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セガハード40周年注目の書籍『セガハード戦記』著者・奥成洋輔氏自らが語る制作経緯と見どころ

2023年はセガ初の家庭用ゲーム機
SG-1000が発売されて40年目の年

そんな節目ふしめの年に注目の新刊が発売される。

セガハード戦記

こちらは1年前の今頃はちょうど
メガドライブミニ2の発表をしていた
セガファンにはおなじみの人
奥成洋輔氏による新刊だ。

今回は特別に『Beep21』読者に向けて
奥成氏自らが、その著作の経緯と
見どころ
を語ってくれた。

しかも!
7月9日(日)には『Beep21』編集部×奥成氏の
スペシャルトークショーと奥成氏のサイン会
も開催が決定!

セガハード40周年を記念して
ぜひこの新刊を手にしてほしい!


セガ家庭用ハード40周年の今年、セガハードの戦いがきざまれる

『Beep21』読者の皆さんこんにちは。奥成です。ひょんなことから初めて本を出すことになりまして、この場を借りて紹介にまいりました。過去インタビューをまとめた本はあったのですが、自分で執筆しっぴつした本は初めてなのでドキドキしています。

【奥成 洋輔 (おくなり ようすけ)】1971年生まれ。1994年に株式会社セガ・エンタープライゼス(現・セガ)入社。セガサターンおよびドリームキャスト向けタイトルのパブリシティ、PS2以降のゲームプロデューサーなどを担当。2005年以降は過去タイトルの復刻を数多く手掛ける。主な作品にPS2「SEGA AGES 2500」シリーズ、Wii「バーチャルコンソール」セガハードタイトル、ニンテンドー3DS「セガ3D復刻プロジェクト(2012〜2017年)」、『メガドライブミニ(2019年)』『ゲームギアミクロ(2020年)』『メガドライブミニ2(2022年)』など。

 タイトルはセガハード戦記。セガのSG-1000からドリームキャストまでのライバルとの攻防を歴史的事実に基づいて追った本です。私がいちセガファンとして見守っていたことと、仕事のなかで経験したこと、いろいろな文献ぶんけんやインタビューで知ったことを、可能な限り忠実にしるしました。

セガハード戦記』奥成洋輔 著 (白夜書房 / 2023年7月3日発売 / 1,980円・税込)

 これまでのゲーム本と違って、ソフトウェア技術やゲームタイトルの魅力についての話はほぼ一切出てきません。あくまでハードの歴史にしぼりました。逆にいえば1983年から20世紀末にかけてのセガCSハードの歴史がこれ1冊でわかるようになっています。

 2年以上前からスタートした本企画

 企画がスタートしたのは今から2年以上前のことでした。白夜書房のWebサイト「ミライのアイデア」の担当編集の方から、「セガと歩むゲーム史」という題材で本を書いてもらえないか? という依頼いらいを個人的にいただいたのです。でも僕、会社員ですけど? 会社員って本書いても良いんでしたっけ? しかも会社ではメガドライブミニ2の制作をスタートしたタイミングだったので、そもそも原稿を書く時間なんてあるの? というのが最初の疑問でした。

 ではためしに一度短期連載でコラムをやってみましょうかと、会社を通して2021年の夏「セガサターンとふり返るあの時代」という5回の連載を書きました。

 こちらの連載はおかげさまで好評いただいたんですが、全部合わせてもせいぜい2.5万字程度。本にするには10万文字くらい必要だそうで、ボリュームはまったく足りません。

 そこで上司のミヤヒロ副事業部長(当時)に相談をしてみたところ、副業でけてみたらいいんじゃないかとのこと。わが社では、会社に申請し認められれば、業務外の時間に他のお仕事が受けられるのです。こうして世にもめずしい、退社していない現役社員による自社の歴史を語る本がスタートしました。

メガドライブミニ2開発と並行して書かれたメガドライブ編

 メガドラミニ2の開発も佳境かきょうむかえ、オマケゲームにスペハリが入るか入らないか、どっちかというともうこれは間に合わない、収録は絶望的だな! などと頭を悩ませている時期に、主に土日のお休みを使って、私の精神安定のために書き始めました。それが2022年の夏に公開した「セガの名機  メガドライブの軌跡きせきです。

