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短歌

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2022年4月の記事一覧

短歌36「晴れなくても」

透明感濁る肌色見せられぬ たった一つの染み見つけた君 地下茎で深く繋がる同じ夢あたしたち…

酒部朔
2年前
9

短歌35「きらめき」

こんな夜に米を炊いたりおしゃべりし明日が来ると保証はなくて 待合のソファひんやりと患者待…

酒部朔
2年前
5

短歌34「月もたぬきも」

ココナッツキラキラの味甘い味 甘い初恋なかったけれど いじめられまた庇われて同じ色出せず…

酒部朔
2年前
5

短歌33「花筏すら」

霜降り肉通販見つつ作歌する 揺れる頭にホトトギス来る 毛布のぬくもり残る 別れてる自分の…

酒部朔
2年前
7

短歌32「喪服を眺める」

桜咲きチューリップ咲き梅も咲く今札幌の春の始まり 縁を切る胸に抱えて闇を行く月から梯子降…

酒部朔
2年前
8

短歌31「左手」

妹の手小さいから包丁が上手く持てない 近づかない。 ひらめきのない頭振る 鳥が飛ぶ 前回…

酒部朔
2年前
12

短歌30「ひばりよ」

国産みの柱回るわたしたち 巡り会えない本屋の棚々 地獄には行かないけれど天国も行かない犬が行けないのなら コーヒーのカフェイン効かぬ 黒色が何度もぼくの恋を洗うけど ときたまご黄身を潰す 満月を無くした森はアドレスを変える 買ってきた早口の貝 砂抜いて熱湯に入れ わたしわたしは カラスのいない春来たり ベッドから落ちた格好あなた待ってる 思い出す断捨離をした捨てた鞄 まだ世界にあるかのように 衣替え薄ら寒いTシャツあつあつの夏未だ知らない 窓開ける外の方が暖か

短歌29「永遠ダンスクラブ」

燃える納屋死んでいるから火はよく出 明日のおかず考えていた なくしたものを数える夜に足の…

酒部朔
2年前
3

短歌28「リズム」

カラコンを開ける時に手を切った 神様のいいねひとつもらった 浄水器のカウントダウン見るた…

酒部朔
2年前
6

短歌27「土星のフラペチーノ」

窓の外なのはなの咲く あたしまだ冷たい鞄抱えたままで 先生どうなんでしょうあんなにも蟻の…

酒部朔
2年前
6

短歌26「海を作る」

海辺の子手慣れた様子スイカ割り うまい打順でわたしに割らす 心凪ぎ波に攫わる足の裏 狂お…

酒部朔
2年前
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短歌19「ゆうまぐれ」

夕まぐれ手を繋いでジャンプする地球との縁切ってみたくて わからない朝日も夕日もカーテンを…

酒部朔
2年前
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短歌18「食べる」

もぐもぐと無心の君は可愛らし お隣の音幸せな喧嘩 アスパラの甘く苦い味目が覚めた 今年始…

酒部朔
2年前
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短歌17「檸檬の空」

青空がこわいんですとぼくら集う歯車の影誰も見えない レタス割り細かくちぎり今日は晴れ夕餉の時に訪れる鬱 毎日を窓見て過ごす飽きないで飽きてはいるが見るものもなし 青空に生まれたアゲハ山椒の木深く抱かれて死を暗喩する 青空の断頭台が光りおり かぼちゃを母が叩き割る音 濁ってる空見上げると思い出す 海から這った柔らかい脚 春告げる日傘ゆく人わくわくと あなたのメガネ空映りおり 違う人 見直しても夜の君流れるように眠っているけど 空ひとつ愛ひとつとて出せないで でも