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18年前の受験の思い出と、山崎正和さんのお話を聞けた歓び【雑記】

山崎正和さん、ニッポンの論壇の一人、と記載したら本人は違う、と言うだろう。山崎正和、日本の劇作家。

私にとっては、今でも唯一覚えている、入試問題に頻出するエッセイというかまさに論説文の代表格、という印象。

小手先から始める受験戦略家の自分にとって、主要大学の現代文に頻出するこの方をまず見つけ出し、そこから勉強の傾向と対策を考えた、思い出の方、でした。


あれから時は経ち、17歳、18歳の自分からすると約18年。2019年、たまたま縁あって、御年85歳の山崎正和さんの講話というかお話を聞く機会に恵まれた。 

話の要旨は上の産経新聞の記事の通りでした。つまり、今後の日本の展望として、経済的な豊かさではなく、文化的な豊かさ(よく言われるようなことではありますが)を目指していくべきで、しかもそれは実はもう見られていることで、

阪神大震災でそれは変わったというか、日本に根付いたこと。地縁や血縁を超えて、見ず知らずの人を、どげんかせんといかん(これも古いですな)という一心でお互いに助け合った、ボランティア活動のことをあげていました。

それ自体もそうですし、欧米と日本の戦前、戦後の価値観の変化と、現代の価値観、そして将来へ、という氏の得意とする?話を聞き、何故日本の大学が、入試の問題として様々に、そして劇作家の文章を用いるのか、その真意が分かったような、そんな講演でした。

そして、いまを生きる皆さんへの最後の一言。

とにかく、一年に一冊でいいから、本を読んで欲しい。

斜め読みでも、飛ばし読みでも結構だから、そして一冊で構わないから、一年に一冊の本を読むこと、これをお願いして、最後の挨拶とします。

と。

その前段に、現代人の講師にわたる忙しさに触れた上での、一言、これは、金言だなぁと思いました。

そう言われるとやれそうな気持ちになるし、結果一冊読むと二冊目に手が伸びるし、真面目な人ほど、きちんと読まなきゃと考えてしまう人がいるけど、

大学時代に、映画の例えで習ったサンクコストと一緒で、その本を買ったら、例え最後まで読もうが飛ばし読もうが、途中まで読んで納得しようが、もう本を買ったということにおいては、経済的には消費してしまっているので、変わらないんです。

世の中に本もあまた、駄作もあまた、これが実情。

山崎正和さんほどの人生の大先輩に、そう言われたら、若者も子供も本を読まない大人も気楽に文字に触れるのではないでしょうか。

インテリジェンスを、感じた2019年のベストな瞬間できた。


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