年明けからも書き直しを続けて大ボリュームに

 これで大体5万字。残り半分は、メガドラミニ2の開発が終わってから書こうと思っていたのですが、夏以降も、生放送だ、営業だ、ムックづくりだと仕事はきません。結局最後まで書き終えたのは正月を過ぎた頃でした。

 ところが今度は改めてまとまって読み直すと、時間をかけてしまったこともあって、最初に連載で書いた原稿のクオリティが目について、結局全体を直したくなってきます。気が付くと直しだけでさらに半年。ボリュームも計画していた10万字をはるかに超えるテキスト量になっていました。
 
 本の内容については、過去の連載を読んでいただければ大体あんな感じなのですが、目次とともに解説すると全体では10+αのブロックに分かれており、こんな感じの話が書かれております。

●序章 セガハード前史(1970年代~)
『スペースインベーダー』から始まったビデオゲームブーム/子供たちが熱狂した「電子ゲーム」/家庭用ゲーム機とホビーパソコン/1983年、ファミコンとSG-1000が登場

この章は、セガハードが登場する前の1980年前後の家庭用ゲームの歴史背景を、自分の経験を中心にして語っているプロローグです。SG-1000/SC-3000誕生前はどんなだったのかを振り返ります。

●第1章 SG-1000(1983年~)
日本のゲーム史に大きな影響を与えた「コレコビジョン」/急遽発売されることになったSG-1000/ファミコンに次ぐ2番手のポジションを獲得/家庭用ハード事業を本格化

セガの話はここから始まります。今から40年前の1983年。ここからいよいよセガハードが誕生するわけですが、その前後の家庭用ゲーム機とホビーパソコンについてのお話です。

●第2章 セガ・マークⅢ(1985年~)
ファミコンに参入?/ファミコンの性能を上回る「セガ・マークⅢ」/メガカートリッジで巻き返しを図る

この章では、個人的に思い入れは深いものの、苦難のスタートとなったセガ・マークⅢのデビューの時代です。セガ以外では『スーパーマリオブラザーズ(1985年9月13日発売)』が誕生した頃ですね。

●第2.5章 ゲーム雑誌(1980年代)
ゲーム専門誌『Beep』/ファミコン専門誌と攻略本ブーム/セガに寄り添い続ける『Beep』

ここでは一旦脇道に逸れて、セガの話題では無くてはならない雑誌『Beep』の誕生と、その前後のゲーム誌について紹介しています。毎月8日に本屋に通っていた人のための章です。

 ●第3章 マスターシステム(1986年~)
1986年、「セガ・マークⅢ」を海外へ/欧州では家庭用ゲーム機のシェアNo.1を獲得/日本でもセガ・マークⅢはマスターシステムに

第3章のマスターシステムは、主にセガの海外展開の話です。欧州でのマスターシステムの活躍について語ります。

●第4章 メガドライブ(1988年~)
セガの攻勢を支えた「システム16」/1988年、メガドライブが発売/さまざまなハードで遊べたセガのゲーム/最初の大型タイトル『ファンタシースターⅡ』/人気に火をつけるはずだった『テトリス』の発売中止/『大魔界村』を皮切りにヒット作が続々登場/海外でGENESISを発売/シャイニングシリーズの誕生とRPG/セガの看板タイトル『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』/CD-ROMを巡る「メガCD」と「PCエンジンDuo」の戦い/1992年、メガドライブの主戦場はアメリカへ/3Dブームの始まり『バーチャレーシング』/1993年、熾烈を極めるシェア争い/海外では拡大が続く一方、日本では雌雄が決する/次世代機の先陣を切った「3DO」/時代は3Dポリゴンゲームへ

なんか突然項目が増えましたが、ページもボリュームもいっぱいになっているメガドライブの章です。ここはWebの連載で読むことができますが、本にするにあたりかなり直しました。また連載では文字数の都合上カットした話についても復活させています

