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短歌35「きらめき」

こんな夜に米を炊いたりおしゃべりし明日が来ると保証はなくて

待合のソファひんやりと患者待つ外は一面桜が咲いて

喧嘩の相手の話聞きたい君その若葉は毒となるかも

滲んだワイングラスをあたためて嗅いだ香りは体積を増す

ハワイの森 赤髪のひとを考えてぽろりと命流れ着くやも

甘すぎるチョコ 口に入れ青い海 帽子についた砂うらやまし

商店のおばちゃんくれた春菊は花咲いてたけどぺろりと食べた

今ではアップルウォッチ 百円を握りしめてた揺れる市電で

赤いバラ水切りをした寒い朝どこにいたって薄ら寒くて

植物を握るいのちをきらめきを厚い本にも頬擦りしたい

しんみりとTシャツ畳む 畳むときどうしてかしんみりする

満月の出た日に届く母のメール深い海の底から見上げる

ふわふわと浮いてる言葉連れてきて整列前進あとは頼む

失敗をするのが嫌でショートにし両肩に髪針のごとく降る

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