見出し画像

短歌50「雨でした」

雨洗う道路の熱 白い泡 君だけのものひとつはあるの

雷雨があなたを襲う 意志がある 本屋帰りの本を狙って

朝の人真夜中の人夕方の 生きてるなって思うわけなの

振り向けば違う人ですしくじった いい迷惑な知らぬ人よ

雨の日は腰が痛くてだるいので先生頓服飲んでいいですか

変わらないお天気マーク雫落ちスマホの画面ひたひた濡らす

大きな木があったからここに決めよう新しい枷ぼくらの檻を

ボーダーのシャツで待ち合わせ うねりの髪は湿気喜ぶ

何回も言っているのに傘忘れる いい傘と出会うまでは差さない

サイコロを持ったタコ脚召喚すクトゥルフの庭遊びに行こう

あなたの弔う水の霊魂がわたしの足を引く 光を

連れてゆく連れてゆくのねあの人を赤い雲が割れるところへ


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?