●第5章 ゲームギア(1990年~)
ゲームボーイが空前の大ヒットを記録/画面のカラー化で差別化を図ったゲームギア/最終的に1000万台を売り上げる

 セガ唯一の携帯専用ハードであるゲームギアについての紹介です。

●第6章 セガサターン(1994年~)
次世代ゲーム機戦争、開戦前夜/プレイステーションが与えた衝撃/1994年の年末商戦、「次世代ゲーム機戦争」第1ラウンド/ソニーとセガ、それぞれが業界に起こした変革/1995年の第2ラウンドはセガサターンが勝利/「ファイナルファンタジーⅦ、始動」/充実した1996年のセガサターンラインナップ/国内合計500万台を売り上げるプレイステーション/『ドラゴンクエストⅦ』とセガバンダイ/伸びるプレイステーション、失速するセガサターン/継続が困難となるセガサターン/セガサターンからドリームキャストへ

そして、日本の多くのセガファンにとって最も印象深いセガサターンの章です。ここもWebでの連載をベースとした、リメイク版となっております。ドリームキャストの話題も連載に合わせてここからスタートしています。

●第7章 ドリームキャスト(1998年~)
夢を伝えるために総力戦へ/インターネット標準対応への挑戦/発売開始とプレイステーション2の影/意欲的な新作が続くが……/届かない目標200万台/プレイステーション2とDVD/待望のオンラインRPG登場/家庭用ハード事業からの撤退を発表/「創造は生命」を体現したハード

本書のクライマックスとなるのが、このドリームキャストの章です。見出しを並べただけで既に波乱の展開が想像できますね。

●第8章 その後(2002年~)
拡大の一途をたどるビデオゲーム市場/20年ぶりの家庭用ハード発売
 エピローグとなる章です。20年後のセガの話をちょっとだけします。

15万文字超288ページ!電子版にはちょっとうれしいカラー版の写真も

 この他「はじめに」「おわりに」などもありまして、全部で約15万文字・計288ページ、本の厚みは約2cmと、なかなかのボリュームとなりました。また、この本には、一部紹介タイトル画像のほか、『Beep21』読者にはおなじみのセガ広報秘蔵の発表会やイベントの記録写真も掲載しています。特に同時発売の電子書籍版では、それらの画像をカラーで見ることができます。電子版の人はちょっとうれしいポイントです。
 
 本の中の「はじめに」の項でもちょっと書いたのですが、この本を書いた理由のひとつが、なるべく正しい歴史を知ってもらいたいということでした。ネットで面白おかしく語られることも多いセガハードですが、ただライバルに敗れたという事実ひとつでは伝えられることのない、当時どんな戦いが繰り広げられていたのかを書いた本です。

当時のソフト・ハードの制作者の苦労と栄光を振り返る『Beep21』の愛読者である皆さんには釈迦しゃか説法せっぽうかもしれないですが、この本を通してますますセガとセガハードの知識を深め、一層愛してくださると幸いです。

2023年7月9日(日)に『Beep21』×奥成洋輔氏によるトークショーと奥成氏のサイン会が開催されますっ!

というわけで今回の新刊の発売を
記念して、急遽開催が決定した
トークショー&サイン会は
以下の告知がされた翌日には満席となる事態に!

◆『セガハード戦記』刊行記念 奥成洋輔先生トークイベント&サイン会◆2023年7月9日(日)12:00-15:00
書泉ブックタワー9Fイベントスペース(秋葉原)

こちらのイベントは、もちろん
『Beep21』の誌面で後日たっぷりお届けする
予定ですので、当日現場に行けなかった!
という人は、そちらの記事をぜひご覧ください。

『Beep21』としても楽しい内容の
トークショーにする予定ですので
どうぞお楽しみに!

当日の模様はイベント後の週に
(なるべく早く)お届けする予定ですので
よろしくお願いいたします。

この記事が面白かった!という方は、記事の左下にあるハートマークの「スキ」も押していってくださいね。どうぞよろしくお願いいたします。

『Beep21』も併せてご覧ください!

※『Beep21』で一番ライトな読み方はこちらから(※下の「2023年間購読版」もお得でオススメです)

◆お得な「年間購読版」でも読むことができます!

※『Beep21』が初めてという方は、こちらの『Beep21』2021〜2022年分 超全部入りお得パックがオススメです!(※ご購入いただくと2021〜2022年に刊行された創刊1号・2号・3号・メガドライブミニ2臨時増刊号すべての記事を読むことができます!)

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