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短歌30「ひばりよ」

国産みの柱回るわたしたち 巡り会えない本屋の棚々

地獄には行かないけれど天国も行かない犬が行けないのなら

コーヒーのカフェイン効かぬ 黒色が何度もぼくの恋を洗うけど

ときたまご黄身を潰す 満月を無くした森はアドレスを変える

買ってきた早口の貝 砂抜いて熱湯に入れ わたしわたしは

カラスのいない春来たり ベッドから落ちた格好あなた待ってる

思い出す断捨離をした捨てた鞄 まだ世界にあるかのように

衣替え薄ら寒いTシャツあつあつの夏未だ知らない

窓開ける外の方が暖かい ひばりよ今はお大事にして

餌もらい居着く白鳥2羽だけが運河に浮かびシベリア思う

いつまでも手を離さない君の寝相ふたりは誰でもなくなってく

日差しの強い日でした なにもないを抱きしめるひとバイバイ言い合う

くちびるの血がくちべにと同化して さみしいなあと泡吐くサカナ

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