリン仕留める 天使が轟々と降り忙しい ウオッカを飲み倒れても来ない 袖が濡れ泣いてないのに淵の色 歌歌うため割ったグラス 重力を感じる日は頭痛して遠心力で布団めり込む 幸せは一個持ってる手のひらに 緑でもいなくならない