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日本の麦酒歴史ができるまで ⑦

今では、北海道のビアバーや知り合いも多く、どこに行こうか迷うほどですが、この当時は北海道に親しい知り合いはいません。元ニッカウヰスキーの社員だったころのお店を訪問しススキノの夜を楽しみました。

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【過去投稿】日本の麦酒歴史ができるま
で      

宿泊したホテルは、開拓使麦酒醸造所があった敷地の中にあります。その敷地には、札幌麦酒時代の醸造所の建物や煙突が残っていますし、現在でも麦酒を醸造している建物もあります。

ホテルを予約した時に、1つリクエストを送りました。
「部屋の窓から醸造所の建物が見える部屋をお願いします」と

予約した部屋のグレードが、その部屋に該当するかどうかわからないのに、失礼なリクエストだったのですが…チェックインして窓から外を見た瞬間「おぅ!」と大声をあげてしまいました。

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※写真は2月に撮影したものです

夜は、カーテンを開けて煙突をずーっと眺めていました

翌朝、ものずごく早く目が覚めました
#小学校の遠足の朝

ホテルで朝食を取り、オープンまでにはまだ数時間あります。
しかし、部屋でじっとしている気分ではありません。
当初、ホテルの前からバスに乗ってでかける予定でしたが

徒歩で、札幌市内を巡りながら向かうことにしました。

それも、かなり早い時間に到着します。
リニューアル式典も見学したかったので、招待もされていないのですが、スーツで出かけました。

式典のリハーサルがあり、いよいよ開所式です。

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動画でもどうぞ

さぁ、開館です!

リニューアルオープンの最初の客になる

これが、最初の目的です。
いそいで、来賓の方々をかき分けて入口に進みます。
最初の客になって、入ろうと思った瞬間です



「重富さん」 と 呼び止められます
(心の声)なぜ、私を知っている人がいるんだ?

さすがに、無視するわけにもいかず…
ご挨拶をしていると、次から次へと、列が続きます
時間が過ぎ、名刺が増えていきます(涙)

少しは、この業界の方々に知っていただいていることは有難いことなのですが、今は違うのです。今じゃないのです。

最初の目的「一番客」の夢はやぶれました

気持ちを正して、博物館の中に入ります
まず、予約したプレミアムツアーの申し込みカウンターに

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さすがに、ツアーの事前予約は「1番」だったようです。

2番目の目的「中川清兵衛の修業証書」
ありました! 展示場の最初の方に…


言葉を失いました

何分経過したでしょう

さすがに、ほかのお客様にご迷惑なので離れました

椅子に座り、かなりの時間座っていたと思います。


感動して、動けなかったのではないのです


なぜ動けなかったか…


修業証書は展示してありました。


でも



「レプリカ」なのです


こんなにもショックな事があるのかと…
涙も出ませんでした。

本物が展示してある とはどこにも書いてありません
勝手に、想像した自分が悪いのです

いつか、本物を見たい! いや見るぞ!と
勝手に心に決めました。

プレミアムツアーの時間です

気分をもう一度、立てなおして集合場所に向かいます。
最初は、ビデオを見るようです。それも 6K映像。

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中川清兵衛編・村橋久成編 2編あり、ツアー毎に交互に放映されます。
最初に見たのが、どちらだったか覚えていません。
修業証書を見れなかったと同じ位のショックを味わいます。

内容が、重富の「麦酒講談」なのです…
というか、ほぼ同じなのです。


それは、当然です。エビスビール記念館の館長端田さんが監修のはずです。端田さんがかかれた本を見て脚本を書いたのです。逆に同じでないとおかしいのです。

重富の講談が、ポンコツであったのと、映像がとても素晴らしかった事のギャップで再び落ち込むことになります。

麦酒講談を作って、すこしいい気になっていた自分が恥ずかしいです。

その後、ツアーで全体を紹介してもらいましたが…さすかに短時間なので、消化不良の重富は、その後、閉館時間までずーっと博物館をさまよいます。

ツアーの最後に「開拓使麦酒」を飲むことができます。

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開拓使麦酒は、1877年当時のレシピを忠実に再現された銘柄です。札幌市内で販売しています「開拓使麦酒」とは違うそうです。ここでしか飲めないので、ぜひ体験してみてくださいね。

閉館時間が近づいてきました。
博物館のツアーや案内、ビールを注いでくださるスタッフの方を、ブランドコミュニケーターと呼びます。その中のお一人が「重富さん、まだおられたのですね」と声をかけてくださいました。プレミアムツアーをご案内くださった方でした。少しお話をさせていただき、落ち込んだ気持ちが落ち着きました。プレミアムツアーをあまりも早く申し込んだのも強く印象に残っていたそうです。ありがとうございます。

今日はここまでです。

サッポロビール博物館リニューアルオープン
私の目的であった
1)最初の入館者になる
2)中川清兵衛の修業証書(本物)を見る
を叶えることができませんでした

また、6K映像をみたことで、重富の麦酒講談のポンコツさを思い知りました。実は、この悔しさこそが映画「日本の麦酒歴史」を製作する原動力になるのです。